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1992年に公開されたディズニー映画『アラジン』の劇中歌として用いられたナンバーですね。作曲はご存知、ディズニー作品の音楽を数多く手がけたアラン・メンケン氏。A Whole New Worldはアカデミー歌曲賞はおろかグラミーも受賞しているんですね!
ディズニー映画の名曲は数多くあるものの、アメリカの総合チャートで1位になったのはなんとこのA Whole New Worldだけなんです。日本では1993年7月12日から13週連続で1位を取り続けていたという事ですから驚きです。筆者も体験レッスンの際に「弾いてみたいディズニー音楽と言えば?」というお話をよく年齢問わず生徒さんとお話する時に必ず出てくるナンバーです。
実際に【A Whole New World/Disney】を演奏してみました。
演奏を始める前に、まずイメージして頂きたいのはこの「A Whole New World」が流れるシーンです。音楽はただ譜面に沿って演奏すればいいというものではありません。このシーン、この情景の背景にこの音楽があるからこそ『映える』という総合芸術の観点をぜひ持って頂きたいです。実際、この曲が使用されたのはアラジン達が魔法の絨毯に乗って夜の空を飛ぶという実にロマンティックなシーンです。
では、そのシーンをどのようにイメージして演奏するべきか具体的な技術の話に移行していきましょう。まずフォーカスしたいのは「一つの音をどう弾きたいか」です。導入部の劇中歌はいきなり歌い上げてはいないですよね。夜の空を飛ぶ訳ですから静かに囁くような歌い方でスタートしています。
バイオリンでも囁くような音からスタートしたいです。ポイントは弓の弾き終わりに意識したいです。普段、特に意識する事なく弓を止めると音がプツッと切れてしまいます。しかし、音を「フェードアウト」いわゆるだんだん小さくしながら音を消してあげると、とても美しいですよね。そのやり方は左手にあります。開放弦だと、弓をスゥっと元から離してあげれば自然と音は減衰していきますが、指で押さえているということは弦の振動を左手がコントロールしている事に近いのです。
実際に、弦から弓を離した後も暫くは左手を離さないでいてください。可能ならビブラートもある程度掛けっぱなしにしてあげたいですね。バイオリンは弦を弓で擦っている間だけ音が出ている訳ではなく、弓が離れた後も胴鳴りしています。特に開放弦ではなく左手で押さえている際は弓から押さえている位置までは弦が振動していますが、押さえている位置から上の方(ペグの方)は振動していません。なので指を離してしまうとスグに弦自体の振動が止まってしまうのです。なので、弓を弦から離す時は丁寧に離す事はもちろん、音がゆっくり減衰していくまで左手は残してあげましょう。
次に意識したいのが高音のロングトーンですね。一番高い音は3rdポジションを使わなければ届かない音程なのですが、ポジション移動をする際は親指の移動を絶対に心がけましょう。ポジションは親指によって決められます。指の可動範囲は掌の大きさ、と決まっているからですね。この掌をどこに移動するかがポジション移動のキモになってきます。人間の身体は賢いものである程度反復練習した事ならば無意識に動いてくれます。なので今までたくさん1stポジションで弾いた感覚は手が覚えてくれているものなのです。
ポジション移動は高等技術と思われがちですが、実はやっている事は1stポジションと同じ動きなのです。ただ、親指の位置がパッと定まらないが為に難しいと思われてしまうんですね。なのでポジション移動の練習をする時はまず親指の場所を意識しましょう。
次に、ロングトーンと言えば「ビブラート」になってきます。このビブラートもバイオリンをやるからには習得したい技術ナンバー1かもしれません。ビブラートは具体的に「指の屈伸運動」によって行っています。弦を押さえて、指の第一関節を曲げ伸ばしする事で音程を半分ズラすテクニックですね。よく、勘違いされてしまうのはビブラートは「沢山かける程良い」と思われがちなんです。しかし、そうではありません。あくまで回数ではなく音の伸びを意識してみてください。ゆっくり掛けても音程が明確に変わっていれば十分なんです。
特にA Whole New Worldのようなバラード曲では発音する音の全て最初から最後までビブラートを掛け続けるのではなく、筆者は最初は掛けずに半拍置いてからビブラートを掛け始めたりします。大事なのは音程を揺らす事により間延びさせない事だと筆者は考えます。なのでビブラートは揺らしたモン勝ちという意識をもし持っていたら非常に勿体無いので少し違った視点を持って頂けると嬉しいです。
EYS音楽教室では決まったメソードや教本を使うわけではなく、生徒さんの演奏したい希望を叶える最短距離を筆者達インストラクターが案内します。教本全て終わらせてから、音階練習をたくさんやってからでないと弾けない事はないのです。確かに基礎的なエクササイズは大事です。
しかし、そればかりやっていると本当に自分が楽器を始めた理由を見失ってしまいます。「自分はなぜ楽器をやりたくなったのだろう?」音楽をやりたくなった理由を色褪せない為に私達が伴走します。基礎の習得と同時進行で演奏したい曲を最後まで私達プロフェッショナルが指導しますので、夢を一緒に実現しましょう!
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いかがでしたか?今回はディズニー映画「アラジン」より【A Whole New World】について執筆させて頂きました。筆者も何回も映画を観て何回も弾いてきたこの曲ですが、演奏すればする程「もっと美しく弾きたい」という欲が出てきてしまうような素晴らしい曲です。「美しい」という概念は人それぞれだと思います。その中で、今回お話させて頂いたような弓の扱い方やビブラートの掛け方も皆さんの感情それぞれだと思います。テクニックとはあくまで方法論にすぎません。その中で、テクニックを「どこで使用するか」「どう使用するか」は演奏者一人一人によって十人十色だと思います。ぜひ、皆さんなりの【美しい音楽】を奏でてみてくださいね。最後まで読んで頂きありがとうございました。