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AUG,2020
AUG,2020

EYSプロデュースオリジナルフラメンコギター<Alma Blanc>のご紹介!

# 楽器

投稿者 :佐藤拓也

みなさん、こんにちは!2nd Community(旧:EYS-STYLE/ブランドとしてはEYSの名前を引き続き使用)広報です。これから新しい楽器をはじめようと思っている方はもちろん、すでに何かの楽器を学んでいる&演奏している方も!新しい楽器を買おうとする前に、ぜひEYSオリジナル楽器を知っていただきたいと思います。

EYSオリジナル楽器は、どれも楽器製作のプロフェッショナル達が、素材の選定から楽器の仕様、そして製作工程の一つひとつにこだわり抜いた一品です。

シリーズ『EYSオリジナル楽器STORY』は、オリジナル楽器こだわりの仕様とともに、楽器へ込めたEYSの想いも知って頂く企画です。この記事をきっかけにみなさんが抱くフラメンコギターのイメージが広がっていったら嬉しいです。

※ギターでは他にも、クラシックギターアコースティックギターエレキギターをリリースしております!

フラメンコギターの魅力とは

軽快で明るく、歯切れのよい音色が特徴のフラメンコギター。フラメンコダンサーの傍らでかっこよく演奏しているのをイメージする方も多いのではないでしょうか。フラメンコギターは、ナイロン製の弦を指ではじいて弾くギターです。ナイロン弦を弾くという意味ではクラシックギターも同じ。でもクラシックギターとは、使っている木材の種類やサイズ、箱の中の構造なども少しずつ異なっているんですね(フラメンコギターの方が胴の厚みが少し薄かったりします)。演奏スタイルも、弦をかき鳴らしたり表板を指先で叩いたりと、フラメンコギターはちょっと激しめ。音の余韻を愉しむというよりは、音の歯切れの良さが最大の魅力!スペインの人々の情熱を体現する、そんなギターです。

とはいえフラメンコギターだからフラメンコの曲しか弾けない、ということはありません!クラシックも、ロックも、ポップスもなんでもOKです。思い立った時にすっと構えて、指でそのままポロロン~と音を奏でられるお手軽感も魅力♪部屋にさりげなく置いて、音楽ライフをより豊かにヴァージョンアップ!なんていうのも素敵です。フラメンコギターならではの音の魅力や特長を感じながら、あなたらしく楽しんでください!

EYSがフラメンコギターを作る理由

「なぜ作る?」EYSオリジナル楽器

「音楽教室」のEYSが、オリジナル楽器の製作にこだわる理由は、これまでのブログでもご紹介をさせていただいた通り。少し振り返りますと、実はEYSには楽器製作販売事業部があり、オリジナル楽器の製作や、楽器の価格比較、販売サイト「オトリエ」の運営を行っています。

世の中には様々なメーカーの楽器が販売されていますが、EYSは「楽器の値段は掛け値なしの正味の価値に合っていない」と考えています。つまり、楽器本来の素材・加工技術・品質からすると、もっと安い値段で買うことができるはずということです。

では楽器の値段はどのように決まっているのか?

それには、ブランド名やアンティーク的価値、そして装飾やデザインという要素が大きく関係しています。また、販売経路によってはその間で発生する手数料等でも値段が変わります。

でも、これらの要素は楽器の本質的な価値とは関係がありません。例えば、同じ工場で作られた全く同じ楽器であれば、ブランド名が刻印されているからと言って、音や操作性は何も変わりませんよね。

EYSではこれらの要素ではなく「素材と部品」と「加工技術」こそが、楽器本来の価値であると考えています。

楽器製作販売事業部では、この品質と価格の関係を明確にし、価値に見合った適正価格で楽器を提供することを目標に、楽器製作に取り組んでいるのです。

詳しくはこちらのエレキギター誕生記事を御覧ください!

引き継がれる高い技術力が誇り。 メイドインスペインのフラメンコギター

EYSオリジナルフラメンコギターは、1944年創業のスペインギター伝統メーカーである「エンリケ・ケラー」のものです。ドイツのビジネスマンだったケラーは、スペインへ移住し木製のおもちゃ作りをして生計をたてていました。ある日ドイツの友人が彼を訪ね言ったのです。「スペイン製のギターは、ドイツでも有名でたくさん売られている。手先が器用でセンスもあるあなたが、スペインに住んでいるのにも関わらず、なぜギター作りをしないのか」と。その言葉にケラーは一念発起!そこから彼のクラシックギター、スペインギター作りへの挑戦が始まりました。

現在、ケラーの技術を引き継ぐのは、ひ孫のあたる4代目のアレックス氏。130人もの職人を抱え製作していた時期もあったといいますが、現在は工房の一部を機械化し、安定品質での製作を可能とすることで生産の効率化に成功。職人数十名の体制で世界の市場に向け、生産に励んでいます。

アレックス氏は言います。「伝統の技術を引き継ぎ、スペインのフラメンコ文化に関わることができるこの仕事は、私たちの誇りです。そしてその技術を活かし新しいモデル製作も意欲的に取り組んでいきたいと思っています」。

EYSオリジナルフラメンコギター< Alma Blanca>の特徴をご紹介

透き通る素肌のような木目が美しい。白いギター

フラメンコギター発祥の地であり、クラシックギター発展の地と言われる「スペイン」。そのスペインで生まれたEYSオリジナルフラメンコギター< Alma Blanca >は、エンリケ・ケラーの熟練工たちの眼にかなった材料だけを用い、ネック部分は、サイドから裏板に沿って接着するスペインの伝統的な「スパニッシュヒール製法」で製作しています。これによりフラメンコ特有の軽やかで張りのある音の響きと、まとまりのあるコードを奏でることができます。

熟練工たちの確かな目と技術、そして安定品質を生み出す機械化が良い形で絡み合い、コストパフォーマンスの高い製品を生み出すことに成功しています。

音色に影響する木材は、熟練の職人たちが厳選したもの。表板はスプルース(松)で、横板と裏板はシープレス(糸杉)です。白く輝く明るい木目の美しさと、透き通った素肌のような色が際立つデザインは秀逸。高いデザイン性、インテリア性にも注目。厚みを抑えたコンパクトボディで、いつでも手に取り、気軽に愉しみたくなる逸品です。

ハイグロフィニッシュによるサイドと表板・裏板。明るい音色のフラメンコギターに合わせた、艶感のある木目の美しい仕上げ。表板にはスプルース材を使用し、バランスの良い音量で表現できます。

弦高は12フレットから約4ミリのスタンダード仕様です。初心者の方でも弦を押さえやすく、クリアな音質を楽しめるセッティングです。

フィンガーボード(指板)は、音の伸びが良いエボニー(黒檀)を選定。

高品質で名高いSAVAREZ社製の弦と、インディアンローズウッドのブリッジの標準仕様。

スペインのフラメンコを意識した赤のロゼッタがアクセントに。

「家族愛」に満ちた温かい音色を奏でるフラメンコギター

エンリケ・ケラーのホームページの中に、『当社の社員たちの力は、間違いなく当社の歴史作ってきたと言えます』とあります。エンリケ・ケラーでは、社員それぞれのファミリー(親子)がいくつもの世代にわたり、職人として会社を支えるスタッフとして一緒に働き、エンリケ・ケラーの技術を引継ぐと共に発展させてきた、というのです。

親子が同じ職場で働くことは、スペインでは珍しいことではありません。以前スペイン・バレンシアにある工場を取材したことがありますが、やはり多くの親子が同じ職場で、職場の先輩である親が後輩である子に仕事を教え、共に働く姿が当たり前のようにありました。スペインでは若者の多くが大学卒業後も実家やその傍に住み、地元で仕事を探すといいます。週末には必ず家族で集まり食事やレジャーを愉しみ一緒に過ごす。それだけファミリーのつながりが強いお国柄なんですね。そのような生活の中で両親の仕事を誇りに想い、自分もそのような人になりたい、技術を身に着けたい、と同じ仕事を選ぶことはごく自然のことなのかもしれません。

そんなスペインの人々の持つファミリーの深い絆が、エンリケ・ケラー社のスペイン製ギター製作に生かされてきたのです。「家族愛」というその幸せな空気をまとったEYSオリジナルフラメンコギター< Alma Blanca >で、ぜひ愛情あふれる音色を奏でていただけたら嬉しいです。

以前取材で訪れたヴァレンシアの楽器ケース工房の経営者親子(左から長男・母親・長女)。こちらの工房でも、結婚後も実家の近くに住み、父親含め皆仲が良く、親から子へと その技術を 継承していました。

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
大手楽器メーカーで34年勤務し楽器の企画・開発・マーケティング・営業、そして3カ国10年の海外駐在でマネージメントを経験。昨春2nd Communityに入社し品質改善や商品企画を担当。現在新作エレキギター・電子ドラムのローンチや、イタリアの工房と共同でヴァイオリンの制作にも取り組んでいる。