作詞は自身の“空想力”と“語彙力”だけで勝負できるものの、作詞上の基礎知識やコツを押さえていないと、独りよがりなポエムになってしまいがちです。今回は、「曲先作曲」における詩の書き方と、初心者でもすぐに試せる作詞テクニックをご紹介します!
「曲先作曲」とは、既存のメロディーに言葉をのせていく方法であり、“曲ありきの作詞”であるともいえます。作詞は楽曲に命を吹き込む大切な作業ですから、メロディーに対して漠然と言葉を並べてもうまくいきません。まずは以下のポイントを押さえることから始めましょう。
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もくじ
まずは「リスナーに何を伝えたいのか?」ということを念頭に置きながら、大まかなテーマを考えることから始めましょう。例えば、バラード調の楽曲なら恋愛ものが定番ですが、さらに掘り下げて片想い・結婚・失恋・すれ違いなど、細かいテーマに分けることができるはず。あらかじめテーマを固めておくことで、言葉の選択に迷いがなくなります。
歌詞に登場する「登場人物」や「時間」、「場所(シチュエーション)」、「ストーリーのオチ」を考えて設定しましょう。女性が主人公の恋愛ものなら、どのような場面で誰と出会って、どのような恋をするのか。その結果、恋愛が成就したのか、それとも失恋したのかなど、最終的なオチまで決めておくのがオススメです。
これらを全て歌詞に反映させる必要はありませんし、オチはリスナーに想像させるというテクニックもあります。大切なのは、リスナーが「わかりやすい世界観・ストーリー」に仕上げることです。
作詞に欠かせない要素が「客観的視点」です。自分の想いを一方的に詰め込むのではなく、“誰かの目線”で作詞をすると、リスナーの共感が得られやすい内容になります。
例えば、自分の恋愛観や過去の恋愛を歌にするのも良いですが、具体的な事情を知らない人がそれを聴いても中々共感できないでしょう。それよりも、空想の恋を想像して歌にした方が、リスナーも自分と重ねやすいのです。完全なる主観で作詞するとポエムに近い仕上がりとなるので、常に他人目線で言葉を選び、楽曲の物語を作り上げましょう。
作詞の3大ポイントを学んだところで、曲先作曲における具体的なテクニックをご紹介します。
高い語彙力があれば1つの物事をさまざまな言葉・視点で表現することができますが、それができる人はごく僅か。言葉の引き出しが少ないと実感している方は、「連想法」を使ってバリエーションを広げていきましょう。
やり方はとても簡単。例えば、紙に「夢」というキーワード書いて、そこから連想する言葉をひたすら書き出してみてください。
などなど、「夢」というキーワードと似て非なる言葉が思いつくはず。
実際に作詞していると、「この言葉では音数が合わない。もう1文字欲しい!」という場面に遭遇することがあります。そういった時には、“限りなく意味が近くて文字数の違う言葉”に置き換えると解決するものです。
どうしても思いつかない方は、インターネット上で利用できる「類語辞典」をお試しあれ。入力したキーワードの類語を調べることができるので、作詞で大活躍してくれるはずです。
中学生の頃、国語の授業で「倒置法」という文法を習った記憶はありませんか?言葉の順番を入れ替えることで、その意味合いを強調する倒置法は、作詞で大活躍します。例えば……
「いつかきっと、きみに会いに行くよ」
というフレーズを倒置法にすると。
「きみに会いに行くよ。いつかきっと」
となりますが、一気に“歌詞感”が増したような気がするかと思います。もし音数の関係で盛り込みたいフレーズが入らない場合は、言葉の順番を入れ替えるとうまくはまることがあるので覚えておきましょう。
何度も曲をリピートし、その瞬間に閃いた歌詞で歌ってみると意外と良いフレーズが生まれるもの。実際、この方法で作詞しているプロアーティストも多いといいます。
筆者も曲先作曲で仮音源を作ってから作詞に取り組むタイプですが、どうしても良いフレーズが浮かばない時は、適当に思いついた歌詞を入れてひたすら歌っています。その中で一番しっくり来るフレーズを見つけたらメモし、次のメロディーに取りかかるという流れです。地道な作業ではありますが、何度も繰り返す内に“響きの良い言葉”が見つかるはず。是非お試しください。
「何度やっても歌詞が浮かばない……」という時は「Ah~」や「Uh~」で誤魔化してしまうのも手。さすがに全てのメロディーを置き換えるのはまずいですが、各セクションの最初や最後(Aメロの最初・最後のメロディーなど)なら誤魔化しも効きます。
同様に、“ラスサビの歌詞を1番サビと同じにする”のも有効。1番および2番のサビが一緒だと違和感がありますが、ラスサビなら全体にまとまりが生まれるほか、終盤感も演出することができます。
詞に対する考え方は人それぞれ。現代の音楽業界では曲先作曲が主流となっており、メロディーのキャッチーさを重視するあまり、適当に言葉を並べただけの曲も少なくありません。だからこそ、「メロディーは良いけど、歌詞が意味不明で残念……」なんていう曲に出会う機会も多くなっているのです。
どれだけメロディーが素晴らしくても、曲の物語や世界観を伝える歌詞が適当では台無し。それを念頭に置きつつ、シンプルな表現で共感を呼べる歌詞を書いていきましょう。
また、その曲を「最後に誰かが歌う」ことをお忘れなく。あなたの曲を歌うボーカリストやリスナーのことを思い浮かべながら言葉を並べれば、作詞がもっと楽しいものになるはずです。
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