【ウッドベース入門講座】楽器の基礎知識から初心者が選ぶ際のポイントを解説!
投稿者 :河野岳美
もくじ
ウッドベースってご存知ですか?おそらくほとんどの方は映像や写真で見たことあると思います。人のサイズくらいあるあの大きなバイオリンのオバケ。これ持って歩いていると、小さいお子さんなんかは一瞬ビックリして固まります。そのあとに「すごーい、大きい、カッコいい!」ってなるんですが、実は大人の方も反応同じだったりするのが興味深いとこですね。
今回は、これからウッドベースを始めてみたいという方に向けて何が必要でどれくらい費用かかるのかざっくりと解説していきましょう。
ウッドベース、英語でかくとWood bassでしょうか?でもこの単語英語にはないんです。
ウッドベースって和製英語なんですね。ご存知でした?諸説色々有りますが、エレキベースと区別するためにとか、金管楽器のベースパート(チューバとか)と区別するためにと言われています。ちなみに欧米諸国ではContrabass、Double-bass、単純にBassと呼ばれます。クラシックのオーケストラなどで使われるコントラバスと日本では呼び方違っても同じ物なんですね。クラシックとジャズのプレイヤーで弾き方は違いますが、使っている楽器は同じです。
ウッドベースとコントラバスは同じもので、和製英語だから本当は違うんだと言ったところで単語自体はすでに認知されプロも普通にウッドベースと呼んでいますので、ここではウッドベースで統一していきます。
ここではクラシック以外の音楽を演奏したいという方へ向けて話を進めていきましょう。
エレキベースとウッドベース、どちらもベースには変わりないのでバンド内での音楽的役割は同じです。じゃあ何が違うかというと見た目と大きさ。当たり前のこと言うなと怒らないでくださいね。エレキベースとウッドベースはどちらも音の並び方は一緒です。でも大きさが違うと弾きかたが変わってしまうんです。弦楽器は左手で弦を押さえて演奏しますが、エレキベースだと構えた時に一本の弦に対して指が4本あるので4個の音を弾き分けられます。でもウッドベースだとどんなに指を開いても3つしか弾けないんですね。それくらいサイズ感が違うので弾くための技術が全く違うんです。
もう一つ大事な違いはサウンドです。ボディの大きさや弦の長さ、太さが全然違うので出てくる音も全然違うわけです。なので両方弾けるプレイヤーは、曲やジャンルによって欲しい音のする楽器を選んで持ち替えて演奏したりしています。
始めてみたいなと思ってもどうやって始めればよいかわからず、そもそも何ができるのか想像もつかないと思います。なのでまずはご自身のやりたい事を明確にしていきましょう。
何か他の楽器をやったことのある方は少し想像ができるとは思いますが、まったく楽器に触れてこなかった方は五里霧中の状況だと思います。それでもウッドベースに興味を持ったきっかけがありますよね?好きなバンドで使っていた、セッションで弾いている姿を見た、なんでもよいです。自分が何を弾きたいかイメージしましょう。
バンド組んでその中でウッドベース弾きたい!ジャズのセッションに参加したい!一人で弾きたいとかでもよいです。そういった目標を一つ抱いて新しいこと始めましょう!まずはウッドベースで何か一曲それなりに弾けるようになりたいというところを目標にしていきましょうね。
エレキベース経験者の方は取っつきやすいと思います。ただ、先にも触れたように感覚的には全く別の楽器です。フレットもないので弾き方には相応のテクニックが存在します。なので音楽的な役割は一緒ですが、ご自身の中では新しい事を始めるという意識でチャレンジしていただくと楽しいベースライフが待っています。
ウッドベースという新しい夢や目標を持ったとしても、予算という現実が待っています。楽器はお金かかりますよね…実際いくらくらいかかるのか優先順位の高い順にご紹介していきます。
まずこれがなければ始まりません。楽器本体。予算の9割はここで決まります。とはいっても上を見たらキリがない。下を見ても信用できるかわからない。オークションに出ているものなら10万以下で手には入ることもありますが、初心者の方はそれの良し悪しが判断できないのでお勧めしません。
まずは国産のオリエンテというメーカー。国産の安心感ってすごいですよね。エントリーモデルは20万円台で買えてしまうのも魅力。
現状の最安値ではハルシュタットというメーカーから10万で出ています。「とにかく安く」というならこれでしょう。実際弾いてみたところ、メンテナンスさえしっかりできればそこそこ使えます。そう、ここが問題で、いわゆる吊るしの状態だと弾きづらいのでメンテナンス必要となってしまうんですね。当然、初心者の方はリペアマンなんかはご存知ないでしょうし。過去にあった話ですが、10万円で手に入れたものの使える状態にするのに5万円以上のメンテナンス料金かかったという話もあります。まあそれでも安いことには変わりないので考え方次第かもしれません。
今は海外製のものでも手頃な値段で売られています。金額的に手頃なのはルーマニア製のグリガやレジンといったところでしょうか。こちらは20万円代後半から手に入ります。
丸裸で楽器を運ぶわけにも行かないので必需品ですね。楽器を買ったときに付いてくることも稀にありますが、基本的には別売りです。ハードケースは飛行機に積む時くらいしか使いませんし、実際大きすぎるので普段使いには全く向きません。そして大手の飛行機会社はウッドベース用のハードケース貸してくれるので必要なことはまずないです。なのでソフトケース一択です。多少の値段の幅はありますが、大体3万円くらいで手に入ります。中にはキャスター付きの物もありますが、ケース自体重くなってしまいますし実際運びにくいのであまりお勧めしません。色は黒がやはり多いですが、実は様々な色のケースありますので探してみましょう!
チューナーとは音を合わすための機械です。弦楽器はまずそれぞれの弦を決まった音に合わすところから始まります。音叉やピアノで音を出してそれに合わせるといった方法もありますが、いちいちそんな事してられませんね。なのでプロもチューナー使っています。今ではクリップ式の小さなタイプも精度が上がって、ウッドベースのような低い音でもちゃんと音を拾ってくれます。ギター用とかのあまりに小さいものだと音を拾ってくれないので注意が必要です。なのでこれに関してはメジャーなものをお勧めしますね。
今どきはスマホアプリでもかなりの精度のものが出ていますが、それは忘れたり無くした時の予備程度にしておいて、ちゃんと専用のものを持っておく事をお勧めします。
練習には必須アイテムです。ベーシストはメトロノームと友達になりましょう!自宅に置きっ放しのものなら完全デジタルよりダイアルでテンポ設定できるような物の方が使いやすいです。これもアプリでたくさん出ていますが、無料のものだとたまにテンポずれるのもあるのでご注意を。
これもライブやるなら必須ですが、優先度を低くした理由があります。まず初心者のための記事という事ですぐにはスタジオ入ったりライブしたりはないという事と、それなりに高額な値段になるので楽器と一緒に買わなくても後から予算組み直せるからという理由です。
このピックアップ、ウッドベース弾く人達の一生の悩みと言ってもいいんじゃないかなといくらい色々あります。ポン付けできるものから駒を加工しないといけないもの、ピエゾだったりコンデンサーマイクだったり。全て音が違う。値段もピンキリ。どれ買ったらいいの?って一番わからなくなるところですね。なのでここでは定番のものと使ってみた中で安くて使い勝手の良いものをご紹介しておきます。
いきなり車ってなんだよ?とお思いでしょう。ウッドベースの運搬が簡単ではないことは想像に難くないと思います。なのでここでは運搬にあったら便利なものというカテゴリーで説明します。
まず一番楽なのはクルマです。書いている私も「そりゃそうだ」と思っているのでもう少しお付き合いください。意外とどんな車にも積めることは積めます。といってもセダンだとやはりキツい。積む方法無くはないですがやはりワゴン車が便利。今どきの軽自動車も中が広く作られているので車種によってはOK!
クルマ以外の運搬となると電車移動を考えないといけませんね。かといって、家から駅まで肩に背負って動くにはよっぽどの体力自慢でない限り力尽きます。ましてや移動の後のスタジオやライブで演奏するのに体力使いたいので、運搬はできるだけ楽にしたいですね。そんな方にお勧めはウッドベース専用のキャリーです。でもこれ、専用品だけあって少しばかり値が張ります。たかがキャリーに2万円も出せないよという方は、折りたたみ式のショッピングカートに固定する方法でも大丈夫です。専用キャリーが販売される前はみんなこの方法でした。
色々と必要なものを書いてきましたが、実際目にしてみないとわからない事だらけです。小物はネットでお買い求められても問題ないですが、やはり本体は実物の存在感を感じるのが大事。なので実際に楽器屋さんへ見に行ってみましょう!
ウッドベースは街の楽器屋さんには置いてありません。専門店に行かないとダメなんですね。バイオリン屋さんには何本か置いてあるところもありますが、基本的にバイオリン店を謳っている弦楽器屋さんはバイオリン、ビオラ、チェロまでです。大手楽器屋だとコントラバス(ウッドベース)専門フロアがあるところもあります。
実際、専門店のほとんどは工房です。なので一見入りづらい雰囲気が漂っていますが、みなさん楽器を愛してやまない方なので話してみたら気さくな方達ばかりですので勇気を持って訪ねてみましょう。
こちらは最大手といってもいいくらいの楽器屋さん。専門フロアがあるのも珍しいですね。展示販売しているので気軽にみて回ることが出来ます。
こちらは代々木にある老舗専門店。こちらの高崎さんの息子さんが世田谷区等々力にもベースショップ高崎という専門店を出店されています。都心の方は代々木、川崎エリアの方は等々力へ行かれてみてはどうでしょう。家から近いというのも大事です。
横浜エリアになります。青葉区市ヶ尾にある工房です。横浜は演奏者の人口多いの割に専門店が少ないんです。代表の二瓶さんは物腰が非常に柔らかい方なので、初めての方も安心して訪れてみてください。
ネット販売全盛のこの時代に実店舗をお勧めするのには理由があります。先にも書きましたが、専門店のほとんどは工房として営業されています。ウッドベースという楽器は大きな図体ですが存外繊細で、特に壊れていなくても定期的なメンテナンスが必要になります。そんな時頼れるのはリペアマンです。工房は楽器を売って終わりではなくその後もずっと面倒をみてくれます。そんなリペアマンと知り合う為にも店舗に足を運んでみてください。
いざ楽器を購入されてもどうやって練習するのかわかりませんよね。今では検索すれば初心者向けの動画やサイトがたくさんあります。初心者向けの教則本もたくさん出版されています。このようなものを利用するのも良いですがでもそれって一方通行なんですよね。ひたすら教えてくれるだけなので疑問にはなかなか答えてくれないですよね。
これだけ大きな楽器ですから、見よう見まねで無理やり弾くと手を痛めたりすることもあります。効率よく弾く方法というのがあるんですね。このようなことはやはり教えてもらうしか習得の方法がないと思います。見た目は同じでも上手くいかない。なんでだろうって試行錯誤しても良いんですが、そこには目に見えないコツがあったりもするんですね。遠回りしないで上達できるならそれに越したことはないですしね。特に楽器に触れる時間が限られている大人の方達にお勧めです。
EYS音楽教室では現役で現場に立っている講師から、現場は引退したけど圧倒的な経験値を持って指導に当たる講師など様々な講師が在籍しています。一般的なレッスンは一人の先生について教えてもらいますが、EYS音楽教室ではレッスンごとに先生を選ぶことが出来ます。さらに他の楽器までレッスンの受講が可能。
どの先生に習っても最初はそんなに大きく変わりはないと思います。楽器の取り扱い、基本的な弾き方、練習方法などは伝えかた違っても同じですから。でもそのあとは皆さんのやりたいことに向けて変わっていくはずです。講師も人ですから技術的に得手不得手があります。クラシックのコントラバスが得意な講師と、ウッドベースとしてジャズが得意な講師。どちらに習いたいかって皆さんのやりたい方向性で決めたいですよね。でも、ジャズ学んでてもクラシックもやりたいなってなったら一回はクラシックの先生に習いたくないですか?それが普通に出来てしまうのがEYS音楽教室です。
バンドでコーラスもやらなければいけなくなったのでボイトレ受けたい。相方のドラムのことがもっと知りたいからドラム叩いて見たい。こんな希望も同じレッスン費用で出来てしまうんです。
やりたいことを実現するためのレッスンですから、やりたいことができる環境というのは非常に大事です。
今回はウッドベースを初めてみたいという興味のある方向けに予算や専門店のお話をさせていただきました。新しいことはまず行動してみないとやるかやらないかの判断すら出来ませんからね。
まずは楽器屋さんでウッドベースに触れてみるところから始めてみましょう!