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SEP,2021
SEP,2021

初心者のためのピアノの基礎練習

投稿者 :しょうこ

ピアノを始めてみたけれど、正しい姿勢で弾けているか分からなかったり、手の形は合っているのか、椅子の高さは合っているのか、どんな練習をしたら上達できるのか…と疑問に思ったこともあるのではないでしょうか。

私の生徒さんの中にも、体がとても折れ曲がって弾くことに集中して猫背になってしまっている人がいたり、足を組みながら演奏している人がいたり、手首の角度が反対になって弾いていたりと、ここをもっとこうすればきっとうまく弾けるのになぁと思うことがよくあります。しかしそれを伝えてもその3回後には既に忘れており、楽譜通り弾かなければならないと言う気持ちで頭がいっぱいになってしまっているなぁと言う印象があります。

今回はそんなピアノを弾く上で大切な、基本的なお話をしたいと思います。

姿勢、指の形

姿勢はもちろん猫背ではダメです。自分がステージで演奏するピアニストになったようなイメージで椅子に座ってください。おそらく、猫背で弾こうというふうに思うことはないはずです。自分はとても姿勢よくピアノ弾くことができる演奏者だと言う気持ちを常に忘れずに基本を作っていきましょう。

まず、椅子の高さを合わせましょう。椅子によって調節方法は違いますが、自分が座って横から見た状態で背筋を伸ばして坐骨に座れるような椅子の高さに調節しましょう。自分がどの高さがいいかビデオに撮り、その高さを覚えることもお勧めです。そして上半身がしっかりと伸び一本の糸で天井から吊り下げられているようなイメージで力を入れずリラックスをしてください。

腕の角度は腕を軽く持ち上げて、指先を鍵盤の上に置きます。あなたにとってピアノが弾きやすい位置に腕が来るように椅子を前後に調節し、浅すぎず深すぎないように腰をかけましょう。また肘と体の関係は脇を締めすぎたり、開きすぎたりしないようにやや開く程度にしましょう。指は手の中に卵が入るようなイメージで、各指が1本ずつ単独で自由に動かすことができるように力を抜いて鍵盤に手を置きましょう。

バーナムを弾く

バーナムピアノテクニック

バーナムはピアノテクニックの導入書です。

こちらは初心者やお子様の音楽性を豊かにすることを重点に置いたテクニックの本です。この本によって、柔軟性のある指を作りながら同時にピアノの基本的なテクニックを習得することができます。短い小節の曲が多いのですが、どの練習も一つ一つが体操や運動に例えられていて、スケール、アルペジオ、和音、オクターブ、半音階、装飾音、トリルなどの練習として程度に応じてたくさん紹介されています。従来の指の練習のための本は同じ形を何度も繰り返す種類のものが多かったのですが、それらは音楽的にも何も表現しておらず音楽家として成功するために必要な想像力や繊細な感覚を失ってしまう恐れがあったため、このようないろいろな練習が入った導入書をおすすめしています。

徐々に1歩ずつ着実に上手くなっていくので、ピアノ初心者にはとても人気な本です。

ハノンを弾く

ハノン

最近はピアノが弾けると言う人がとても増えてきましたね。その中でもしっかり練習してきたんだなと言う人と、そこまで練習していないんだなぁと言う人の違いがあります。せっかく練習するならしっかりと練習した人なんだなぁと思われたいですよね。ハノンをやっていない人はあなたがやりたい曲の中の所々に、勉強不足や、不正確さが演奏にポロポロと出てきてしまいます。

一番の違いは左の指の薬指と小指がほとんど使えているか、一つ一つの指が独立して演奏することができているのか、という点です。

あなたは今まで、左手の薬指と小指を1秒間に12回パタパタと交互に筋肉を使って動かしたことはありますか?

一般の方はおそらくないのではないかなと思います。なのでその筋肉はとても弱いと言うことになります。その筋肉を鍛えなければ指を動きやすくすることもそれぞれ独立させることも指の力をつけることもできません。ピアノを弾くための筋肉をつける近道はハノンです。

ぜひやってみましょう。

ブルグミュラーを弾く

ブルグミュラー

ピアノがある程度弾けるようになってくると、ブルグミュラーは発表会で演奏されることがとても多いです。有名な「アラベスク」や「乗馬」という今まで耳にしたことがある曲がたくさん入っています。コンクールで弾かなければならなかったり、発表会で弾くだけだから、全てを弾く必要は無いとおっしゃる先生もいますが、本当は全て練習したほうがいいです。中でもご自身が得意な演奏法が詰まった曲は省いてもOKです。あなたが苦手とする奏法がたくさん入っているものを練習すれば、あなたのレベルアップにつながります。とはいっても自分だけで練習していては分からないと思います。お手本の演奏を聞いて、自分の演奏は録音をして聴き比べてみてください。あなたの演奏とお手本の演奏の違うところを徐々に減らしていくと上手くなりますよ。

本格的にピアノの演奏を楽しみたければ、ここに挙げたような有名な練習曲を弾くことが着実な上達につながります。

音の少ない有名な曲を練習する

初心者の方は、ハノンやバーナムなどといった基礎練習が終わったら、音の少なくて、今まであなたが耳にしたことのある曲を演奏してみましょう。「きらきら星」や「喜びの歌」「ジングルベル」などわかりやすい曲が入った楽譜があります。大人の方には「大人のためのピアノ悠々塾」という楽譜がおすすめです。ある程度指が動くようになったらこちらをやると楽曲作りを楽しめます。この本は強弱をつけた指遣いが入ってきます。リズムも少しだけ入ってきますが皆さんがご存知の曲が多いのでリズムを難しく感じることもなく、弾きやすくとても人気なのでお勧めです。最初のページに指のトレーニング法なども載っていて、ピアノを弾いていない時にも手のトレーニングができるのでいいですよね。グーチョキパーを繰り返しやってみたりグーチョキ、キツネ、パーを繰り返しやってみたりしててピアノを弾いている時以外にも指の筋肉のトレーニングをするということもお勧めしています。

やりたい曲の簡単バージョンをやる

初心者だからやりたい曲はまだできないかなぁと諦めているそこのあなた。確かに初心者は基礎の練習も大切ですがそれだけではモチベーションが上がらず退屈してしまいます。

なので私は、あなたのやりたい曲の簡単バージョンをやったり、YouTubeなどで聴いて簡単バージョンに編曲したりします。あなたのやりたい曲の初心者用と言う楽譜が売っているかもしれないのでぜひ探してみてくださいね。その楽譜の音をまた減らすかもしれませんが、先生にその楽譜を渡してみてください。音を少なくしたりすると、たまに自分がやりたいアレンジと違うとおっしゃる方がいますが、やることが多いバージョンだと、Aメロ、Bメロ、サビにたどり着くまで1年ぐらいかかってしまいます。それよりはもっと早くサビに到達して楽しんで欲しいのでそのようにしていますよ。もっと難しいバージョンはもう少し上手くなってからできるようにしていったらいいと思います。

とにかく練習、ピアノと触れる時間を作る

よくどういう練習したら上手くなりますか、どうやったらYouTubeで弾いている人のようなピアノの演奏ができますかというふうに聞かれます。その答えは1つです。どれだけ練習をする時間を増やせるかです。

あなたは得意なことがありますか?あなたが得意なことを友人がどうやったら上手くなるか教えて!と言ってきたとします。あなたはどのように答えますか?まずは、それと向き合う時間をたくさん作る、そして基礎を覚える、基礎を何回も繰り返して覚える、どんどん難しいものに挑戦する、の繰り返しではないでしょうか?そのものと触れ合う時間をなるべく多くすることによってできる範囲が徐々に増えていきますよね。

ピアノもそれと全く同じです。1週間で10分しかやらない人と、毎日2時間やる人では、ピアノに向き合う時間が違うので上達ももちろん変わってきます。上手くなりたいのであればぜひ、ピアノの椅子に座る習慣をつけましょう。

弾けない場合

早く弾けるようになりたいと言う気持ちだけで進んでしまい、なかなかうまく弾けない方がいます。そのような場合は焦らず、ゆっくり片手ずつ弾いて片手ずつで覚えましょう。

練習は大変ですがゆっくり片手ずつ弾いて曲を覚えて反復練習をし、右手左手それぞれ弾けるようになったらゆっくり両手で合わせて、それも確実に弾けるようになったら、徐々にテンポを速くしていきましょう。いきなり速くするのではなく微妙に少し早くなったくらいかなのレベルで大丈夫です。メトロノームを使うとより正確に速くなっていることが確認できるのでとても効率的です。

終わりに

ピアノをやってみたいけどピアノがなくて練習ができない方もいらっしゃるかもしれません。

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まとめ

今回は、基本姿勢、指の使い方、おすすめの練習曲、有名な曲を練習する、やりたい曲の簡単バージョンをやる、とにかく練習、など説明して参りましたがどのように感じたでしょうか。
この記事を読んで、より、ピアノの演奏を楽しんでいただけたら幸いです。ぜひ新しい趣味を増やして一生の思い出もたくさん作ってくださいね。そしてたくさんの好きな曲を見つけて練習をしてみてください。ピアノを少しでもやりたいと思ったあなたは、ぜひ一歩を踏み出してください。

人生は1回きり。せっかくなので人生やりたいことに挑戦してみてはいかがでしょうか。少しでもあなたの役に立てていたらうれしいです。

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
4歳からピアノを始める。 平成17年19年 日本ピアノ教育連盟奨励賞受賞。 平成22年 上位5名のみ演奏できる卒業演奏会にて演奏。 平成24年 副科で長唄三味線を始める。 平成26年 名古屋まつりや太閤花見茶会にて長唄三味線を演奏する。 大学在学中様々な楽器の伴奏を日本各地で行う。 卒業論文「初学者のための楽器研究」作成。 中学校教諭一種免許状(音楽)取得。 高等学校教諭一種免許(音楽)取得。 名古屋音楽大学音楽学部卒業。