子供に「何か習い事をさせたい」と考えるものの、どれを選んでいいのか正解はみつかりません。実際に行動してみるのも一つの方法ですね。
音楽系の候補にピアノとバイオリンが挙がりつつも、ヴァイオリンなんて…あれはお金持ちの楽器。そんなふうに思っているそこのあなた。
実は、バイオリン教室も普通の習い事と一緒なんです。特にたくさんお金がかかるということも、親が経験者じゃないとダメなんて理由もありません。
本編では実際に息子が4歳の時に音楽教室に通わせ始めた筆者が、幼児がバイオリンを習うことに関する疑問にお答えしながら、習い事の選び方、幼児のレッスン事情を解説します!
もくじ
簡単に説明すると、弓で弦を擦って奏でる弦楽器で、4本の弦が並びます。弓は演奏時は張り、保管時はゆるめます。「まつやに」を塗ることで弦と摩擦が発生し、音が出ます。
大人用のフルサイズを4/4とし、体の小さい子供にはフルサイズより小さい「分数バイオリン」というものが用意されています。1/16、1/10、1/8、1/4、1/2、3/4というサイズがあり、身長に合わせて使います。
さてバイオリンを習うことにはどんな良い面があるのでしょうか。整理してみたいと思います。
バイオリンに限らず、楽器をさわり演奏をすることで、「音感」を身につけることができます。
バイオリンは特に、ピアノとは違い「自分で音を作る」楽器です。バイオリンは左手で弦を押さえることで、音を変化させるので、正しい位置を押さえることで正しい音を出すことが必要な楽器です。バイオリンを練習することはつまり「正しい音階を覚え、再現する」能力を得る過程と言い換えられます。
楽器の演奏以外のシーンにもメリットがあります。音を表記するルール(五線…楽譜に並ぶ横線、拍子…曲全体を規定するリズム、音階など)を学ぶことで、数学的、地理的な知識を手に入れることもできるのです。
譜面の読み方を理解するに伴って、分数の概念を理解する機会になりますし、「ドレミファソラシド」はイタリア語、バイオリンで用いる「CDEFGAH(ツェー、デー、エー、エフ…)」はドイツ語ということも知ることになるでしょう。
他の楽器、スポーツでもそうですが、習い事には精神的に成長するチャンスがたくさんあります。バイオリンであれば、「うまくなりたい、こんなふうに弾きたい」「だけどうまくできない」という事態に多く直面します。鍵盤をたたけば正確な音程の音の出るピアノとは違い、自分で音を作らねばならないバイオリンでは特に多いでしょう。
向上心を抱くこと、そして理想と現実のギャップを経験することは、得難い機会ですよね。幼稚園や保育園の中ではなかなか体験しない「自分と向き合う時間」になるのではないでしょうか。
楽器のプロと出会うことができるのもバイオリンをはじめ楽器を習うメリットです。身近に楽器を使って生計を立てている方がいる、という方は少ないのではないでしょうか?楽器に人生を注いできた人がいることを知る機会にもなります。
一人の大人(講師)が自分に向き合う30分間というのも、レッスンのほかではなかなか過ごす機会がないと思います。真剣な先生の教えを受けるレッスンの時間には「集中する」ということを徐々に覚えることができるでしょう。
先に紹介したヴァイオリン「1/16」サイズは、ちょうどボックスティッシュくらいの大きさで、年齢的には2歳~3歳で構えることができるサイズです。つまり、楽器のサイズとしては、この年齢から始められるようになっています。
実際のところは、それぞれのお子さんの様子を見て開始時期を決めるのが良いでしょう。レッスンは1回30分程度の教室が多いので、その時間レッスンに「参加」できるかどうかが一つの目安ではないでしょうか。
「参加」といっても、幼児が「一つのこと」に30分間ずっと集中力を注ぐのは、ほぼ不可能です。レッスンでは、5分楽器の練習、2分音階練習、5分リズムの練習…というように細切れに「取り組むこと」を変えることもあります。
講師によって進め方は異なりますが、講師は幼児の特性(大人のような集中力がないこと)を踏まえてタイムスケジュールを組んでいます。
このような「数分おきの楽器に関係したやりとり」に参加できるようであれば、3歳でも4歳でも、レッスンを開始できるといえると思います。
ここまで読んで、「子供には習わせてみたいけど、私は経験者じゃないから自宅での練習はサポートできないし、無理!」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
実のところ、自宅でのバイオリンの練習のサポートはそんなに難しくありません。少しの練習の付き添いと、練習前の調弦が親の役割です。
子供は自宅で一度に15分も20分も子供は練習できません。先に述べたように集中力が持たないからです。せいぜい5分。週に3回、1回に5分練習するだけなら、そんなに負担ではないのではないでしょうか。
また、バイオリンは毎回チューニング・調弦(弦の長さを調整し、ただしい音階にそろえること)が必要ですが、子供サイズの楽器には「つまみ」がついているため、その調整も一度覚えれば難しい操作ではありません。(大人サイズの楽器はペグと呼ばれるもっと大きなつまみを動かすため、慣れが必要です)。
チューニングでは基準となる「正しい音」はチューナーと呼ばれる機械が示してくれます(チューナーは2,000円程度で購入でき、スマホのアプリだともっと安く購入できます)。
機械に向かって音を出せば、高いのか低いか示されます。機械の判断を参考に、少し低くまたは高くするようつまみを回せば調音が完了します。
そろそろ、バイオリンを習わせてもいいなと思ってきた方も多いのでは。でもまだ心配ですよね、だって楽器のサイズは年齢とともに変わるし、最初の一台を購入するのだって何万円もかかるはず。
EYSこども音楽教室なら、教室に入会いただく際に楽器を一台プレゼント、成長に伴うサイズアップにも無料で対応しています。
ほかに楽器のレンタルを実施している音楽教室もありますし、フリマアプリにもバイオリンの出品は意外とあるものです。
フリマで売られている楽器の質を心配するかもしれませんが、幼児の場合、楽器を習うといってもその目的は「演奏の質の向上」が一番ではありません。
それよりも「楽器を持って立つ練習」「レッスンに行く練習」「レッスン中先生の話を聞く練習」が習い事の目標ではないでしょうか。そうであれば、楽器はある程度のクオリティ以上であれば問題ではないのです。
せっかく楽器も準備して、練習の仕方も覚えて、軌道に乗ってきた!と思ったら、子どもが「もうやりたくな~い」なんてことも「子供の習い事あるある」ですよね。そう言われたときの対応をあらかじめ決めておくと、気持ちに余裕ができてこどもとの関係も円滑に、レッスンも継続することができます。
せっかく金銭も時間も投資した子供の習い事、できればやめてほしくないのが大人の心理。この「辞めたい」問題に対して、「幼い子供に無理に続けさせても」という子供の意見尊重派の意見があります。
子どもの意見を大切に、子供も一人の人間なので、もっともです。私も賛成です。でも反対に「一度始めたことを簡単に辞める癖をつけさせてはいけない」という大人のやり方肯定派の意見も、同じくらい説得力のある意見ですよね。
私は折衷案で、「月に一度お休みするのはあり」というルールを採用しています。子供が「辞めたい」と言ったからといって、すぐに「継続」か「辞める」かの決断をする必要はない、と思っています。
例えば月四回のレッスンなら、月に一度の欠席は許容範囲としてあらかじめ想定の範囲内の出来事としておく。辞めたいと言われても一度判断を保留にすること、決断を先延ばしにすることが、この「行きたくない・辞めたい問題」に対するベターな解かなと思います。
習い事もさまざまありますが、バイオリンは楽器があればどこでも練習ができますし、練習する中で葉脈が伸びるように周辺の知識をつけていくことのできる習い事です。
楽器の価格や親自身の知識などを心配する方もいると思いますが、本編で見てきたようにそれぞれクリアできる問題です。そしてヴァイオリンはピアノほど場所をとらないので、住まいにスペースがなくても大丈夫です。
今や昔の話ですが、『ドラえもん』のキャラクター・しずかちゃんが奏でる「不快な音」をバイオリンで出すためにはかなりの力が必要なので、幼児のレッスンではまずあのような音は出ないと考えてよいでしょう。
そうはいっても共同住宅(マンションやアパート)の場合は楽器の演奏に制限のある場合がありますので、そのような場合は音楽教室のレッスンルームを使うことをお勧めします。
習い事は本人が楽しむのが一番ですが、始めなければ知らない楽しみもあるのもまた事実。ちょっと興味があってもハードルを感じてしまうのが「バイオリン」ではないかと思いますが、そのハードルは実はひょいっと簡単に超えられます。
これまで知らなかった新しい楽しみを子供にあげられるバイオリン、始めてみませんか?
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