EYS音楽教室には「大人になってから楽器を始める」会員様も多くいらっしゃいます。
「楽譜なんてさっぱりです…」という方や、「音楽の授業などでなんとなく楽譜の読み方は習ったけど正直苦手」という方も。そんな方のためにも極力「専門用語」や「厄介な楽譜」を避けてレッスンしていますが、それでもある程度の段階からは楽譜を読むことを避けて通れなくなります。大人になってから音楽を始めてドレミがスラスラ読めるようになる…… そんなことってあるのでしょうか?
もくじ
さて、冒頭でも書かせていただいた通り、私のレッスンでは極力「初めて楽器を弾く」&「初めて楽譜を読む」ことが同時に起こらないようにしています。これはなぜかというと、講師としての経験上、「大人になってから改めて音楽を始める方」にとっては楽譜が大きな「壁」となって立ちはだかることが多いからです。
特に私の担当楽器はコントラバス。音楽に詳しい方ならご存じかもしれませんが、市販の楽譜や教則本のほとんどが「ヘ音記号」という低音部記号で書かれており、ほとんどの方は
「読めない…」
とおっしゃいます。
通常多くの楽器で使われる「ト音記号」楽譜ですら、多くの方にとっては「学校卒業以来」になることが多いので、「楽譜を読む」のは非常に大変です。
ですので、私のレッスンでは基本的な楽器の持ち方や音の出し方をご説明した後は、まず
「ドレミを口ずさめる曲」を練習してみるようにしています。
例えばキラキラ星を「ドドソソララソ ファファミミレレド」と歌える方は多いですよね。そんな曲から始めています。
ですが、やはり楽器を始めるからにはいろいろな曲を弾いてみたいですよね。
自分が知っている曲でも、例えば出だしの有名なメロディー以外は覚えていないことも多いです。人と合奏をしたりするようになったらメロディー以外の音を弾くこともありますね。そんな時は楽譜を読んでいくことになります。
さて、少し楽譜が怖くなってしまったかもしれませんが、楽譜とはそもそも何なのでしょうか。楽譜は演奏者にとっても道しるべ。弾くべき音程(ドレミのことです)、音の長さ、休みがある場合はその長さ、音の強弱や速さ、リズムなど、曲を演奏するのに必要な情報がたくさん書かれています。
とはいえ、まっさらな楽譜をそのまま使う人はそう多くなく、多くのプロ演奏者も自分なりの「書き込み」をしながら練習をしています。今ではスマートフォンを見ながら旅行をする方もとても多いと思いますが、私はこれをガイドブックや地図に書き込みをしながら旅をしていくような作業だと思っています。
プロの演奏者や上級者は、楽譜に自分が感じたあるいは共演者と共有した、音楽的な要点を書き込みます。つまり楽譜にない情報を書き込んでいっているわけです。でもそれだけではなく、時には「特に注意しなければならない箇所」にマークを付けているのです。これは楽譜に書いてある情報を自分なりに読みやすく工夫しているのです。
つまり、楽譜というのは「自分なりに読みやすく工夫」をしていいものなのです。
弦楽器やピアノでおさえる指の番号などを書くこともありますが、それよりももっと初めの段階では恥ずかしがらずに「ドレミ」を振ってみましょう。
例えばこんな楽譜も…
こうなっていれば読みやすい気がしませんか?
はじめのドの位置をつきとめたら、初めのうちは順番に数えていけばいいと思います。もちろん実際には手書きで大丈夫です!
どんな難しく見える楽譜もドレミを読んでいくことから紐解いていけば、読み進めていける気がしませんか?
もちろんドレミだけではなく、いろいろなマークのつけ方があります。これは楽器によっても様々。とにかくはじめはまっさらな楽譜にいろいろと手を加えて自分なりに読みやすくしてしまいましょう。
自分の力でドレミを振っていくと、ある時期にすべての音にドレミを振らなくてもなんとなく読めるようになったり、あるいは、すべての音をドから順番に数えなくても、感覚的に読めるようになってきます。これは知らない言語を学んでいくことに似ています。
そうなったタイミングで次に進むなら私は「色音符」をお勧めします。
実は色音符は子供に楽譜を読む方法を教える方法としては日本ではポピュラーです。一方でネット上などではいつまでも色を付けているとなにも書いていない楽譜を読むのが遅くなる、など反対意見も見られるものです。
しかし、大人の方が感覚的に音符を読めるようになっていく過程でこのような方法は、ある程度有効ではないかなと思っています。
全ての音に色を付けなくても、例えばドを赤、ソを青でマークすると、このように何も手がかりがないよりは読みやすいものになりませんか?
しかも全部ドレミをふっているよりはだんだん元の状態で読めることに近づいている気がしますね。
もちろんこの二つの音だけではなく中間のミに緑色を入れてもいいと思います。厳格なルールを設け過ぎずに少しずつ楽譜と友達になっていきましょう。
さて、ここまででなんとなく感覚的に楽譜が怖くなくなってきたら、今度は何のマークもふらずに弾きたい曲をドレミで歌ってみましょう。
例え全く知らない曲でなくても改めて歌ってみるとつまづくところなどが出てきます。そこが現在自分にとって「読みづらい箇所」になってくるので、今度はその部分は「注意が必要な点」としてマークして読めるようになっていけばいいのです。とはいえ、この時点でかなり楽譜が読めるようになってきているといっていいでしょう。
何曲もこれを繰り返しているうちに見たことのない知らない曲でも楽譜をみて音が弾けるようになってきます。これが「初見」と言われるものです。ただ、「初見」はあくまで上級者向けのもの。はじめての楽譜がドレミである程度歌えれば堂々と
「楽譜読めます!」と言ってしまっていいのではないでしょうか。
もちろんこのステップを踏んでいる間、楽器を練習してはいけないなんてことはありません!しかし、前半でも書いている通り、初めての楽器を慣れない楽譜を読みながら練習するなんて本当に大変ですよね。曲は何度も弾いたり聴いたりしたら覚えても来ますし、弾けるものから徐々に弾いていけばよいのではないかなと思っています。
さて、いかがでしたでしょうか、なんとなくなんだかわからないけど怖かった「楽譜」が少しづつ身近な存在になってきたでしょうか。
ここまで書いておいて書きづらいのですが、実は、
「楽譜を読むこと」は必須ではありません。
その証拠に有名な音楽家が「実は楽譜が読めません」という話はよく聞きますよね。
楽譜を読めなくても「耳で覚えてしまう」という天才的な行為です。でもそこまでいかなくても音源や動画、先生のお手本を聴いたり、徐々に自分で弾いて曲を覚えて楽譜と照らし合わせていくというのも一つの手段です。
また、音楽のジャンルによってはギターやベースは「タブ譜」と呼ばれるものを使っていたり、ジャズの奏者は「コード」というものを見ながら演奏するのでそもそも楽譜を見ても自分が弾く音が書いていなかったりもします。
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いずれにしろ大人になってから音楽を始める方の目的はまずは「音楽を楽しむ」ことかな、と思っております。私たちEYS音楽教室では「大人になってから音楽を始める」方を大歓迎しております。様々なジャンルの講師が楽器の持ち方、楽譜の読み方から丁寧にレッスンさせていただきますので、是非体験レッスンにいらして下さいね。
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