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『美女と野獣』は言わずと知れたDisneyの作品の一つですが、元は1740年に書かれたフランスの民話なんです。1946年のフランスを皮切りにアメリカ、オーストラリア各国が5度に渡り映画化していますね。Disneyが最初に題材として製作したのは1991年版ですね。
今回テーマにしているのはそんな映画の主題歌として歌われている「Beauty and the Beast」です。劇中では男女ツインボーカルで歌われているこの曲ですが、ヴァイオリンでも勿論人気の曲です。特に高音に上がっていくフレーズはとても伸びやかでヴァイオリンならではの曲の良さが出せると思います。
実際に【美女と野獣/Disney】を弾いてみました。
まず最初のメロディーは語りかけるような低音域からスタートします。ここでは「音の消え方」を意識してみましょう。筆者は昔ヴァイオリンのレッスンを習っていた時に先生から「音を大事に弾きなさい」と言われました。
では、【音を大事に】とはどういう事かなのですが、筆者は音の入り方と消え方だと思います。
ヴァイオリンは摩擦楽器なので弓を動かした瞬間から音が出ます。これは仕組み的に当然な事なのですが、ポイントは弓や弦への圧力の掛け方です。ピアノは鍵盤楽器ですが、仕組み的には打楽器に近く弦をハンマーで叩いているので音が「点」なんです。勿論、サスティンペダルを用いれば音を持続させる事は可能ですがどんどん減衰していってしまいます。
その点、ヴァイオリンは弓を動かし続ければ常に音を持続させる事ができるのでピアノに比べて音が「線」なんです。では、この線をイメージした音を大事にするにはどうするかと言うと弓の動かし始めは圧力を少なめにかけて弓の真ん中らへんで圧力を増やし、音の終盤で再度圧を抜く、、、と言う感じです。具体的には右手の人差し指を意識してみてください。
まず、「圧力を少なめ」と言うのは殆ど圧力をかけない状態です。なので弓を弦に置いたら親指と人差し指だけで弓を摘み、倒れないようにしてください。他の指は乗せなくても構いません。そこから横に動かしてみましょう。音が鳴るハズです。弓の自重だけである程度の摩擦は生まれるので、その状態から残りの指を全部乗せて徐々に人差し指で弓に圧をかけていくと、ドンドン音量も大きくなってきます。
ここで気をつけなければならないのは「手」に力を入れない事です。手に力を入れてコントロールしようとすると弓全体に過剰な力がかかってしまい音が歪んでしまいます。なので、あくまで「人差し指」のみでダイナミクスコントロールできるように意識してみましょう。
ダンスのシーンで流れるメロディーですね。まずはこのフレーズの構成をイメージしましょう。8分音符4つで一番上の音程まで登り、ロングトーン。おそらく、そのパターンをいくつかの音程に分けて使っている事になります。
皆さんは映画の曲を聴いていてどこのシーンで胸が熱くなりますか?筆者もそうなのですが、おそらく8分音符4つの音程が徐々に上がって行くフレーズなのではないでしょうか?実は、このフレーズ方法論としてはヒット曲を作曲する時のセオリーなんです。
少し演奏とは話が逸れてしまいますが、ヒット曲を作るにはいくつか方法論があります。その一つが先述「上行音階」と言う音階の作り方です。よく例に出されるのがアメリカの国歌ですね。歌い始めに階段のように登って行くフレーズがあるかと思います。人間はこのような徐々に音程が上がって行くフレーズを聴くと高揚感を感じてしまうと言われています。いきものがかりさんの曲にも随所で使われているかと思います。
今回の「美女と野獣」のテーマ部でも使われているこの進行をまずはしっかり弾いてあげる事が大事ですね。8分音符4つかけて登っていき、ロングトーンに達するわけですが次のロングトーンは発音だけしっかり発音したら後はそこまで圧をかけずにビブラートで美しく仕上げましょう。
初動から同じテンションをかけ続けてしまうと平坦にしてしまい、せっかく上行音階で作り上げた高揚感がなくなってしまうかもしれません。テンポもゆっくりな曲なので一音一音大事に弾いていきましょう。
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いかがだったでしょうか?今回はDisney映画作品より「美女と野獣」にフォーカスしてみました。演奏とは作曲された作品の「表現」「具現化」でもありますよね。
私たち演奏者は紡がれた音達を実際に聞こえるように楽器で表現していきます。ただ音符の通り、楽譜に沿ってのみ演奏するのではなく大事なのはどんな気持ちでこのフレーズを書いたのだろうか、どのような描写を思い浮かべたのだろうかと考えてみるだけで演奏は大きく変わります。
今回は映画音楽だったのでより描写が意識し易いですが、映画音楽でなくとも演奏して聴こえてくる音楽を自分なりに解釈して演奏してみるともっと音楽の幅が広がるのではないかと思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。