初心者のためのピアノ弾き語り入門 曲選びのコツからコードの基本まで
投稿者 :しょうこ
今回は、ピアノでの弾き語りについてお伝えしたいと思います。
「弾き語り」とは、楽器を演奏しながら自分で歌を歌うことです。「弾き歌い」や「弾き唄い」と表現されることもあります。
弾き語りと弾き歌いとの違いについては特にはっきりした定義はないのですが、「弾き語り」は流行りのJ-Popなどポピュラー音楽の範囲内で使われることが多く、「弾き歌い」は音楽の授業や教員採用試験、保育士試験、保育園や小学校など、先生のピアノなどに合わせて歌われることを指すことが多いようです。
ピアノで伴奏を弾きながら自分で歌えるととても楽しいので、今回はピアノでの弾き語りのコツをご紹介していきます!
もくじ
まず最初に弾き語りをする曲選びから始めましょう。
最初からとても難しい曲に挑戦するのではなく、初めはわかりやすさを重視して選びましょう。
ギターなどで曲の伴奏をするときに使われるコードとよばれるものが書いてあるサイトがたくさんあります。有名な曲や、CDとして発売されている曲などであれば大体はサイトでコードを見つけ出すことができるでしょう。その中でもご自身が好きな曲の、コードが複雑でない曲を選びましょう。ご自身の好きな曲でこの曲ってなんだか同じAメロやBメロが繰り返されているな、サビのメロディーが曲中に何回も出てくるなぁと感じる曲があれば、そういった曲は弾き語りもやりやすいと思います。ぜひ一度、ご自身の好きな曲を「好きな曲名 コード」で検索してみてください。ご自身の好きな曲のコード付きの歌詞が書かれたサイトはありましたか?
コードを初めて見た方は、これはなんだろうと思うかもしれません。最初は見慣れないと思いますが、今はまだ歌詞の上にABCDが付いているなぁと言うふうに思っていただけるだけで大丈夫です。
コードは弾き語りをするときにとても重要になってきます。今はまだ分からなくても、これから基本を覚えていきましょう。
ではまず初めにメロディーを覚えましょう!
ご自身の知っている曲だったらもうすでに覚えていると思います。しかし、あまり知らない曲や、忘れているメロディーがあったら弾き語りを始める前にしっかりと覚えてください。YouTubeなどを見ながら一緒に歌ったり、1人だけで歌ったりしてまずは自分がしっかりと音程を外さずに歌いきれるかどうか確認してください。これをせずに次に進むと、弾き語りをするときにコードに気をとられてしまい、メロディーをしっかり歌うことができなくなってしまいます。そうすると、なぜできないのだろうか?と自問自答が始まり、できない自分にイライラしてしまい、せっかくやろうと思っていた気持ちのやる気がなくなってしまうかもしれません。ぜひしっかりとメロディーを覚えてから次のステップに進んでくださいね。
皆さんはコードと言うものを聞いたことはありますでしょうか?
楽器の初心者の方や、クラシックピアノを習ってきた方はあまり馴染みがないかもしれません。
コードとは、和音を構成する音をわかりやすく記号で表したもので、主にポピュラー音楽やジャズなどで広く使われているものです。
あくまで音の構成音を記号化したものなので五線紙の楽譜ではないのですが、アルファベットや数字が書かれているだけで、五線紙と同じような楽譜がそこに存在するというものです。とても画期的で、コードを覚えてしまえば、これからの一生の音楽活動に使うことができ必ず重宝すること間違いなしです。
私はピアノ専攻ですが、ピアノの楽譜にもたまにコードが書いてあります。そこで気になったのでギターの演奏法を覚え、コードも覚えました。それと、五線紙に書いてある音符を譜読みしなくても、そこに書かれてあるアルファベットのコードだけで不思議と演奏が完成してしまうことに気づきました。
ここで簡単にコードの解説をします。
ハ長調の長音階(ドレミファソラシド)を構成する音でコードを作ると、下の楽譜のようになります。
C(シーメジャー):ドミソ
Dm(ディーマイナー):レファラ
Em(イーマイナー):ミソシ
F(エフメジャー):ファラド
G(ジーメジャー):ソシレ
Am(エーマイナー):ラドミ
Bm(b5)(ビーマイナーフラットフィフス):シレファ
となります。
このように、通常の長音階または短音階の音から成るコードを「ダイアトニックコード」といい、簡単な曲の場合はおおよそこのダイアトニックコードが組み合わされて曲が作られています。
ぜひ、上のコードを見ながら、ピアノで実際に音を出してみてください。
C(ド)~B(シ)のアルファベットの横に何もついていないものがメジャーコードといって明るい響き、小文字の「m」がついているものがマイナーコードといって暗い感じの響きになります。さらに、シレファの和音である「Bm(b5)」はちょっと不安定な響きに感じられるかと思います。
最初から3つの音をすべて弾くのは大変だという場合は、Cのドミソだったらドのみを演奏してみる、弾けるようになってきたら、ドにミを加えてみる。それでも慣れてしまったという場合はドミソすべて弾いてみると言う順番がいいと思います。そうやって徐々にコードに慣れていきましょう。
コードはほかにも何種類もあります。勘が鋭い方は先ほどのメジャーやマイナーなどのダイアトニックコードの種類の違いが、押さえる鍵盤それぞれの間隔の違いだと気づくかもしれません。コードには一定のルールがあり基本的なコードを覚えることは難しくありませんが、複雑なコードも含めるとそれだけで一冊の本が書けるくらい奥が深いので、気になる方はぜひ勉強してみてください。
次に弾き語りのためにコードを演奏してみましょう。
基本的には左手でコードを演奏します。先ほど説明した通り、最初は1音だけ、次に2和音にしてみる、次に3和音をすべて弾いてみる。この順番でやってみてくださいね。2和音や、3和音を弾くのは大変だけれども、どうにかしてかっこよく弾きたいと思っているそこのあなた。とても良い方法があります。オクターブで演奏するということです。最近の生徒さんは、手の開きが良い方が多いのでオクターブを弾ける方がいます。オクターブとは、低いドからその上のドを小指と親指で抑えることです。1オクターブ違う低いドと高いドが同時に鳴ることがわかると思います。
こうすることによって、より響きが厚く増し、かっこよく演奏することが可能になり、より初心者らしさをなくすことがでできるのでとてもお勧めです。
コードを覚えたら、次はコードを弾きながら歌のメロディーを歌ってみましょう。はじめはゆっくりスローテンポでやってみましょう。コードが変わるところでは、歌詞の上または下にそのタイミングで鳴らすべきコードが書いてあります。その通りにコードを弾いてみましょう。
ちゃんと弾けていれば、歌に合ったコードを気持ちよく弾くことができているのではないでしょうか。
なんとなくコードが違うような気がしたり、入るタイミングがわからない場合は、もう一度曲をYouTubeやCDなどで聴いて、雰囲気が変わる場所は歌詞のどこなのかということを気にしながらメモをしておきましょう。
たまに、サイト上に書かれているコードの方が間違っているという場合もあります。
書かれている通りにコードを弾いているのに、なんか間違っている気がする…という場合は自分で合うコードを探してみるのもよいでしょう。
最後までできたらとても素晴らしいと思います。
弾き語りはかなり脳を使うことなので、最初はできなくて当たり前なのですが、うまくできるところもあったと思います。そういう時はできないところを繰り返し何度も何度も練習をしてみてください。そして、できるところとできなかったところを組み合わせて何回も練習をしてみてください。ワンフレーズごとで大丈夫です。少しずつ繰り返し何度も練習することで、徐々にゴールに近づいていく感覚があるはずです。
歌を歌いながら手を動かすのはとても大変だと思いますし、私もそんなに得意ではありません。しかし自分が好きな曲なら頑張れますよね。ぜひ自分がアーティストになった気分で歌ってみてください。
何度も何度も練習をしていると、左手や脳が次はどこの鍵盤を触るか覚えてきます。そのように左手の演奏がだいぶ上達してきて、口で歌も歌いながら弾くことができるようになってきたら、次にすることは周りの目を気にせずに歌うことです。
家族がいたり、友達がいると少し恥ずかしいかもしれませんが、全く気にする必要はありません。自分だけで歌うよりも、他の人に聴いてもらっていた方が自分が間違えないようにと気をつけますし、少々緊張感を持ってやることもとても大切だからです。ここまできたら本当に凄いと思います。歌についてはAメロは優しく歌う、サビは大きな声で一生懸命歌うと言うような強弱をつけて歌うと演奏に深みが出ます。また伴奏も、歌と一緒に弱くしたり強くしたりより感情を表現して歌ってみてくださいね。
最後は歌えるようになった方へのアドバイスです。
少しややこしいと感じるかもしれませんが、練習していた曲のYouTubeなどを流しながら一緒に演奏を合わせてみることをおすすめします。
コードが合っているか最後のチェックにもなりますし、そして何より音が増えてとてもかっこよくなり、ミュージシャンになったような気持ちになることができます。
せっかく弾けるようになったので、演奏動画を撮ったりSNSにあげたりして、他の方から評価をもらうのも楽しみのひとつですね。生徒の皆さんがよくやるのは、登場のシーンから始めて椅子に座って歌い出すという流れを動画で撮影されていて、とても楽しそうに歌を歌っているのでこちらも楽しい気分になります。おうち時間のストレス発散にもなると思いますので、ご興味がありましたらぜひやってみてくださいね。
今回は、弾き語りの曲選び、簡単なコードの解説、練習の際に気をつけるポイントなど話して参りましたがいかがでしたでしょうか。ピアノを弾きながら歌えるようになると音楽をもっと楽しめると思います。
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