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SEP,2021
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【トロンボーン裏技】小柄な人必見!体が小さくても吹きこなせる3つのコツ

投稿者 :井浪 直子

トロンボーンを始めたいけど、手が短い。身長が低い。大変そうだから私には向いてない。と諦めかけていませんか?

大丈夫!筆者も150cmぎりぎり無い身長で、腕も短い女性ですが、トロンボーン、ばりばり吹いてます!

今日はそんな小柄女子でも大柄男子に負けないぐらいトロンボーンを吹きこなせる技をお話ししていきます。

①手が長くなくても大丈夫!スライドさばきの裏技

まずトロンボーンを始める時に一番気になるのがこの「スライド」ですよね。

筆者もよく楽器を持っていると、「手、届くんですか?」と質問されます。

失礼な!全くもって届かないですよ!!

でも私には必殺技があるのです!ずばり!「ひも」です!!

もうなんてことない、100円均一とかでも売ってるふっつーの「ひも」をスライドに付けているのです。

写真の様にスライドに付けて、中指か薬指で紐をくるくる巻き、いい具合の長さと強度にして、6ポジ、7ポジに届く様にしています。

トロンボーンのスライドに紐をつけている様子

(写真)トロンボーンのスライドに紐をつけた筆者の実際の楽器

この時に大事なのが紐の長さですが、私の場合はF管付きの楽器を使っているため、ほとんど7ポジを使わないので、肩が内側に入らないで手を全部伸ばして6ポジになる様に調整しています。この時の長さは紐をくるくるした時の長さなので、くるくる度合いによっても長さが変わってきます。

また、紐が長くなればなるほど指にかかる重さや扱い方が難しくなるので、届かないポジションの使用頻度や自分の力量でお好みの長さを探してみてください。

どんな紐が良い? 工夫次第でオシャレにも

紐の素材は何でも大丈夫ですが、太すぎるとくるくるした時にダマになりやすく、細すぎると切れてしまう可能性があるので、色々試してみてください。

私の場合は、100匀で売っている、巾着袋などに使用する用の紐を使っています。

色も、黄色だと楽器と同色で目立ちにくく、他の色だと個性的でおしゃれに見せることもできます!

この紐ですが、初めて使用するときにはかなり怖いと思いますが、頑張って紐を信用して完全に指一本に任せてみてください。変に力が入ったり、怖くて手をどこかに添えてしまうと紐の意味がなくなってしまいます。

紐を使いこなすには、離す勇気と、戻す時に引っ張る力加減がすごく重要になってきますので、6ポジから1ポジ、7ポジから1ポジ、またその逆も、スムーズにできる様に練習しましょう。

あとひとつ。この紐、慣れてくると紐一本に頼ることに恐怖心がなくなって、わりとぽんぽん6ポジや7ポジに投げられる様になるのですが、指に紐をひっかけ忘れたまま投げてしまうこと、1年に1回ぐらいはあるんです。。。慣れるための練習も必須ですが、慣れすぎると危険ですので注意が必要です。

②肺活量より大事な息の使い方

スライド問題が解決したら、次は肺活量問題ですね。

当然、体が大きい方が息はたくさん吸えるので、小柄な人にとって息がたくさん必要なトロンボーンは大変な楽器でしょう。

ですが、楽器を吹く上では、肺にどれだけ息を入れるかよりも、その息を「どう使うか」の方が重要なのです!

例えばロングトーン。たくさん息を吸ったから長く伸ばせるかというと、実はそうとは限らないんです。

楽器には必ず空気の「抵抗」があるので、この抵抗を無視して息を吐くと、無駄に息を使ってしまいます。逆にこの抵抗を味方につけると、少しの息でも長く吹くことができます

楽器を吹いた時、息と音が押し問答している感じがすることはありませんか?それが抵抗感です。

その抵抗に負けない様に無理やり吹くと負けてしまうので、押し問答が気持ちよく感じる息の通り道を探してみてください。そうすると、抵抗が上手く作用して、少ない息でもしっかり音が鳴ります。

一定のスピードで息を吐くことを意識しよう

そしてこの抵抗、扱うにはもうひとつ、息の吐き方をコントロールする必要があります。

息を勢いよく出してしまうと抵抗に負けてしまうので、どんな量を吸っても、一定のスピードで吐けることが大事です。

これには、4秒間で吸って、8秒間止めて、4秒かけて吐く、を5セット繰り返すなどの呼吸法で訓練できるので、ぜひ試してみてください。

この呼吸法、リラックス効果もあるので、寝る前に行うとよく眠れて一石二鳥です!

息の使い方でもう一つ大事なのは、音域や音量によって息のスピードを変えることです。

低い音や大きい音はゆっくりな息で、高い音や小さい音は速い息で吹くといいので、これらの感覚をしっかり掴みましょう。そうすると、大きな音を吹く時や高い音を吹く時に力むことがなくなるので、小さな体でも十分、トロンボーンが演奏できます。

③楽器をきちんと響かせば豊かで大きな音になる!

先ほどの項目で「大きな音」の出し方を述べましたが、やはり体が大きな人の方が大きな音や豊かな音は出やすいんじゃないか?と思ってしまいますよね。

楽器は体を響かすことも大事なので、響く面積が大きければ大きい分、音色や音量も豊かになることは間違いないです。

ですが、もう一つ大事なことがあって、それが「楽器を響かす」ことなのです。

闇雲にでかい音というのは、「そばなり」と言われる、近くだと大きいけれど遠くには聞こえない音になりがちですが、しっかり響いた音は、近くで聞くとそんなにだけれど、遠くまでよく聞こえる音になります

小柄なわたしたちが武器にできるのは、圧倒的に後者の音です。そして後者の音は、体よりも楽器が響いていれば実現できるのです。

楽器が響くとはどう言うことなのか。空気は筒の中を通るので、実はマウスピースの太さ以上の息の太さを楽器に入れることは不可能なのですが、そこから楽器全体の筒の中にしっかり空気を行き渡らせ、唇の振動を楽器に伝えると、楽器全体が振動してくれます。

要は声と一緒で、震えるのは声帯だけれどもそれが伝わって口から空気を振動させる様に、マウスピースで作った振動をしっかり楽器の中で伝えて、ベルから外の空気を振動させるイメージです。

このように楽器がしっかり空気の振動を伝えてくれれば、無理に息を入れたり力を入れなくても、しっかり遠くに届く音になります。

そして、声と同じように、響く音と言うのは裏声なので、裏声を出す感覚で楽器を吹いてみてください。

地声でがなる様に吹く音よりも、裏声で歌う様に吹く音の方が豊かな音色で遠くに届きます。

体格で楽器をあきらめないで!

いかがでしたでしょうか。

どうしても体格というのは生まれ持ったもので、後の努力ではどうにもできないところですが、工夫と知識次第では、体格が劣るからこそ見出せる魅力や技術があると思います。

せっかくトロンボーンに興味があるのに、体格が小さいからと諦めるのは勿体無い!

私も中学生の時、吹奏楽部でトロンボーンをやりたいと言った時、家族にも顧問にも反対され、悲しい思いをしましたが、今では男性に負けないくらい大きな音を出すまでになりました!

人生一度きりなので、やりたい楽器はぜひチャレンジしていきましょう!

ただひとつだけ。。。トロンボーンの重みも私は大好きですが、どんなに技術が進歩しても、この「長さ」だけがネックですね。。楽器を持ち運ぶとき、とんでもなく大きな危険物を持っている様に見えるのだけは玉に瑕なところです。

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
中学からトロンボーンを始め、専門学校(OSM)を卒業後、東京で録音エンジニアとして活動。帰阪後、トロンボーンを大迫明氏・松下浩之氏に師事。 現在は関西を中心に、自身のリーダーバンドの“nica”(オリジナルインストポップバンド)の他、JAZZ、FUNK、フュージョン、サルサ、BigBandなどで活動中。 数年前からはクラシックの分野でも活動を始め、様々なソロコンクールで本選に出場。 オーケストラでも活動中。