【ウッドベースのピックアップとは?】基本的な種類や初心者におすすめ6選をご紹介
投稿者 :河野岳美
もくじ
バンド内でウッドベース(コントラバス)を使う場合、他の楽器と音量のバランスを取るためにベースアンプを使って音を出します。元々はアコースティックな楽器なのでアンプに繋げることなんてできないですね。なので、アコースティックなウッドベースの音を電気信号に変えて増幅できるようにしてあげるのがピックアップです。
今回の記事ではこのピックアップをご紹介していきましょう。
一口にピックアップといっても種類がたくさんあります。音という素材を電気信号に変えるためのシステムに違いがあるんですね。どんなタイプがあるか見ていきましょう。
ピエゾというのは、力を電圧に変換するもの。つまり、楽器本体に生まれた振動を音の電気信号に変換しています。楽器本体、主に駒に取り付けることが多いので比較的交換が簡単なタイプが多いですが、ものによっては駒を加工しなければいけないものもあります。
楽器の鳴りそのものを信号に変えているので取り付ける位置によっても音がガラリと変わります。
こちらは弦の振動を電気に変えています。磁石にエナメル線などを巻き付けたコイルを使用し、その磁界の中で弦の振動を電流に変える。なので磁石に反応しない弦、裸ガット弦だと使用不可なんですね。
音の傾向としてはエレキベース的になりますがハウリングには強いので、ロカビリー系のベーシストに人気です。
これは楽器から出てきた音自体を電気信号に変えるもの。音というのは空気の振動ですから、この空気振動でマイクの振動板を揺らす。この後はマグネットタイプと同じですが、その振動をコイルで電気信号に変えていく。
音そのものを信号に変えているので、周りの音が大きいとハウリングします。なので大音量のバンドの中だと扱いが難しい傾向にあります。
値段もピンキリなピックアップですが、ここでは条件をつけてご紹介していきます。
駒に穴を開けたり、アジャスターを組み込んだりという楽器に加工がいらないもので、値段が5万円以内で見ていきましょう。
定番中の定番。誰もが一度は耳にしたことあるのではないでしょうか。表板と駒の間に挟み込むタイプ。ピエゾタイプの特徴として、駒の先端に取り付けるほど音が硬く高音域が際立ち、ボディに近いほど低音域が鳴るので柔らかいサウンドになります。なのでリアリストは低音がしっかり出て非常にマイルドなサウンドですが、高音域が出づらいとも言えます。
昔はこのフィッシュマンとアンダーウッドくらいしか選択肢なかったですが、今は本当にいろいろありすぎて困りますね。
このフィッシュマンは先ほどのリアリストと対極。駒の先端に取り付けるタイプです。なので音色は固く抜けの良い高域サウンド。低音域が少ないので同社のプリアンプとの併用をお勧めします。というより、ピックアップとプリアンプはセットで使うように設計されていると思われます。
こちらは駒に挟むコンデンサーマイク。生のアコースティックサウンドをナチュラルに増幅したいという方にはオススメ。マイクから付属のプリアンプまで繋ぐケーブルがRCAーフォンという特殊な組み合わせなので断線したらどこでも売っているわけではないのが難点と言えば難点ですね。
コントラバス用のピックアップの代名詞ともいえるでしょう。古いジャズなど聴くとほぼこのアンダーウッドのサウンド。ミドルレンジが非常に特徴的なサウンドです。バンド内での音抜けが良いのでビックバンドなどでオススメ。
駒のウイング部分に挟み込むだけのお手軽ピックアップ。木製のスペーサーが付属しているのでどんな楽器にも駒の加工なしで取り付け可能。今回ご紹介している中でも費用対効果は一番ではないでしょうか。音色は同じ場所に取り付けるタイプの中でも柔らかめ。最近名のあるプロの方達も使われている方をチラホラと見かけます。
ロカビリー、サイコビリーのプレイヤー御用達。マグネットピックアップと指板に貼り付けるピエゾが搭載されているので、マグネットならではのパワフルサウンドとスラップサウンドをミックスして出力できます。ただこちら、指板のエンド部分にネジで取り付けるため、楽器にネジを取り付けたくない方にはオススメできません。
今回ご紹介させていただいた他にもたくさんあります。高価なものだとDPAのコンデンサーマイクやWillson、山彦など。かといってプロが全員このような高価なピックアップを使っているかと言うとそうでもないんですね。私の師匠がレイ・ブラウンに生前聞いたそうです。そうしたら彼は「私もいまだに迷っている」とおっしゃったそうです。なのできっと答えなんてないんですね。ご自身の好みといってしまえばそれで終わりですが、そんな悩みもサウンド探しの楽しみにしてしまいましょう。
そうは言ったって片っ端から試すなんてこと出来ませんね。全部買って全部試しましたなんていう潤沢な資金力を持ったベーシストには出会ったことありません。お店に取り扱っているピックアップ全て搭載した試奏用楽器を用意してくれているところもありますが、参考になれど自分の楽器との相性もありますし、結局ステージで使ってみないとわからないのも事実。このステージで使うというのが非常に大事で、ちゃんとステージ上で他の楽器と一緒にPAシステムを通してどうだったかという経験がないと判断できないんですね。
ご自身でトライ&エラーを繰り返すのもアリですが、すでにそれをやってきた人たちに相談に乗ってもらえたら助かりますよね。
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バンドでコーラスもやらなければいけなくなったのでボイトレ受けたい。相方のドラムのことがもっと知りたいからドラム叩いて見たい。こんな希望も同じレッスン費用で出来てしまうんです。
やりたいことを実現するためのレッスンですから、やりたいことができる環境というのは非常に大事です。
今回は比較的手頃に入手できるピックアップをご紹介してみました。ご自身のベストを見つけるまではなかなか大変かもしれませんが、機材選びも楽器や音楽をやる上での楽しみなので気長にいろいろと試してみてくださいね。