【初心者必見!】トロンボーンの種類や選び方を現役講師が解説
投稿者 :井浪 直子
もくじ
トロンボーンと一概に言っても、実はたくさんの大きさや種類があります。
レッスンを始めるにあたって楽器が欲しい、部活を始めるのに楽器が必要、でもそんなたくさんの種類の中から、自分にとって最適な一本をどう選べばいいのか。そんなお悩みにお応えできる様、今回はトロンボーンの選び方をお話ししていきます。
まず、トロンボーンはJAZZ、吹奏楽、オーケストラ、ポップス、ラテンと様々なジャンルで活躍できる楽器です。
そして、演奏するジャンルによって最適な楽器は変わってきます。
フレーズが細かく、ハイノートを吹く機会が多いJAZZやラテン、ポップスなどは、一番シンプルな構造の【テナートロンボーン】がオススメです。
吹奏楽やオーケストラ、Big Bandで低音を担うことの多いや3rdや4th、Bassパートを吹くときは、ダブルロータリーの【バス・トロンボーン】がオススメです。
吹奏楽でも高い音域のパートや、ポップスなどで一人で色々な音域を担う必要がある場合などは、クラシックで使用されることの多い【テナー・バストロンボーン】をオススメします。
オーケストラでは稀に高い音域のために【アルト・トロンボーン】を用いることもあります。
この様に、演奏するジャンルによって最適な楽器が異なるので、まずは吹きたいジャンルや将来像を確認しましょう。
もしも、どうなるかわからない、という時は、一般的なテナー・バストロンボーンか一番シンプルなテナートロンボーンをオススメ致します。
吹きたいジャンルや楽器が決まっても、トロンボーンを販売しているメーカーはたくさんあるので、同じ大きさの楽器でも選ぶのが大変です。
ただ、メーカーによって音色や性質に違いがあり、特にヨーロッパ系とアメリカ系で特徴がかなり異なります。
中高の吹奏楽部では、日本のヤマハの楽器を使用することが多く、ヤマハ以外だとアメリカ系のメーカーのBachなどが多いので、私たち日本人プレイヤーにとってはアメリカ系の楽器の方が馴染みがあるのではないかと思います。
アメリカ系の楽器に比べ、ヨーロッパ系の楽器は、全体的にスライドが長く、ベルの位置も異なるため、少し小柄な方や中学生には吹きこなすのが難しい楽器かもしれません。もちろん、スライドに紐をつけて長さを補う奏法もあるので、その奏法を極めれば十分吹きやすい楽器ですが、アメリカ系の楽器や日本のメーカーの楽器を吹いたことがある人は、慣れるまでに時間がかかるかもしれません。
音色だけでなく、楽器そのものの特徴が異なるため、ポジショニングやピッチ感なども含め、楽器を選ぶ上で製造地域の特徴も念頭に置いて選びましょう。
楽器の材質、特にベルの材質によっても、音色や吹き心地が変わります。
一般的な楽器は真鍮で出来ておりおり、その上にラッカーを塗って仕上げていますが、中にはNickel Silverで出来ているものもあります。
同じ真鍮でもイエローブラスとゴールドブラスでは音色が異なり、一般的にゴールドブラスは赤ベルと呼ばれ、イエローブラスよりも温かみのある音がします。
また、仕上げのラッカーにもゴールドラッカーとクリアラッカーがあり、クリアラッカーの方が少し暗めの音がします。
あくまでも音の感想は個人的なものですので、楽器や仕上げも少し気にしつつ楽器を選ぶと、好みの楽器に出会いやすくなります。
楽器を選ぶ上で一番大事なポイントが、【どんな音が吹きたいのか】です。
吹きたいジャンルで購入したい楽器の大きさはわかっても、数ある材質やメーカーの中で闇雲に絞るのはあまりおすすめしません。
きちんとどんな音が吹きたいのか、という目安を持って楽器を選んでみましょう。
温かい音や柔らかい音が良いのか、パキっとした明るく聡明な音が良いのか、少し暗めの切ない音が良いのか、それを明確にするだけでも、楽器屋さんなどでは理想に合う楽器を紹介してもらえます。
ある程度理想の楽器が絞れてきたら、次は吹きやすさを確認してください。
同じ材質でも、楽器によって個体差があります。
理想の音色が出ても、【吹き心地】が良くなければ練習も続きません。
少しでも違和感がある場合は、その楽器とはご縁がなかったと思いましょう。
吹き心地とは、単純に吹きやすいかどうかと、後は楽器から返ってくる抵抗感とスライドの滑りやすさも確認してください。
ただし、スライドに関しては、新品の楽器は特に、動かすことによって滑りが良くなる場合もありますので、少し引っかかるかな?程度であれば気にすることはありません。あまりにも硬い場合は、その楽器はあまりおすすめしません。
抵抗感は、強い方が吹くときにコツが要り、抵抗感が弱いと軽い力で音が出ます。こう書くと弱い方が良さそうだと思うかもしれませんが、軽すぎると逆にオーバーブローしてしまったり、物足りなさを感じる場合もあるので、どの程度の抵抗感が良いのか、自分の好みに合わせて選んでみてください。
新しい楽器を吹くと、吹いた瞬間に、合わないな、とわかる楽器が多数あります。
逆に、吹いた瞬間に、すごく良い!となる楽器もあります。ただし、その【すごく良い!】が本物かどうかは、しっかりと見極めてください。
金管楽器は楽器を育てなければいけません。どういうことかと言うと、楽器は金属ですので、どうしても元の形に戻ろうとしてしまいます。
それを毎日少しづつ吹いて、金属を響かせ馴染ませて育てていくのですが、最初の印象がすごく良くても、育ていく過程で吹き心地が変わることもあります。
とても良い楽器に出会えるとどうしてもテンションが上がったり、これが欲しい!と言う思いが強くなって他の楽器が目に入らなくなりますが、抵抗感、スライドなども含め、必ず一度冷静になって判断することをおすすめします。
買いたい楽器が何本かに絞られると、いよいよ試奏です。
この試奏のときに注意したいのが、【必ずどの楽器も同じ内容を同じ順番で吹くこと】です。
何本か並べられた楽器をむやみやたらに吹いてしまうと、どの楽器の何が良かったのかがわからず、冷静な判断も難しくなります。
ですので、できるだけ、最初に何の音を吹くのか、どういうフレーズを吹くのか、を決めて試奏しましょう。
最初は唇が固い状態で、吹き続けると良い塩梅になり、吹きすぎると疲れてくる、ということも忘れずに試奏するとより良い判断が可能です。
試奏するときに最も大事なことが、【全ての音域、吹き方を試す】ということです。
例えば、気に入った楽器があったとして、この楽器は苦手な低音がしっかり鳴る!と思っても、高音の吹き心地を試さないまま購入するのは大変危険です。
高音は元々得意だから♪と思っても、選んだ楽器が、高音のポイントが今までの楽器と全く別物であれば、今まで得意だった高音が吹けなくなってしまいます。
もちろん自身の技術でカバーできるものや、得手不得手で変わるものでもありますが、楽器にはそれぞれ【音のツボ】があって、そのツボに自分の吹き方が上手くハマるかどうかがとても重要なので、苦手な音域が良く鳴るから、とか、試奏で苦手なものを吹きたくなから、といった理由でしっかり吹かずに決めてしまうと、今まで吹けていたことが吹けなくなる可能性があります。
試奏する場合は、得手不得手にかかわらず、必ず全ての音域と、タンギングやリップスラーなどの吹き方、後は何か曲の1フレーズを吹いてみることをおすすめします。
試奏も十分にして、冷静に考えて、よし!この楽器にしよう!と決めた後、もう一つだけ注意してもらいたいことがあります。
それは、【重さと持ちやすさ】です。
やっと理想の楽器に出会えたとして、その楽器、少し重かったり持ちにくかったりはしませんか?
重さや持ちやすさは慣れるだろう♪と思うのは危険です!
毎日練習したり、演奏会やコンサートで長時間練習するときに、重い、持ちにくい、というのはかなりのストレスになります。
多少の重さは致し方ないですが、あまりにも体格に合わないものや、少ししんどいな、と思う楽器よりも、手にしっくりくる楽器を選ぶことをおすすめします。
楽器の種類や試奏のポイントはわかったけど、それでも種類が多すぎて、どれを選べば良いかわからない!という方のために、初心者にも吹きやすい楽器をご紹介いたします。
やはり定番はYAMAHAの楽器です。音の鳴り始めの反応も良く、音も安定している安心して使える楽器です。
YAMAHAはすごく吹きやすい反面抵抗感が物足りなく感じるかもしれません。そんなときにおすすめがBachとKINGです。共にアメリカのメーカーで、Bachの方が少し暗めで豊かな音色で、KINGはとても明るくパキっとした音色です。
少し他の人と差をつけたい!という場合は、アメリカのメーカーのS.E.ShiresやイギリスのメーカーのMichael Rathは比較的吹きやすく、昨今人気のメーカーです。
そんな色々なメーカーに引けを取らないクオリティなのがEYSで無料プレゼントしている楽器です。
【無料プレゼント】の楽器というと、クオリティに不安を抱く方も多いと思いますが、しっかりとした作りで、大手メーカーの楽器と同じように、初心者にも吹きやすい楽器です。
音の鳴り始めの反応も良く、しっかりと響いてくれるので、吹くのが楽しくなる楽器です。
楽器の種類も、テナートロンボーンとテナーバストロンボーンをご用意しておりますので、JAZZからクラシックまで、習いたいジャンルによって最適な楽器が選べます。
ぜひ一度、体験レッスンで試奏してみてください♪
いかがでしたでしょうか。
一括りにトロンボーンと言っても、種類もたくさんあり、数々のメーカーが名器を生み出しています。
他の楽器にはない【スライド】という特徴だけでなく、音色などとても奥深い楽器です。
EYSならご自身の楽器がなくても、プロクオリティの楽器のプレゼントもあるので、これを機にぜひトロンボーンを始めてみてはいかがでしょうか。