おしゃれシティ代官山を歩いて気づいたこと。素敵な建築物群と、サックスの音色に酔いしれて
2019/08/06 / 半澤則吉- 代官山
- サックス
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半澤則吉
福島県生まれ。フリーライター、雑誌編集者。共著に『町中華探検隊がゆく』(交通新聞社)などがある。ドラマライター、朝ドラ批評家としても活動する。
目次
代官山といったらおしゃれシティのイメージ
東京に住んで20年近くが経つのですが、代官山を歩くようになったのはここ10年くらいでしょうか。東京の西側に住み、職場は東京の東側という時間が長かったので東京の真ん中である代官山エリアは意外と訪れる機会が少なかったのです。それでも数年前、仕事で何度か足を運ぶ機会が続きこのおしゃれシティをすぐに好きになりました。僕は雑誌のライターをしているのですが、確かIKEAの家具を実際に使っているおしゃれな店を探そうという企画だったと思います。そんなやんちゃな企画だったため、毎日のように代官山に通うことに。
今のようにIKEAが東京の街中にある時代ではなく、まだ郊外にしかなかった時期でしたが、さすがは代官山。思ったよりも多くの店が、北欧の収納やスツール、テーブルを使いこなしていて、何とかページを作ることができました。
こちら商業施設「sarugaku」も当時、何度か訪れましたね。住宅地の中に突如現れるおしゃれな建物で、初めて見たときはびっくりしました。僕の中で代官山というとまずこちらが思い浮かびますね。このときの経験があったからかあれから数年経った今も、いまだに代官山というとおしゃれな場所というイメージが強く、訪れる度にわくわくしています。
もはや代官山の象徴、蔦屋書店
今回は、仕事帰りに1時間ほど時間が生まれたので、代官山散歩。素敵な飲食店もストアも多いので、お店目当てで足を運ぶことがほとんどのこの街ですが、おしゃれシティだけあって「sarugaku」以外に押さえておきたいおしゃれ建築物の宝庫なんです。ということで、代官山の有名建築物を巡ってみようと思います。
ということでまず訪れたのは、「蔦屋書店」。
もはや代官山の象徴のようなスポットですよね。ガラス張りの建物自体が美しく、普通のお店ではないような珍しい本も多いので本好きにはたまりません。2021年に10周年を迎えたということで、代官山の街でもすっかりランドマーク的な存在となっています。この蔦屋書店を中心にした「代官山T-SITE」にはほかにも魅力的なお店がたくさん入っていて1日まったり楽しめますね。
四半世紀かけて生まれた街、ヒルサイドテラス
蔦屋書店の向かい側にあるのが「代官山ヒルサイドテラス」。なんと1967年から1992年まで数期に分けて段階的に建設されたとのこと。それだけじっくり丁寧に作られてきた建物だけあって、今も先鋭的なデザインが目を引きます。こちらは日本を代表する建築家、槇文彦氏の代表作として知られています。彼は幕張メッセやテレビ朝日本社の設計をした人としても有名な人、このエリア全体が芸術と言っても過言じゃありません!
「代官山ヒルサイドテラス」だけでも一つの街という感じで、代官山を代官山たらしめている存在と言えるでしょう。この通りを歩いていると、地方出身の自分としては随分と都会の街に来てしまったと、いまだに少し照れてしまいます。おしゃれな雑貨屋さんや家具屋さんに、キレイな洋服がずらり並ぶアパレルショップ。ここでゆっくりインテリアを選べるような、大人に私はなりたい……。
街の中に突如現れる、デンマーク大使館
「ヒルサイドテラス」の少し先に見えてくるのが「デンマーク大使館」。実はこちらも槇文彦氏の作品です。街の一角にいきなり大使館が現れるのに、まったく違和感がないというのが驚きですね。こちらも「ヒルサイドテラス」の一角にありますがレンガの色が異なり、より落ち着いた雰囲気が漂っています。代官山は恵比寿、渋谷などさまざまな場所へのアクセスが良いので、大使館を置くにも好立地なんですね。
スフィンクスが印象的なエジプト大使館
そして、この通りにはもう一つ大使館が。「エジプト・アラブ共和国大使館」です。デンマーク大使館は渋谷区猿楽町ですが、少し離れたこちらはもう目黒区。ご覧のようにスフィンクスが門前を守っているのが面白いですね。これぞエジプトという佇まいなので、代官山まで来たら一見の価値ありです。このように、異国の雰囲気間でも受け止めてくれる度量の大きさが代官山にはあるように思います。
代官山に暮らす人々が集う、代官山アドレス・ディセ
駅の方へ戻って来ると目に入ってくるのが「代官山アドレス・ディセ」。こちらも代官山を代表するスポットですね。さまざまな店舗の並ぶ「ディセ」、36階建ての「ザ・タワー」などから成っている巨大な施設。なんと約500戸も入った集合住宅でもあります。低層の住宅も多い街ですが、こんなに巨大な建物も共存している。こちらも、代官山を象徴する建物と言えるでしょう。代官山はおしゃれシティであることは間違いないのですが、人々が暮らしやすい場所でもあるのです。
エレガントな内観が魅力のサンローゼ代官山
最後にたどり着いたのがこちら。「サンローゼ代官山」です。東急東横線代官山駅から3分という駅チカにある建物ですが、“貴族の館”をイメージして作られたというだけあってびっくりするほどエレガントな雰囲気。ここが東京のど真ん中ということを思わず忘れてしまいますね。こちらはWe Art代官山が入っていて、先日サックス教室の体験レッスンにお邪魔しました。
そのときの記事はこちら
この建物はほかの建物と比べれば決して有名スポットというわけではないですが、一つ一つの建築物までアートのよう。代官山のハイソな雰囲気を、これら美麗な建築物たちが高めているのです。
1時間散歩してわかった。この街、ジャズが、サックスが合います!
おしゃれシティ代官山を歩いてわかったこと。それはこの街、ジャズがとても合うということ。散歩中、イヤホンからはずっとサックスの音が流れていました。ジョン・コルトレーンにソニー・ロリンズ。そして、やっぱりチャーリー・パーカー。ジャズ界の巨人たちの艶やかなサックスの音を聴きながら代官山を歩くと、なんとも優雅、そして大人になった気分になれました。代官山は都会的でありながら温か、人に優しい街。だからジャジーなサウンドがよく似合うんですね。おしゃれなストアに歴史ある建造物、そして大使館までが立ち並ぶ街、代官山を歩きながらジャズ散歩。なんて贅沢な時間でしょう。サックスの伸びやかな音色が、いつまでも耳に残るのでした。
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