フリーソフトでできる!DTMで始める初めての音楽制作
投稿者 :佐久本 政典
楽器が演奏できなくても、音楽理論が分からなくても、パソコンとソフトさえあれば手軽に音楽をつくることができる「DTM」。気軽に音楽表現を楽しむ手段として、大人からお子様まで、近年DTMを始める人が急増しています。
今回はDTMとは何なのか、実際の制作の流れなど、基本的な事柄についてご紹介します。
音楽は聴くだけではなく、自分で作ることができると何倍も楽しくなります!
ぜひご参考にしてみてください。
もくじ
パソコンを使って作曲・編曲などの音楽制作を行うことをDTM(ディーティーエム)といいます。DTMとは、“デスクトップミュージック”の頭文字から来ており、机の上で音楽制作ができることを表しています。
DTMと似た言葉で、DAW(ディーエーダブリュー、またはダウ)という用語もありますが、これは“Digital Audio Workstation”の略で、デジタル的に音を処理するソフトのことをいいます。
DTMとはパソコン上の音楽制作全般を指し、DAWはそれに用いるソフトウェアのことです。混同しやすいので、しっかりと覚えておきましょう。
現在でこそ一般向けに様々なソフトが出回ってますが、当初はレコーディング業界で使われている専門的なものでした。
昔のレコーディングは長い間、テープにアナログで録音し、その後にミックス(録音した各楽器をバランスを考えながら適切な音量や定位に調整していくこと)、マスタリング(聴き手がどんな環境でもベストな状態で聴こえるように最終的に仕上げていくこと)等の加工をし、レコードにカットをしてプレスするというのが音楽ソフトの制作の流れでした。
それまでのアナログテープをデジタル化していく流れの中で、今も業界でスタンダードになってるPro Tools(プロツールス)の元となるSound Toolsというソフトが1987年に登場します。
その後にCubase(キューベース)やLogic(ロジック)等さまざまなDTMのソフトが登場していきます。
このようにして、パソコンを使って音楽制作が出来る時代になっていきました。
これらのDTMソフトも以前は十万円を超えるなど非常に高価なものでしたが、現在は後に紹介するフリーソフトも登場するなど、初心者でも気軽に始めやすい環境が整ってきています。
また、デジタル化の流れの中で音楽の演奏データを異なる機材の間でやり取りするためのMIDI規格の登場もDTMの発展に大きな役割を果たしてきました。
このようにDTMのソフトは最初は業務用に開発され、ごく一部のサウンドエンジニアだけが使えるハードルが高いものでしたが、今では無料ソフトなども充実し、誰でもお手軽に始めることも出来るようになりました。
今回はどなたでも気軽にDTMでの音楽制作に触れてもらえるよう、無料でダウンロード出来るフリーソフトを紹介します。
先ず重要なのはWindowsかMac OS か、お使いのパソコンで選べるものも変わってきます。
プレソナス製のStudio One Prime(スタジオワンプライム)は、WindowsでもMac OSでもどちらでも使えるフリーソフトです。
無料版は上位版の機能を制限してはあるものの、簡単にインストール出来てすぐに音楽制作を始めることができます。日本語にも対応していますのでどなたでも気軽にDTMをスタートすることができます。
BandLab Technologies社が開発しているCakewalk(ケイクウォーク)は、元々ローランド社が販売していたSONAR(ソナー)というソフトが2017年に生産中止となり、翌2018年に無料版となって新たにリリースされたものです。
元が有料のソフトなので、機能の制限も特になく、フリーでもしっかり色々と作り込めるような本格的なものになります。Windows専用ですが、おそらく現在無料で利用できるDAWソフトの中ではもっとも高機能なものでしょう。
そしてMacにデフォルトで入ってるGarageBand(ガレージバンド)もおすすめです。
iPhoneやiPadにも入ってるので、もしMacが無かったとしてもiOSデバイスをお持ちであれば簡単に音楽制作を進めることも出来ます。
ただしスマホ版はMac版と違って操作性も異なるので、スマホならではの予め入ってるループ素材を使ったり一音一音指で書き込むなど、結構地味ではありますが、そんな風に作曲も出来ます。
DTMってなんだろうとか、ちょっとやってみたいな、という方には、まずはこれもおすすめ出来るソフトです。
ここに挙げたような無料のソフトからまず入ってみて、DTMの操作や曲作りの基礎などを学んでいくのが良いと思います。
ここで次に打ち込み風景を図で簡単に解説してみたので、ソフトをお持ちの方はトライしてください。
またソフトによって立ち上げからセッションの設定方法は異なりますが、ここではStudio One Primeの画面で説明したいと思います。Studio One Primeのダウンロードやインストールの仕方はリンク先の「入手方法」をご確認ください。
■Studio One Prime
https://www.mi7.co.jp/products/presonus/studioone/prime/
インストールが完了したら、ソフトを起動してソングを開き、インストゥルメンタルを追加してペンシルツールを選択し、トラックにラインを引きます。
ここでは鍵盤楽器の音を選んでますが、音色は好きなものを使ってみてください。
次にエンターまたは引いたラインをダブルクリックしてピアノロールエディタを開きます。
ここにマウスを使って音を書いてみてください。
下の図ではC-G-F-G-Cという簡単なコード進行を書いています。
コードの流れを書いてみて、次に再生しながらメロディをなんとなくでいいのでイメージして歌ってみてください。
メロディが出来たら、これをまた別のインストゥルメンタルのトラックに打ち込んでいくような流れで作曲をしていきます。DTMの基本は、インストゥルメンタルを作成してイメージした音を打ち込んでいく、たったこれだけです。
作曲はある程度の知識も必要になってきますが、慣れないうちはキー=C(ハ長調)であればその中の「ドレミファソラシド」の音を使ってメロディを書いてみるところから挑戦することをオススメします。
次にDTMでも欠かせない音色作りのミックスの工程についてです。
“ミックス”とか“ミックスダウン”、“トラックダウン”といった言葉を聞いたこともあるかと思います。
ミックスとは、さきほどの工程で各楽器に割り当てたトラックというものを作りましたが、その各トラックの音量のバランスやパン(ステレオの左右のどの場所に音を定位させるか)を調節していき、最終的にステレオの2チャンネルでバランスよく聴こえるように調整する作業のことをいいます。
ここで重要になってくる音作りのエフェクトととして、コンプレッサー、イコライザー、リミッター、リバーブ等を使いひとつひとつのトラックの音を作っていきます。
DTMをやっている方で作編曲は出来るけどミックスは苦手という方も割といるなとも思うのですが、業界にはミックスだけをやっているエンジニアの方もいるくらい、本当はかなり専門的な要素がある部分です。
しかしDAWのソフトだけで作編曲からミックスまで自分一人で音楽を作ることは可能なので、このミックスの基本的な構造や音作りの方法を学んでいけばより良い音楽作りのスキルも得ることが出来ます。
DTMというのはパソコンなどのデバイスがあれば誰でも簡単に始められるものになって来ていますが、追求していくと作曲のスキルやアレンジのスキル、またミックス等の音作りのスキルなどとても奥が深いものとなっていきます。
どんな楽器も同じですが、最初は色々な壁があると思いますがそれを乗り越えていくというのが音楽をやっていく楽しさのひとつだと思うので、DTMに興味のある方、自分で曲を作ってみたい方は是非飛び込んでみてください。
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