【初心者向け】バイオリンの始め方や楽器の選び方・おすすめの教本を現役講師が解説
投稿者 :沼田翼
もくじ
ヴァイオリンを弾いてみたい。ふと、テレビや何かを観て感じてしまう事ってありますよね。知的好奇心溢れるとても良い事だと思います。しかし、いざ一歩踏み出そうと思った時に一度立ち止まってしまう事もあると思います。今回はそんな悩みを払拭できるような記事を執筆させて頂きました。せっかく自由に生きる事ができる時代に産まれたのですから、やりたい事をやってしまいましょう!
どうしても「ヴァイオリン」=貴族が弾く楽器というイメージが定着している昨今の日本。確かに、習い事をするにはお金はかかるかもしれません。でも、考えてみてください。楽器単体の値段を考えればピアノの方が遥かに高額です。俯瞰的に見ればヴァイオリンという楽器よりも遠征費などを全て引括めてしまうと野球などスポーツの方が高いのでは?と筆者は思います。幸い筆者は幼い頃からヴァイオリンを習わせて頂き、学生時代はスポーツで全国大会にも出場しました。学校でピアノを弾ける子達は学年に何人かいるけどヴァイオリンを弾けるのは小中高合わせても私だけでした。しかし、周りにはスポーツをやっている子達も沢山います。ましてや全国大会に行くレベルでプレーしていたので遠征や用品、食費など今思えば結構投資して頂いたのではないかと思います。
ある時、ふと思いました。筆者が通っている学校ではヴァイオリンを習っているのは筆者だけ。しかし、ジュニア弦楽団などでは同世代の子達は沢山いる。子供の当時習い事にいくらかかるのかはわかりません。しかし、子供ながらに思ったのは「ヴァイオリンって近所で習える」という事に気づいてないだけなのでは?と。
習い事と言えば?という問いに対して「ピアノ」はすぐに出てくるかもしれません。しかし、「ヴァイオリン」とはなかなか出てこないかもしれません。それはただ単に認知度が低いだけであって決して敷居の問題ではないと思うのです。
筆者が普段体験レッスンをする時によく言われる言葉ベスト5に入るワードですね。しかし、そんな事言ってたっけ?とばかりに30分後にはキラキラ星が弾けるようになって楽器をプレゼントしてもらって楽しそうに帰る方を筆者は何人も見てきました。本当に、未来が楽しそうな事が伝わってきてコチラまで思わず笑みが溢れてしまう程です。筆者自身、確かにヴァイオリンは音を出すのが難しい楽器だと未だに思います。ただ、その悩みを即座に解決する為に我々インストラクターがいるのです。安心して下さい。ポイントは「いかに自分の体をコントロールできるか」なんです。
「速く走りなさい」という課題があったとします。恐らく、大半の方は下半身に注目すると思います。しかし、実は視点が違うのです。速く走る為には下半身も大事なのですが、より速く腕を前後に振る事によって下半身も連動して速く走れるようになるのです。このように、少し違う視点から見てみると「あぁなるほど」と納得出来る事が多いのはスポーツだけでなく楽器も同じなのです。弦を弓で擦ることがヴァイオリンの音の出る理由なのですが、この時に弓に力を入れずとも「重力」に任せてしまえばかなり楽に音が出ます。固定概念に縛られずに俯瞰的に見ていく事が出来れば、上達のスピードは段違いです。決して「センス」ではなく「認知とコントロール」だと筆者は常々思っております。
幼い頃からヴァイオリンを演奏してきた筆者がヴァイオリンを演奏していて一番楽しかった事。それは「アンサンブル」です。人と人は話したり行動を共にする事でより深まった関係になっていくものではないかと思います。ピアノは1人でもの凄い量の音符を奏でる事ができます。しかし、ヴァイオリンは基本的に単旋律の楽器なので伴奏が居ないとあまり成り立ちません。
ただ、ヴァイオリンの利点は「楽器が小さい事」こそにあると筆者は考えます。楽器が小さければ何が出来るか、持ち運びがとても楽なのです。そうなれば答えは簡単、どこでも演奏できる楽器この上ないのです。筆者は怖いもの知らずな事もあり、中学生の頃から吹奏楽部の友達を誘ったりして積極的に遊びでアンサンブルをしてきました。コレが面白い!もちろん、音を出す事も面白いのですが、自分が休符の時に他の楽器がメロディーを弾いていたりそのメロディーを支えるようにハーモニーを弾いたりするのがたまらなく面白いのです。「自分も参加している感」が中学生の頃から病みつきになりました。その頃から筆者はメロディーを弾く1stヴァイオリンよりもハモりやバッキングを弾く2ndヴァイオリンの方が好きになり例えばカラオケでも自分が歌うのよりも友達とハモりながら歌う方が好きになりました。
ヴァイオリンは演奏形態に於いて右に出る楽器は無いと思います。もちろん、1人で演奏する事もできますし、ピアノとデュオ、ヴァイオリン同士でコンチェルト、チェロも入れてカルテット、室内楽、更にはオーケストラ。なんでもできてしまいます!ちなみに筆者が中学生の時にアンサンブルしたのはピアノをやっていた友達とフルートを吹いている吹奏楽部の友達と三人で「主よ人の望みの喜びよ」を演奏しました。何かの機会で体育館で演奏したのですが、内申点上げて頂きましたよ笑
同じように見えてしまうヴァイオリンですが、実はネックの太さや細さ、反り方が若干違います。あまりに安すぎる楽器は正直入門編と言えどオススメはできません。下記3点は古くから製造している歴史的なメーカーだったりするので今回掲載させて頂きました。ヴァイオリンを選ぶ際に、音色で選ぶ事は難しいかもしれません。
また、店員さんにお話を聞いても余程事前情報を学んでいないと話の全体像が見えてこないかもしれません。一番正直なのは自分の体なのです。ヴァイオリンは演奏中、常に身体から離れる事はありません。人間の肌と樹木の温もりは相性というものがあるのかもしれないと筆者は思っています。先述した楽器のネックの太さや顎で挟んだ時の高さなど、、、自分が構えやすい楽器をチョイスするのが一番ではないかと思います。テイスティングではないですが、ある程度同じ値段の楽器をブラインドして構えてみて一番しっくり構えられる楽器を選んであげるといいかもしれませんね。
まず、一概にヴァイオリンと言ってもメーカーによって製法などが違ってきたりします。
プレス品とは、手作業ではなく機械で大量に製造したバイオリンのことです。そのため、セット品でも1万円程度からと、低価格で購入できることがメリットとなります。ちょっと遊びで弾いてみたい方や、舞台の小道具にしたい方などに最適です。しかし、プレス加工でバイオリンを製造しているため、時間の経過とともに元の形に戻ろうとする力が働き、音が悪くなるなどのデメリットがあります。また、あまりにも価格が安すぎると、最初から音が悪く使用に耐えない製品もあるようなので、購入する際には試奏するか口コミなどをしっかりと確認すると良いでしょう。
職人がひとつずつ手仕事でつくったバイオリンは、手工品と呼ばれます。著名な職人が製造したバイオリンは、1つ1億円以上の値がつくこともありますが、安いものだと30万円程度から手に入れることができます。初心者にとっては決して安くない価格かもしれませんが、きちんと演奏すれば価格に見合う音色、もしくは価格以上の音色や価値があるともいわれています。長く使いたいのでプレス品は避けたいけれど、手工品を購入するには予算が足りないと言う方は、半分プレス加工、半分職人の手作業でつくられた「半手工品」のバイオリンを選ぶことで5万円~の予算で購入することができます。
近年高級材料として注目を浴びているヒマラヤンメープル、スプルース、そして伝統のクレモナ調合のニスを使用した、熟練の職人達からなる巧緻なハンドメイドの楽器です。しかし、高価格帯という訳でもなく、手に入れる事ができます。
『スズキ』と言えば長野県松本市を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。スズキメソード の前進はヴァイオリン製造業なのです。古くからの【日本産】という老舗メーカーであり、筆者も生徒さんの楽器をよく手にさせて頂きますが非常にチューニングし易く扱いやすい楽器です。
言わずと知れた国産メーカーですね。音楽だけに限らず様々な物を製造しているからこそ生み出すことのできる【信頼性】はやはり高いですね。少し堅めな音は言い換えれば現代的な音かもしれません。時代のニーズと共に求められる音色も変わってくるのも楽器の醍醐味ですね。
ヴァイオリンはギターと違って割と見た目が同じだし、その割に値段の桁が違う!とツッコミどころ満載な楽器でもあります。しかし、高い楽器が良い楽器という訳ではないんです。
確かに、材料や材質は殆ど一緒かもしれません。しかし楽器の鳴りはそれぞれ違うのです。去年筆者が共演者が借りてきたというお家が買える値段のヴァイオリンを弾かせて頂きました。
この楽器、都内でお家が買える値段で300年前に製造されたイタリアの楽器なのですが(このヴァイオリンや、いわゆるストラディバリウスのような高い楽器はプロでも個人が所有する事はできず、レンタルというシステムに業界ではなっているのです)音量面だけで言ってしまえば多分筆者のヴァイオリンの方がよく鳴りました。テレビの企画でやっているような【どっちが高い楽器?】のような企画では解りづらいですし、筆者も実際に身を以って体験させて頂きましたが高いから良い音がする!というのは一概に言えないのかもしれません。ただ、今回筆者が気づいたのはあくまで明確なのは音量差だけであって、また別の演奏者が弾くと違った感覚を覚えるのかもしれませんね。
基本的には同じサービスをしている楽器屋さんが殆どですが、筆者がオススメしているのは【工房が併設されている楽器屋】ですね。ヴァイオリンは殆どメンテナンスがいらない楽器ですが、長く使っていればメンテナンスしなければならない時も出てきます。そんな時に「一旦お預かりして」など時間を要さずに工房から職人さんがスグに診てくれる楽器屋さんがオススメです。店員さんと職人さんは違うので一緒くたにしない事が判断基準ですね。ヴァイオリンを作ったり直したりするのは職人さん。お金を預かったりするのが店員さんなので職人さんが常駐している楽器屋さんがオススメです。筆者はミュージックプラザさんにお世話になってます。
いざ、ヴァイオリンを始めるにあたって教本が沢山あるというお悩みもよく聞きます。本屋さんや楽器屋さんに行っても沢山あってどれがいいのかが判らないですよね、、、言い換えればそれだけヴァイオリンを弾いてみたいという方が多いという事なのですが筆者がオススメするのはズバリこの教本です。
スズキメソードです。筆者自身がスズキメソード出身というのもありますが、インストラクターをしていて生徒さんが持ってきて下さる様々な教本も今まで弾かせて頂きましたが、やはり一周回ってスズキメソードに戻ってきました。理由はいくつかあります。
まず、レベルアップしやすいんです。ヴァイオリンはラの音から始まるので指を押さえる場所などが決まっています。教本を進めて行くと調号(シャープの数)が変わってきたりするのですが、レベルアップする曲のチョイスが非常に上手なのです。順に弾いていけば自然と色々な調の曲が弾けるようになっているというような具合です。
次に、コレは大人の方にオススメな理由の一つなのですが、割とスグにクラシックの曲が出てくるのです。例えば、だれかの前で演奏しなかればならない時や、「ヴァイオリンを習っているんだ」という話になった時にコレほど誇らしい事はありません。自信を持って「モーツァルトの曲を弾いている」みたいな話がランチで出来ればモチベーションも上がりますよね。
そして、コチラはお子様に(もちろん大人にも)オススメな理由がCDが付いているんです。これは他の教本より値段が高い理由の一つなのですが、曲の音源がCDとして付いてきます。スズキメソード の基本的概念でもあるのですが、【音楽は耳から覚えるもの】なのです。
以前こんな生徒さんがいらっしゃいました。「いきなり楽譜を譜面通り弾いても正解が判らないのでイメージが湧かず合っているのか間違っているのか判らない。せめて先生に一度弾いてもらってから弾きたい」と。それはそうです。音楽は耳で聞くのが前提ですし、知っているものと知らないものでは雲泥の差があります。聴いた事のある曲をカラオケで歌うのと知らない曲を歌うのと同じですね。
実際にどうやってヴァイオリンのレッスンが進んで行くのかというと筆者は先述の通り、まずお手本を弾いてみせます。その後でこのフレーズを演奏する時のポイント(身体の使い方など)を説明し、トライしてもらいます。1人で弾けてしまえば全然構わないのですが、もちろん一緒に演奏したりします。同時に演奏する事によって自分がこの音だと思っていた所が少し低かったりする事に気づけるのでとても解りやすいと好評頂いております。また、いきなり全て演奏するのではなくてフレーズフレーズに区切って練習したりもします。やはり曲によって難しいポイントはあるものですいきなり全てやろうとせずに一つ一つクリアして行った方が早く曲を仕上げる事ができるのです。
ヴァイオリンを始める時に悩む事はたくさんあるかと思います。そんな悩みを解決できるのが現役演奏者でもある我々インストラクターなのではないかと思います。よくあるお家で練習するのはどうすればいいのか、や音量が近隣の迷惑にはならないか、など気軽な悩みでも徹底的に解決できるように心がけております。
EYS音楽教室では楽器プレゼントというヴァイオリンを弾くにはとても理想的なキャンペーンを行っており、わざわざ楽器を買うというコスト面や選ばなければならないという心理的ハードルをなるべく下げられるようにしています。
最近ではオンラインレッスンなど、お家に居ながら気軽にスキルアップできるシステムも作っていますので、気になった方はぜひ無料体験レッスンにいらしてみてくださいね!
ヴァイオリンは決して敷居が高くありません。そして、とても気軽にチャレンジできる楽器です。オンラインレッスンを始め、今ではとても身近で気楽に弾ける楽器になったと思います。バッハもヴィヴァルディもきっとビックリです。好きな曲を自由に弾く、自由というのは案外近くにあるのかもしれません。そして、ヴァイオリンを演奏する事によって新たな人と出会い、新たな音楽や発見に出会う事になるのも音楽という冒険の一つかもしれませんね。
一生終わる事のない旅、ヴァイオリンを弾き始めて数十年になる筆者もまだまだ旅の途中で日々面白い音楽達に出会い続けてます。この記事を読んでくれたあなたとも、またどこかでお会いできる事を楽しみにしております。最後まで読んで頂きありがとうございました。