基礎から声を楽しく学んで楽しく歌おう!「声楽」女性編
投稿者 :前川久仁子
歌を歌うって色んな形がありますよね。マイクを使ったり、マイクを使わなかったり、一人だったり、30人くらいだったり。
クラシック、ポップス、ジャズなどジャンルも様々だし、ボーカリスト、シンガー、歌手と歌う人の呼び方も様々。
でも、根本的に大切な基礎はどれも同じです。そして、その基礎が「声楽」です。
もくじ
「声楽」と聴くと、すぐに「クラシックの唱法」と思う方が多いと思います。確かに、クラシックの歌手は「声楽家」と呼ばれますし、音楽大学などにも「声楽科」は必ず存在しています。しかし、「声楽」はジャンルではありません。ちゃんと声を出す方法なんです。
Wikipediaの冒頭にある文章には「器楽の対語であり人声を中心とした音楽を指す。」とあります。つまり、「声楽」自体は人の声で表現した音楽と言うことになりますね。
なので、ジャンルではありません。もっとも、Wikipediaの追記としては「通常、浪曲や演歌は含まない」とありますが、これには訳があります。
そもそも声楽は西洋音楽の発展から日本でもメジャーになった呼称です。なので、日本の歌舞音曲では使わないと思われていますが、「人の声の音楽」と言うくくりですから、「歌いもの」と「語りもの」と言う、形で表現されていますが、これも「声楽」です。
つまり、「声楽」は「声を楽器とした音楽」と言えますね。
さあ、その楽器の代わりになる「声」について、ちょっとご紹介しましょう。
今回は女性の声に焦点を当ててみます。
声帯は声を出す生き物ならば、絶対に持っているものですが、それぞれ長さがあります。
一般的に、女性の声帯は、約1.5cmほど。それに比べ、男性の声帯の長さは、約2cmほどあります。女性の声帯が男性の声帯より、細くて短いのはわかりますね。
この声帯の長さが声の種類を決めます。つまり、女性に比べて男性の方が声帯が長く太いために、声が低くなるのですね。
男性には声変わりがありますが、実は女性にも年齢が進むにつれて、声帯の筋肉の成長があり、大人の声に変わっていきます。子供のころはキンキンした声だったのに、中学生くらいから、少し声が低くなったというお友達はいませんか?
また、実際に声楽を始めてから、声の高低が変わる人がいますが、それは声帯自体が鍛えられたのと、身体の支えが訓練によって出来上がってきて、もともと持っている声が出るようになってきたということなんですね。
男性もそうですが、女性の声は声域によって、呼び方が決まっています。音楽の授業などで習った方も多いかと思いますが、一度おさらいしておきましょう。これらの名称はイタリア語で名付けられています。
思い出しましたか?「声楽」的な呼称となると、もう少し細かく声域は分かれて呼び名がついています。例えば、ソプラノという高音を持っている声は、基本的に軽く、明るい声に聞こえますが、クラシックの場合は、オペラの役柄によって、細かく変わっていきます。
何故ならば、少女の役や大人の役や、キャラクターに色んなパターンがあるからです。
例えば、ヴェルディ作曲オペラ「椿姫」の主人公ヴィオレッタは高級娼婦で、華やかであり、どこか純粋というキャラクターですが、「リリコ・レッジェーロ」と言う、ソプラノの中でも、ベーシックな声種です。
それに比べて、モーツアルトの「魔笛」と言うオペラに出てくる「夜の女王」はコロラトゥーラと言う声種で、五線譜を超えた高い音を早い音符のリズムで転がすように歌いあげます。
同じソプラノでも、こんな風に役柄で声の種類が変わっていきます。そして、こういう声のキャラクターを作り上げるのが「声楽」を学ぶということなんですね。
どんなジャンルでも、声を出す方法が必要です。そして、「声楽」は、そのためにあるツールと言っても良いでしょう。声楽を学ぶことで、どんなジャンルの声もゆるぎなく出すことが出来るのです。
先ず、声楽で最初に学ぶのは、「発声」です。
これは、声を楽器にするために必須。ジャンル関係なく必ず行われる最初のステップです。
発声は、ジャンルによって違います。
例えば、邦楽の地唄などで、クラシックの発声は恐らく学びません。しかし、そもそも「声楽」は声を楽器として表現することですから、「声楽」自体はジャンルではないとお伝えしました。そういう意味では、ジャンルごとの発声があってよいのです。
発声は、腹式呼吸が基礎です。お腹に空気をため、それを喉を通して口から声として出していく。まずそれが基本です。
クラシックなどは、始めたばかりの頃は、恐らくそこに重点が置かれ、ちょっとレッスンが詰まらないと思うかもしれませんが、大切なことなのです。
発声が身についてくると、本来持っている声種ごとに、曲を歌って表現することを学んでいきます。
女性の声にも高低があるとお伝えしましたが、どの声種を持っているかによって、声の出し方が違ってきます。
息を吸って出す、という原理は同じですが、声を響かせる方法が違います。鼻から額にかけて声を響かせるのは、どの声種でも同じです。響きを当てる場所で作り方が違ってくるのです。
基本的に高音を綺麗に出すことを求められるソプラノは、主に、額から頭の天辺あたりを意識して声を出します。もちろん、声自体は口からでますが、頭蓋骨の骨振動も利用するイメージです。
中音域を出すメゾは、発声練習では、ソプラノと同じ音域を使います。曲によっては、高い音を歌いからです。響きは主に額、頬骨辺りを意識します。身体全体を共鳴させるのはソプラノも同じですが、柔らかい響きが必要なため、胸声発声をします。
日本のポップシンガーには多いかもしれません。
ジャズシンガーには多いかと思います。特に黒人シンガーの豊かな深い声は、身体全体に声を共鳴させ、胸声発声が主となります。
クラシックの場合は、発声練習的には、高音も低音もだしますが、特に低音の音域を広げるのが特徴です。
声の違いと一言で言っても、中々わかりづらいですよね。実際に三つのパートの声を聴いてみましょう。ここでは解りやすく、クラシックの声楽家の声を集めました。
プッチーニ作曲オペラ「ジャンニ・スキッキ」より「私のお父さん」
イタリアの伝統的なベルカント唱法で綺麗に歌いあげていますね。ベーシックなソプラノの声です。彼女はソプラノの中でもリリコ・レッジェーロと言う声種ですので、中音域も豊かにきれいに歌唱していますね。
Selve amiche Antonio Caldara 優しい森よ(伝カルダーラ)
彼女の声だけを最初に聴くと、一瞬ソプラノかと思いますが、先のフレーニと聴き比べていただければ声の明るさが違うのが判ると思います。オペラなどで少年役を歌うのも、この声ですね。
「あこがれ」 シューベルト D.879
恐らくシュトゥッツマンの声を聴くと、明らかに他の二人よりも声の色が深くて暗めだとわかると思います。男役も多いアルトの役ですが、有名な「カルメン」などを歌うと、やはり迫力があります。
「声楽」と言うものが、おぼろげながらご理解いただけたでしょうか?しかし、映像や文章で説明されても、今一つわからないのが身体を使う部分ですよね。ここは実際にプロの手を借りるのがベスト!
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「声楽」と言うと、ちょっと敷居が高く感じるかもしれませんが、本当に歌いたい歌を、しっかりとした身体で歌えるようになる、大切な準備です。
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