楽器をある程度演奏できるようになってくると、今度は誰かに聴いてもらいたくなってしまう方も多いのではありませんか?
今日ではネットが普及し、誰でも世界中に自分の演奏を配信し、聴いてもらうこともできるようになっていますが、やっぱりライブ!という方も多いでしょう。
ライブというと、少し敷居が高く感じられる方も多いかもしれませんが、初心者向けのイベントを開催しているライブハウスも少なくありません。
そこで、今回はこれからライブハウスデビューする方向けに、セッティングの方法や効率的なリハーサルの方法についてご紹介しましょう。
もくじ
いきなりライブハウスへの出演といっても、具体的に何をすればいいのかわからない……そんな方も多いでしょう。
もちろん、ライブハウスや、イベントによってエントリーの方法は異なっています。そこで、いくつかのパターンに分けてご紹介しましょう。
もっとも一般的な方法のひとつが、ライブハウスの主催イベントへの応募です。公式サイトや、近隣の楽器店に掲示されているチラシ・ポスターなどで、出演者の募集を行っているライブハウスも少なくありません。
その中から条件に合うものを探してみましょう。
ライブハウスによっては、応募するだけですぐに出演が決定することもありますし、オーディションを受けなければならないケースもあります。
まずは初心者を中心としたイベントに応募してみるのがおすすめです。
ライブハウスが主催するイベントの他に、個人やバンドなどが主催するものもあります。こちらもチラシやSNSなどで出演者募集が行われていることがありますのでチェックしてみましょう。
ライブハウス主催のものとは違い、個性的なイベントも多いので、うまくフィットするイベントを見つけることができれば、初心者の方でも参加しやすいでしょう。
同じ地域で活動しているバンドやアーティストと知り合う機会としても魅力的ですので、精力的にライブ活動を行っていきたいと考えているのであれば、一度は参加してみることをおすすめします。
ライブハウスや楽器店などが主催で、オーディション形式のライブイベントが行われていることもあります。基本的にはオーディション的な色合いのもので、一般的なライブとは少し異なりますが、経験を積むにはぴったりの機会です。オーディションの結果によっては、より大きなステージに立つチャンスが得られることも!
また、一般的なライブとは違って、チケット販売ノルマが課されないケースが多いという点もメリットです。
初心者の方にはあまり現実的ではない方法かもしれませんが、ライブハウスなどを借りてイベントを主催するのもひとつの方法です。
当然、PAなどのスタッフ込みでライブハウスなどを借りるとなればそれなりのコストがかかります。小さな会場でも、昼から夜にかけての5~10時間程度でも10~20万円以上かかることも。
ただ、いくつかのバンドやアーティストで集まってイベントを開催できるのであれば、1人当たりの負担を抑えながら、自由なスタイルのライブイベントを開催することができます。
上記の通り、ライブ出演の方法はいくつかあります。自分に合ったライブイベントを選ぶことができれば、初心者であっても出演のハードルはそれほど高くはありません。
そこで、続いては一般的なライブ出演への流れについてご紹介しましょう。
ライブへの出演が決定したら、ライブハウスや主催者に詳細を確認します。ライブの日程はもちろんのこと、リハーサル・本番の時間なども確認し、スケジュールを立てておきます。
この際にチェックしておかなければならないのがチケットノルマ。ライブイベントでは一定のチケット販売ノルマが課されるのが一般的です。
イベントによってノルマは異なりますが、例えば1枚1,500円のチケット20枚(30,000円)といった形になります。仮に、その枚数を売り切ることができなくても主催者やライブハウスに支払わなければなりません。なので、無理のないノルマのイベントを選ぶことも大切です。
チケットが売れなくてもお金を払えばOK!そう考えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、できるだけノルマ分は売り切る努力をするのがマナーです。
言うまでもなく、お客さんが来てくれなければライブイベントは成立しません。主催側はノルマ分の集客を見込んでいますので、可能な限りチケットは売るべきなのです。
ただし、チケットを売り切るために勝手に値引きしたり、無料で配るのもマナー違反。イベントによっては明確に禁止されているケースもありますので注意しましょう。
チケットの受け取り方法にはいくつかのパターンがあります。ライブハウスなどに直接受け取りに行かなければならないケースもあれば、郵送で送ってくれることもあります。
チケットについては、出演が決まった直後に受け取れることもありますが、遅くともライブの2週間前までには届くケースがほとんどです。
チケット受け取りと同時に、しっかりと告知を行いましょう。SNSなどを使った告知は簡単な上にとても効果的。また、可能であればチラシなどを作ってよく利用している楽器店や飲食店などに掲示させてもらうのもいいでしょう。
街中などにライブ告知のチラシ(フライヤー)やポスターなどが貼られているのを目にしたことがあるという方も多いでしょう。しかし、無許可での掲示物の設置は絶対にNG。場合によっては違法となるケースもあります。
チラシやポスターを掲示する際には必ず許可を取り、マナーを守るようにしましょう。
ライブ当日は少し早めの行動を意識するようにしましょう。イベントによっても異なりますが、ライブ当日のスケジュールはかなりタイトです。ほんのわずかな遅れが大きく影響してしまうこともあります。
特にはじめてのライブ出演の場合、勝手がわからずに機材の搬入などで手間取ってしまう可能性もありますので、時間には余裕を持って行動しましょう。
ライブハウスに入ったら、簡単でいいので他の出演者やスタッフに挨拶をしましょう。あくまで一般的なマナーの話ですが、気持ちよくイベントを行うためには大切なポイントです。
今後のライブ活動に繋がる可能性もありますので、挨拶は忘れないようにしましょう。
ライブ本番前の大きなイベントがリハーサルです。とはいえ、はじめての方の場合、具体的にイメージすることができないかもしれません。
ライブ前のちょっとした確認や練習といったイメージを抱いている方も多いかもしれませんが、ライブを成功させるためにはとても大切な準備のひとつなのです。
リハーサルというと、多くの方が本番前の「通し練習」のようなものをイメージするかもしれません。もちろん、意味的には間違いではありませんが、音楽ライブの場合、別の意味合いを持っています。
ひとつ目のポイントは、演奏をしやすくするためです。ライブハウスによって自分の音を聴くためのモニタースピーカーの数や位置、大きさなどは異なっています。つまり、音の聴こえ方にも違いがあるのです。リハーサルによって、事前にモニタースピーカーの音量などを調整することで、演奏しやすさが大きく変わるのです。
バンドやアーティストによって使用する楽器も音量もまったく異なっています。そのため、今日ではPAシステムによって外音を調整するのが一般的です。
リハーサルでそれぞれの出演者の音を実際に確認することによって、外音の音量やバランスを調整しやすくするのです。
それでは一般的なリハーサルの流れをチェックしていきましょう。もちろん、ライブハウスやスタッフによって流れが異なることもありますが、その場合は指示に従うようにしてください。
最初にセットリストを記入した専用の用紙をPAに提出します。用紙の形式はライブハウスによって異なりますが、曲名と曲調、またMCのタイミングなどを記入する欄が設けられています。
また、照明のリクエストなどを記入できるケースもありますので、可能な限り正確に記入しておくようにしましょう。
まずは機材のセッティングをします。使用する楽器、アンプ、エフェクターなどを実際のライブと同じようにセットしましょう。
リハーサルの前にスムーズにセッティングできるように準備をしておくようにしましょう。
セッティングが完了したら音出しです。まずはそれぞれのパート別に音を出していきます。順番はPAの指示に従いましょう。
ギターの場合、音量差の大きいブースターや、飛び道具系のエフェクターの音も出しておくといいでしょう。スタッフによっては使用するエフェクター全ての音を求められることもありますし、逆に、もっとも小さな音と、もっとも大きな音だけを求められることも。基本的には指示に従えば問題ありません。
続いては全体の音出しになります。ライブで実際に演奏する曲を演奏します。1曲だけで終わることもありますが、スケジュールによっては2~3曲演奏することもあります。また、数曲を1コーラスだけ演奏するといったケースも。
全体の音出しの際には、特に音量差が激しい曲を選ぶといいでしょう。
この全体の音出しの際に、モニターの聞こえ方などリクエストがあればPAに伝えておきます。
PAシステムによってはモニターから出力する音を細かく設定することが可能ですので、例えば「センターのモニタースピーカーからドラム3点の返しを」といった形でリクエストするとスムーズです。
初心者の方にとって、ライブは少しハードルが高く感じられるかもしれません。しかし、ここでご紹介したポイントを押さえ、しっかりと準備すれば、誰でもライブデビューすることは可能です。
せっかく音楽を楽しむのであれば、一度はライブにも挑戦してみましょう。すると新しい音楽の楽しみ方を見つけることができるかもしれません。