音楽ジャンルのひとつ「ジャズ」。ジャズには、さまざまな楽器が登場します。同じ楽器でも、クラシックを演奏するのとはまた味わいが異なります。
これからジャズ演奏を始めたい方、もっとジャズの知識を深めたいという方に、今回はジャズに欠かせない楽器とその役割、ジャズアーティストの巨匠をご紹介します。知ってからジャズを聴くと、より一層音楽を楽しめると思いますよ。
今回は、5つの楽器をピックアップしてジャズの基礎知識をご紹介します。
もくじ
“ジャズ”の誕生には諸説ありますが、新たな音楽ジャンルとして登場したのは1800年代後半、南北戦争後アメリカ南部のルイジアナ州ニューオーリンズだといわれています。
ニューオーリンズはヨーロッパから移住してきた人や、アフリカから労働のために連れてこられた移民たちが多く暮らし、じつに多様な文化が入り混じる地でした。そのような場所であったからこそ、新たな音楽ジャンルが生まれたという側面もあったでしょう。
「ジャズ」は、アフリカ系アメリカ人の独特の音階やリズム、アドリブ、掛け合いを併せ持ったスタイルが特徴です。当時、ニューオーリンズで、即興でコルネットを吹いていたバディ・ボールデンの奏でる音楽が、後に「ジャズ」となるベースとなったと言われています。時代の移り変わりともに、シカゴやニューヨークに広がったジャズは各地で独自の変化を遂げていきます。
当時のニューオーリンズの俗語で、売春宿を「Jass house(ジャズハウス)」、売春宿や酒場で演奏していたミュージシャンたちを「JASS BAND(ジャズバンド)」と呼んでいたことが“ジャズ(jazz)” の語源になったという一説があります。ほかにも当時フランス領であったニューオーリンズで、フランス語の「活気ある会話」という意味の「jaser」が変化したという説もあり、よくわかっていないのも実情です。
ジャズには主にソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種が用いられ、特にテナーとアルトはジャズにおいて重要な役割を担います。最もジャズらしい楽器とも言われ、それぞれにスタープレイヤーが誕生しました。アルトサックスの音色は人間の声色に近いため、聞きやすいのが特徴です。アルトよりも低音のテナーは、安定した低温を響かせ安心感を与えてくれます。
チャーリー・パーカー(Charlie Parker)
アルトサックス奏者。「ビバップの父」の異名を持つ、ジャズの歴史の中で重要な役割を果たした一人で、アドリブを武器にモダンジャズを牽引。「バード」のニックネームで呼ばれることも多く、ジャズクラブ「バードランド」の店名は彼のニックネームから名付けられたそうです。
ジョン・コルトレーン(John Coltrane)
テナーサックス奏者。ジャズの巨人のひとりで、「ジャズの歴史はコルトレーン前とコルトレーン後に分かれる」という言葉があるほど。『バラード』はジャズをこれから始める方におすすめの一枚です。
スタン・ゲッツ(Stan Getz)
クールジャズやボサノバブームの立役者でもあり、唯一無二の美しい音色で奏でるテナーサックス奏者。『ゲッツ/ジルベルト』は、グラミー賞4部門を獲得した大ヒットアルバムで、ボサノバの第一人者、ジョアン・ジルベルトとのセッションも魅力です。
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迫力があるのにどこか切ない独特の音色。金管楽器の中でも存在感のある高音を出すトランペットもジャズには欠かせない花形楽器のひとつです。ジャズの歴史はトランペット奏者が作り上げてきたとも言われます。
ルイ・アームストロング(Louis Armstrong)
サッチモというニックネームで呼ばれることも多く、ジャズシンガーとしても活躍。大きな目と口、人懐っこい笑顔、圧倒的な演奏、だみ声でジャズを世界中に広めた立役者でもあります。ニューオーリンズ・ジャズのスターで、彼の驚異的な演奏テクニックを聴くなら『サッチモ・アット・シンフォニーホール(1947年)』がおすすめ。
マイルス・ディヴィス(Miles Davis)
「ジャズ界の帝王」と称される、ジャズの表現方法を変革し、ジャズ界を牽引したトランペット奏者です。『マイ・ファニー・ヴァレンタイン』や『ラウンド・ミッドナイト』が有名。
クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)
ブラウニーの愛称で親しまれ、ハード・バップ期初期の最高の正統派トランペッターと称されます。強く花のある音色と演奏技術はマイルス・デイビスを上回ると言われていましたが、交通事故で24歳という若さで他界。おすすめは『メモリアル』。
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主役でも脇役もOK、「小さなオーケストラ」の異名をもち、ジャズに限らずあらゆるジャンルの音楽でオールマイティに力を発揮する万能楽器です。ソロ、グループの両方で活躍します。
和声や旋律を併せ持ち、ジャズでは黎明期より欠かせない楽器でリズムを主導。ドラム、ベースとともに中心的な楽器として定着しています。
アブドゥーラ・イブラヒム(Abdullah Ibrahim)
南アフリカ出身の現役ジャズピアニスト。1960年代後半まではダラー・ブランドという名前でも活動していました。南アフリカの激動の社会背景を表現するようなサウンドが魅力的。ケープジャズという新分野を確立し、彼の曲「マネンバーグ」は、非公式ながら第二の国歌と呼ばれるほど南アフリカの人々に愛されています。
キース・ジャレット(Keith Jarrett)
現役最高峰のジャズピアニスト。即興演奏を得意とし、テーマのないコンサートを開き観客を圧倒するスタイルが持ち味。彼の演奏を堪能するなら完全即興ソロ・コンサートの伝説的記録のアルバム『ケルン・コンサート』がおすすめです。
ビル・エヴァンス(Bill Evans)
「ジャズの巨人」の異名を持ち、ジャズ界を牽引した名ピアニストです。スタンダードなナンバーが多く、ジャズピアノをこれから始める方におすすめです。『ワルツ・フォー・デビイ』は、ジャズを代表する傑作としてジャンルを超えて人気のあるアルバムです。
上原ひろみ
全米ビルボード・ジャズ・チャートで初登場1位を獲得した日本を代表するジャズピアニスト。超絶技巧を必要とする楽曲でもさらりと弾きこなし、エネルギッシュなステージは必見。
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ジャズに欠かせない楽器として真っ先に挙げる人も多いベース。ジャズバンドの要でもある低音パートを担い、グルーブを生み出します。ダブルベースやウッドベース、コントラバスとも呼ばれ、弓を使ったり(アルコ奏法)、指で弦を弾いたり(ピチカート奏法)と多様な演奏スタイルができる楽器です。ジャズには欠かせない楽器です。
チャールズ・ミンガス(Charles Mingus)
ジャズ界最高のベース奏者と言われ、様々な大物ジャズミュージシャンたちとセッションを組み、ジャズを牽引した立役者です。
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ジャズのリズムとテンポを司るドラムは、ジャズ楽器のなかでもひときわ存在感があります。他のジャンルの演奏とはまたひと味違う、自由な演奏に圧倒されます。
ジャズで主に使うのがハイハット、スネア、バスドラム。リズムキープから独奏までこなせるピアノと並ぶ万能楽器です。テンポを仕切る指揮者のいないジャズバンドでは、ドラムが指揮者に代わりテンポを決め、その動作に合わせることで演奏が成り立ちます。
バディ・リッチ(Bernard Buddy Rich)
ジャズドラマーだけでなく、ロックやソウル系をはじめとするあらゆるドラマーからも尊敬される巨星。彼の超絶技巧は今尚越えるドラマーがいないと言われるほどです。
アート・ブレイキー(Art Blakey)
ピアニストからドラマーへと転身した異色のジャズミュージシャン。1961年に来日し、その後日本でジャズブームが起こります。日本でのジャズの人気のジャンルとして確立した影の立役者といっても過言ではありません。
ジャズというジャンルは、クラシック音楽などと比べると歴史はまだまだ浅いですが、さまざまなスタイルがあり、非常に奥の深い音楽です。秋の夜やこれから寒い冬の日にはジャズが良く似合います。ぜひ、ジャズの音色に耳を傾けてみませんか。
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