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MAY,2020
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【バイオリンのチューニング講座】基本的な音の合わせ方から必要な準備まで現役講師が解説

投稿者 :石内幹子

なぜバイオリンのチューニングが必要なのか?

オーケストラなどの演奏の前に、奏者が全員でチューニングをする場面を一度は見た事があるのではないでしょうか。バイオリンに限らず全ての楽器を演奏する上で、チューニングはとても重要です。ここでは、なぜチューニングが必要なのか、その理由をご説明します。しっかりと理解し、チューニングに役立ててください。

チューニングはとても重要

ピアノは、調律師さんにピアノを「チューニング」してもらい、鍵盤を押す事で、正しい音程を出す事が出来ますね。ところがバイオリンには調律師さんはいません。調律をしないで弦が狂ったままでは、正しい音程で演奏する事が出来ないのです。バイオリンを弾く上で、「自分で正しいチューニングが出来る」事は、とても重要です。正しくチューニングが出来るかどうかで、演奏が成功するかどうか、決まってしまうと言っても過言ではありません。

もし、チューニングをしなかったら?

バイオリンは、弦を指で押さえて、音程を作る楽器です。バイオリンは特に音程については、たくさん練習をします。
もし、正しい場所を押さえていても、チューニングが狂っていたら、、、
「あれ?おかしいな。思った通りの音が出ないぞ??」と、なってしまいます。いくら一生懸命練習しても、上手くチューニングが出来ていなければ、練習の効果を発揮する事が出来なくなってしまうのです。

チューニングの頻度はどのくらい?

ズバリ、バイオリンを弾く前は毎回です。バイオリンを手に取ったら、まず最初にチューニングをしましょう。
「昨日チューニングしたから、大丈夫かな?」と言う方が多いのですが、バイオリンはとても繊細な楽器。温度や湿度のちょっとした変化で、弦は敏感に伸びたり縮んだりします。
プロのバイオリニストは1曲演奏する中でさえ、数回チューニングをするほどです。

チューニングの準備

弦楽器 特徴

いざ、チューニング!! に取り掛かる前に、準備しておきたい、チューニングに必要なものと、知っておきたいバイオリンの開放弦についてまとめました。チューナーについては、一般的なものについてご説明しています。開放弦については、より確実なチューニングをするために、しっかり理解しておきましょう。 

チューニングに必要なもの

昔は音叉(おんさ)やピアノでチューニングをしていましたが、今は「チューナー」を使う事がほとんどです。スマホのアプリで、無料のチューナーアプリも沢山あります。バイオリン用のチューナーアプリもあり、とても便利なので私も愛用しています。メトロノーム機能などが付いたアプリがオススメです。

私は、やはりステージで演奏する時に何度もチューニングするので、楽器に直接取り付けるタイプのチューナーを使っています。

楽器の振動を感知するタイプなので、アンサンブル中に他の楽器の音が鳴っていても、このタイプならチューニングする事が可能です。また、小さいので、楽器に付けたまま楽器ケースに収納出来て、とても便利です。
自分の用途に合った、使いやすいチューナーを選びましょう。

バイオリンの開放弦の音程を知ろう!

バイオリンには弦が4本張ってあります。高い弦(楽器に向かって右、1番細い弦)から低い方に向かって、1番線、2番線、3番線、4番線です。
バイオリンの弦を、どこも指で押さえずに鳴らした音を、「開放弦」と言います。
バイオリンの開放弦は、1番線はE(ミ)、2番線はA(ラ)、3番線はD(レ)、4番線はG(ソ)、と決まっています。バイオリンのチューニングは、開放弦をこれらの音に合わせます。

バイオリンのチューニングを実践!

バイオリンがいい理由 子供

さあ!もう準備は万端です。早速チューニングに取りかかりましょう。こちらでは、実際どの様にバイオリンのチューニングを行うか、また、チューニングをする時の注意点をまとめました。バイオリンのチューニングは毎回行うものなのは、もうお分かりですね。最初は慣れないかも知れませんが、しっかりトライして見ましょう。

弾いてよし、はじいてもよし

一般的には、弓で開放弦を弾いてチューニングます。慣れてくると、バイオリンを構えたままチューニングが出来ますが、難しい様でしたら、まずはバイオリンをウクレレの様に構えたり膝に乗せたりして、指ではじいてチューニングしても良いです。コツは、開放弦を弓で弾く時も、指ではじく時も、「確実に1本だけ鳴らす」事です。複数弦鳴ってしまうと、チューナーが正しく反応してくれません。

チューナーで合わせる

開放弦をチューナーで、
E5、A4、D4、G3、
に合わせます。アルファベットの右にある数字は、音の高さを表しています。ピアノの鍵盤を見ると分かる様に、E(ミ)にも、高いミもあれば、低いミもあります。チューナーでは、この高さを数字で表します。数字の数が1つ増えると、1オクターブ高くなります。必ず、E5、A4、D4、G3、に合わせて下さい。
チューニングをする弦の順番ですが、2番線A(ラ)、3番線D(レ)、4番線G(ソ)、最後に1番線E(ミ)、の順番で合わせるのが一般的です。この順番でチューニングするのがいちばんチューニングが安定します。

チューニングをする時の注意点

ペグを勢いよく回すと、弦が切れてしまいます!慣れていない方は、チューニングの時に、特に1番線を切ってしまうトラブルにみまわれる方がとても多いです。ペグを回す時は細心の注意を払って、少しずつ回して下さい。普段のチューニングは、アジャスターを回して行う事をオススメします。(写真のネジが、アジャスターです。)



チューニングもプロに習おう

もう、チューニングは出来るようになりましたね?チューニングの大切さについても、ご理解いただけたかと思います。だからこそ、そのチューニングが正しく出来ているかバイオリンのプロにチェックしてもらいましょう。やりやすいチューニングの仕方を知る事も出来ます。

チューニングをプロに習うメリット

チューニングは基本のき。全てはここにかかっていると言っても過言ではありません。正しくチューニングが出来ているか、プロにチェックしてもらいましょう。レッスン中に気付かずチューニングが狂ってしまった場合でも「ちょっとチューニングして見ましょうか」と、すぐに気付いてくれます。正しいチューニングを保つだけでも、演奏もグンと上達します。また、チューニングに慣れてくれば、ちょっとしたコツや裏ワザも教えてくれます。

「EYS音楽教室」をおすすめする理由

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EYS音楽教室では、経験豊富な講師陣が型にはまったメソッドでは無く、お客様お一人お一人に寄り添ったレッスンを行なっています。初めてバイオリンを手にした時からお客様が安心して演奏出来るよう、わかりやすく丁寧に、楽しくレッスン致します。ご自宅でお一人でも心地よく練習していただける様、楽器の扱い方、チューニングの仕方も、もちろん苦手なポイントや疑問点にも、丁寧にご指導致します。ぜひ、無料体験レッスンにお申し込みください。お待ちしております!

最後に

バイオリンはとても繊細な楽器です。特にバイオリンはチューニングが狂いやすい楽器なので、こまめにチェックするよう心がけましょう。チューニングはとても重要です。正しいチューニングをマスターして、ぜひバイオリンの演奏を楽しみましょう!

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
武蔵野音楽大学卒業。武蔵野音楽大学在学中、ステファン・グラッペリの音楽と出会いマヌーシュ・スウィングに傾倒。作曲、アレンジも手がけ、オーケストラや室内楽での活動のほか、ポップスからジャズまで幅広い分野で活躍。2013年に、フランスを代表するジャズ・ヴァイオリニスト、フローリン・ニクレスクをプロデューサー迎えてアルバム「Swimg from Paris」をパリでレコーディング、リリース。2015年〜2017渡仏。Didier Lockwood氏に師事。