【慣れれば一人でも簡単!】ウッドベースの弦の種類と交換の仕方を現役講師が解説
投稿者 :河野岳美
もくじ
みなさん弦の交換っていつしました?楽器買ってから一度も交換したことないという方も少なくないかと思われます。ウッドベースにとって弦はサウンドに影響する最も大事なパーツであり、交換したら弾き心地も変わるし簡単にサウンドも変わる手軽なパーツです。やったことない方もこの機会に交換の仕方覚えて理想のサウンドを見つけましょう!
一年に一回決まった時期に張り替える人もいれば、音が変わったから張り替える、なんか気分で張り替えるなどいつ交換するかっていうのは実際人それぞれです。なので張り替える目安をご紹介していきましょう。
松脂なんかは使っていけば減っていくので(とは言っても数年単位ですが)いつ新しいの買うかはわかりますが、いまいち弦って交換の目安わからないですよね。なので、こんな感触が出てきたら交換のサインと目安を作っておきましょう。
弦が錆びている
素手で触っている金属なので、汗で錆びてくることがあります。手汗の量も人それぞれなので一概に期間を言えるモノではありませんが、弦に触った時にザラザラしてたり凸凹があったり、なんか引っ掛かりがあったら交換時期です。
チューニングが合わなくなる
A線を合わせてハーモニクスで他の弦も合わせたのに開放弦が合わないなど、こんな症状も替え時ですね。弦は使っていれば劣化します。弾いてなくても経年劣化で倍音の成分も変わってきます。これはもう劣化が進んでいるサインなので交換時期です。
弦が硬くなった
弦を張りたての時は中の芯線が伸びようとしています。そして一通り伸びれば音程も音色も安定してきますが、弾力を残したままなんですね。これが伸びきった状態になって弾力も失われてくると弦に触った感触が硬く感じてきます。こんな時も交換のサインです。
これら以外にも物理的に巻線がほつれたり、ペグを回しても音程が上がらなかったり(芯線が切れている)したら交換しましょう。
前置きはこのくらいにして実践といきましょう。
・弦 これがなければ始まりません。
・クロス(布やタオル) せっかく張り替えるので掃除もついでにしましょう。楽器を拭くためのものは目の詰まった楽器専用のクロスもあります。楽器の固定や傷つき防止のためにタオルも何枚かあると便利です。
・鉛筆 弦と楽器が触れる駒に潤滑剤の役目として使います。2B以上の物を用意してください。
これペグを回す道具なんです。道具の名称としてはストリングスワインダーなんですが、通称「アルトベンリ」と言うんです。なくても弦は張り替えられます。でもあると便利です。
準備が整ったところで実際に張り替えていきましょう!
楽器を寝かせておけるスペースを確保しましょう。椅子などを利用して角度つけても良いですね。その際はタオルなどで保護してください。寝かせた時にラウンドバックの楽器はグラグラするので、そんな時もタオルで安定させましょう。
全部の弦を一度に外すのはお勧めしません。弦が張ってあるから魂柱や駒が固定されています。魂柱や駒が倒れないように気をつけてくださいね。
駒や上駒(ナット)の弦が当たる部分に鉛筆を塗り込みます。これが潤滑剤になるんです。新しい弦を出したら真っ直ぐに伸ばしてきれいな布で拭きましょう。保護用の油が塗ってあるのでそれを拭き取ります。そして新しい弦をテールピースに通してちゃんとはめる。しっかりテールピースにはめないと巻いている間に取れて危険です。
外した弦と同じペグに巻きつけていきます。ペグポストの穴に通して弦が重ならないように綺麗に巻いていきましょう。素直に内から外へ向けて巻いてOKですが、最初の一周は穴から飛び出た弦を挟むように逆側に巻いてから巻きつける方法もあります。
ある程度巻けたら音を確認しながら巻いていきます。調子に乗って巻きすぎると弦が切れるのでご注意を。全ての弦を交換するまではちゃんとチューニングする必要ありません。全ての弦を張り終えたら駒の角度も注意しましょう。巻いているうちにどんどん駒も引っ張られます。気づかずに放置してしまうと駒が反るだけでなく割れる可能性もあるので気をつけてください。
全部張れたらチューニングしますが、新しい弦は伸びます。チューニングしても引っ張れば音程が低くなります。弾いていても音程下がります。落ち着くまで数日はかかるのでチューニングは頻繁にしてください。その際に駒の角度もみてくださいね。
張り替え方はわかった。で、何を張れば良いの?当然の質問ですね。選択肢が一つなら良いのですが、幸か不幸かベース弦ってすごく種類があるんですね。それだけ自分の好みで選べるというのはすごく良いことです。でもベース弦ってかなりお高い!片っ端から試すなんてことができる財力あれば良いのですけど、まあそんな方にお会いした事ありません。なので参考にしていただけるようにご紹介していきましょう。
まず種類として大きく分けて2種類。スチール弦とガット弦という風に分けられます。弦は芯線という真ん中に一本芯が通っていてその周りを巻線でグルグル巻いて作られています。この芯線の材料で大まかに分けてしまいます。スチールはその名の通り金属製の芯。ガットは天然素材の羊の腸です。スチール弦は音量大きく華やかな傾向。ガット弦は暖かく深みのあるサウンド。天然のガットは値が少々はるので、代替品としてナイロン弦も最近はたくさんの種類がありますね。何点かずつご紹介していきましょう。
Thomastik(トマスティーク)/Spirocore(スピロコア)
ジャズベーシストシェアNo.1といってよい定番の弦。弓で弾くとカリッとしたサウンドが耳につくがピチカートでのロングサスティーンが定番たらしめている由縁。
Pirastro(ピラストロ)/The Jazzer(ジャザー)
名前の通りジャズ向きに開発された弦。テンションが弱く、かなり明るめな立ち上がりの良いサウンド。スピロコアと人気を二分するほどの、こちらも定番。
Angelus(アンジェラス)/Rockabilly(ロカビリー)
たいへん手頃な価格の日本製の弦。その名の通りピチカート向きで、名前の通りロカビリーには欠かせないマグネットピックアップとの相性抜群。 ニッケル巻きの柔らかい感触はスラップ奏法に適しています。
Pirastro(ピラストロ)/Pizzicato(ピチカート)
名前の通りピチカートに特化したガット弦。本来バロックに近い音色で開発されているが、ピチカートが主戦場のジャズ奏者にも定評がある。ガット弦の中では比較的手頃な値段設定。
Pirastro(ピラストロ)/Evah Pirazzi(エヴァピラッツィ)、Evah Pirazzi Slap(エヴァピラッツィスラップ)
ガットに似た倍音豊かな暖かいサウンド。ロングサスティーンで音量も十分。アルコ、ピチカートどの奏法にも最適。スラップの方はロカビリーのスラップ奏者に向けて開発。こちらの方がテンション弱め。
La Bella ( ラベラ ) / 7710N Black Nylon (ブラックナイロン)
ジャズベースの巨匠、ロン・カーターの代名詞となるような弦。音の輪郭が明快で、独特のアタック感を持つ。聴けばブラックナイロン弦だとわかる唯一無二のサウンド。
楽器を始めてみたものの、メンテナンスに関しては意外と誰も教えてもらえなかったりします。部活では伝統という名の不思議なメンテナンスのやり方があったりと何が正しいのかわからない方も多いようですね。
弦の交換だけではなく、楽器を最低限の状態に維持するのもプレイヤーの責任でしょう。リペアマンほど知識と技術がなくても大丈夫。自分でできない範囲のことを自分でやると取り返しがきかないことにもなるので、そんな時は素直に専門家のところへ持っていきましょう。
自分で気をつけるところだけやれば良いのですが、何をすれば良いのかわかりませんよね。なので練習方法もそうですがプロに教わってしまうというのが一番効率の良いやり方でしょう。疑問に思ったことをすぐに聞ける人が近くにいたらこんなに安心できることはないですね。
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バンドでコーラスもやらなければいけなくなったのでボイトレ受けたい。相方のドラムのことがもっと知りたいからドラム叩いてみたい。こんな希望も同じレッスン費用で出来てしまうんです。
やりたいことを実現するためのレッスンですから、やりたいことができる環境というのは非常に大事です。
主にジャズ系の弦についてと弦交換について書かせていただきました。文章ではわかりづらい部分もたくさんあるとは思います。途中でわからなくなってしまったら素直に楽器屋さんや先生に相談してくださいね。