ピアノやギターを心行くまで練習したいけれど、騒音が気になり集中して練習ができないという人は多いはず。
特に賃貸物件となると、両隣や上下階の住人に配慮するのは当然のマナー。しかし、防音設備のある物件の賃料は総じてお高め。これまで楽器や歌の練習をする際には、カラオケボックスやレンタルスタジオを借りるのが常でした。しかし最近、防音設備のある楽器可のシェアハウスが東京都内を中心に増えています。建物内に防音室があるとなれば、いつでも気軽に楽器や歌の練習ができちゃう!しかも、音楽好きの仲間もできる!?その実態にぐぐっと迫ってみました。
もくじ
シェアハウスは一軒の家を、複数人でシェアして住む新しい住居スタイル。
リビングやお風呂は共有で、プライベート空間として自身の個室がある場合や、個室をさらにシェアするタイプなど、さまざまです。多くのシェアハウスでは賃貸料に光熱費やインターネット料金が含まれており、家具が備え付けられている場合もあります。概ね賃料は一般的なアパートやマンションと比べると安価で、都心でも月々の生活費を抑えることができるのも魅力のひとつです。
個室以外は共有スペースなので、ほかの同居人に気を遣う必要はありますが、逆にいえば多くの人とのコミュニケーションが生まれ、暗い部屋に一人寂しく帰るという状況からは解放されるので、一人が苦手だという人にもおすすめです。
文字通り、施設内に防音室があるシェアハウスが増えつつあります。シェアハウスの住人であれば無料で利用することができ、一人で使用する小さな防音室から、セッションやバンドのリハーサルにも使用できる大きなハコまでタイプはさまざま。
単純に防音設備があるだけではなく、アップライトピアノやグランドピアノ、ドラムなどの楽器が置いてあるところもあるほど。楽器を持っていなくても、練習することができるという至れり尽くせりのところもあります。
時間や音量を気にすることなく、しかも同じ建物内なので移動もラクラク。楽器や歌好きの人にはうってつけなのです。
今回は、2017年2月に東京都調布市に誕生した「Tigri(チグリ)調布」を取材しました。Tigri調布は、「Acqua(アクア)」という青を基調とした棟と「Rosso(ロッソ)」という赤を基調とした合計2棟のシェアハウスと、緑色をベースにした「Oliva(オリヴァ)」というアパートの合計3棟が同じ敷地内に建てられたコミュニティビレッジです。
その中の「Acqua」棟のコミュニケーションルームに2つの防音室があり、3棟の入居者は、誰でもコミュニケーションルームと防音室を利用することが出来ます。
「オーナーの方が楽器(フルート)を演奏する方で、防音設備のあるシェアハウスを作りたいという要望から誕生しました」と話すのは、管理会社である株式会社ゼストの市川さん。
防音室は1人で使用する小さめの部屋と、複数人が入れるカラオケ設備付きの2部屋。想像以上に反響が大きく、2月にオープンし、すぐに部屋数の半分もの入居希望があったそう。やはり音量や使用料を気にすることなく楽器や歌の練習ができることに、魅力を感じる人が多いようです。
防音室の予約はインターネットで取ることができ、ほぼ毎日予約が入っていますが、空いている時間が一目でわかるので、希望の時間に簡単に予約を取ることが出来ます。予想では入居者にはカラオケの需要があるとみていましたが、実際にふたを開けてみると小さい方の部屋の人気が高く、楽器の練習やボイストレーニングに使っている方が多いとのこと。
なおTigri調布にはコミュニケーションルームもあるので、音楽好きの仲間で大いに音楽談議に花が咲くかも!? それぞれの部屋には、オリジナリティあふれるクロスが貼られているのも特徴。入居者の女性が多いという背景には、このかわいらしいインテリアも関係がありそうです。
いつも音を気にしながら、こっそりと楽器の練習をしているアナタ。堂々と、のびのびと音を出せる環境を求めて住まいにシェアハウスを選ぶのもおすすめですよ。
取材協力/Tigri調布
https://www.tigri-chofu.com/
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