前編から続いています。
ところで、キーボードというのはキーを押したらサンプリング音が流れるものです。
音源は名器といわれるピアノの音を使っている事がほとんどで、キーボードの価格は音源と音源の多様さと、再現するためのスピーカーのレベルで決まるといわれます。
さて、本体10万円のキーボードのスピーカーが出す音のレベルとピアノの出す音をいったいどう比較すればよいでしょうか。
大手楽器メーカーのキーボードの高級機種は100万円を超えるような値段です。
自分の指が押した鍵盤がハンマーを押し上げて弦を叩きそれが反響板に伝わり、反響板が空気を振動させて音となるのがピアノの仕組みです。
自分の小さな指が大きなピアノという楽器を振動させるのです。
大人になって自分の意志で新たにピアノに取り組もうというなら、きらびやかではあるけれど誰が弾いても同じ音のサンプリング音を奏でるより、本当の意味で自分の出す音を慈しむ方が、大人のピアノレッスンにはふさわしいかもしれません。
古いピアノのメンテナンスを久しぶりに行う際は
といった点も検討した上で判断するとよいでしょう。
最後にひと言。
久しぶりに調律したピアノは音が狂うのが早いです。
通常の調律は1年に1度ですが、放置されて後に手入れを受けたピアノに関しては、半年後にもう一回調律をと言ってくるかもしれません。
これは無駄な費用を取ろうとしているわけではありません。お願いした方が良いと場合も多くあります。
そして そういう状態のピアノの音の狂いをなるべく防ぐのは、何よりも「弾くこと」なのです。
家にあるあなたの旧友と、またこの機会に仲良くしてあげてくださいね。