ピアノ、電子ピアノ、キーボードの違いとは?失敗しないピアノの選び方【比較表つき】
投稿者 :境 祐希
昨年より続いているこのコロナ禍で、おうち時間がとても増えていると思います。
そんななか趣味として音楽を始めた、もしくはこれから始めたい、と思われている方も多いのではないでしょうか?
今回はその中でも特にピアノの演奏や弾き語り等を始めたいと思われていて、「ピアノかキーボードとか買ってみようかな…」とお考え中の方に、何種類もあるピアノ型楽器の選び方を解説します。
記事の最後には比較表も載せておりますので参考にしてみてください。
それではさっそく、ポイントを分けながら見ていきたいと思います!
もくじ
「ピアノを買おう!」と思ったとき、検索してみると大きく3種類、ピアノ(アコースティックピアノ)・電子ピアノ・キーボードという楽器が出てくると思います。
細かい音の出し方の仕組みや構造についてはすでにいろいろな記事がネット上に出ていますので、詳しく知りたいという方はぜひ検索してみてください!
今回の記事ではピアノの種類の詳しい説明というよりも、それぞれがどういった方向けなのか、また弾いてみた感覚の違いなどについてを解説していければと思います。
まずはなんといっても楽器の王様、ピアノです。
電子ピアノに対して、「アコースティックピアノ」「生ピアノ」と呼ばれることもあります。
学生の頃教室や体育館にあったという方も多いのではないでしょうか。
ピアノは『アップライトピアノ』と『グランドピアノ』の2種類に分けることができます。
(写真) 左:アップライトピアノ 右:グランドピアノ
ピアノの特徴としては、電子ピアノやキーボードと違い、鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き生音が出る、という点が一番の特徴になります。これによって、ピアノの音を録音(サンプリング)した内蔵音源の音をスピーカーから再生するという仕組みの電子ピアノやキーボードには真似のできない、生ピアノならではの豊かな音を出すことができます。
最近の電子ピアノはかなり性能が向上しており、生のピアノの音に近いものも多くなってきていますが、やはりクラシックをしっかり弾いていきたいという方にはピアノがオススメにはなります。細かい鍵盤のタッチ感やペダリングなども変わってきますし、発表会やコンクールにチャレンジしたいという方は、本番がピアノでの演奏になるのでできればピアノで普段から練習しておけるととてもいいですよね。
住宅事情などで生ピアノを置けない、という方も多いかと思いますが、そんな方には電子ピアノがおすすめです。
電子ピアノとキーボードについては、個人的には違いが難しいなと思っているところになります。実際通販サイトで電子ピアノと検索しても、「キーボードじゃないかな…」と思う楽器が出てきたりもします笑
電子ピアノの特徴としては、まず見た目がアップライトピアノに非常に近い見た目をしています。音や弾き心地も比較的ピアノに近いものがほとんどかと思います。ただ音の出る仕組みは異なり、ピアノは鍵盤を押すとハンマーが弦を叩き音が出るのですが、電子ピアノは鍵盤を押すとセンサが反応し、内蔵されたデジタル化した音源から音が出るようになっています。ピアノと同様打鍵の強さにより音の強さが変えられたり、音色もいろいろなメーカーのピアノの音が内蔵されていたりしますので、クラシックからポップスまで幅広いジャンルの演奏に適しています。
(写真) 電子ピアノの一例
キーボードはさらに電子ピアノよりも簡易的なピアノというイメージを持っていただくといいのではないしょうか。
基本的に鍵盤部分が独立した見た目になっていて、足台や机において弾く形になります。
記事後半でも詳しく見ていきますが、鍵盤の数がそれぞれ違っていたり、その他の機能がたくさん備えられたりしていますが、鍵盤はピアノや電子ピアノに比べると軽いものが多く、電子ピアノと同じくセンサでの発音になります。強弱を打鍵で調節しにくいことが多く(できなくはないのですが…!)、弾き語りや作曲、簡単なポップス、あとは初心者の方で「とりあえずリーズナブルなものがいい」という方にオススメなピアノになっています。
また、生ピアノや電子ピアノは持ち運ぶことがほぼ不可能ですが、軽いキーボードであればスタジオなどに持ち運んで自分の楽器で練習することも可能です。
(写真)キーボードの一例
さて、ここからはより細かい違いなどについてご説明していきたいと思います。
①ⅰ. 生ピアノについてはほぼすべて同じで白鍵が52鍵+黒鍵が36鍵の計88鍵になっています(例外で海外のベーゼンドルファーというメーカーのピアノには97鍵のものがあるそうです!)。ですので基本的に世の中に出回っているピアノの楽譜は88鍵あることを想定して作られているので、楽譜を見て弾きたいという方は88鍵の電子ピアノ、キーボードを探してみてください。
その他電子ピアノとキーボードについては32鍵〜88鍵まで幅広いものが存在しています。
32鍵ですと用途としてはDTMなどの作曲用やボーカルの方の音取り用といったイメージで、両手で弾くピアノソロにはあまり向きません。61鍵以上のものですと弾き語りや簡単なアレンジのポップスの曲は弾いていけると思いますが、クラシック曲は鍵盤が足りないことも出てくる鍵盤数になります。
①でも少し触れていた部分ですが、3種類の楽器では鍵盤を押した感覚が大きく変わってきます。生ピアノはどんなメーカーの楽器でもほとんど変わらないですが、とても耳のいい方やこだわる方は音質や鍵盤の重さに違いを感じられるかもしれません。
電子ピアノとキーボードはそーっと鍵盤を押してみてください。音量を調節できる、ピアノに近いタッチ感を採用しているものだとゆっくり音が出たり、もしくは小さい音が出せるはずですが、そうでないモデルであれば押す力を変えても音量や音の出方があまり変わりません。これは練習にも非常に関わってくる点で、弾き語りなど伴奏中心の練習であればどちらの鍵盤でも大丈夫ですが、クラシック等指を動かす曲は指の力もとても大事になってくるので、タッチを変えられない軽い鍵盤だとそういった点でもトレーニングにあまり向かないことにはなってきます。
通販サイトでご購入されるなど、実際に触ったりできない場合は、しっかり説明に目を通してみてください。
「ピアノと同じ音が出ます!」「実際のピアノと同じ鍵盤です!」と書かれているとすごく良さそうに感じますが、ほとんどの電子ピアノは音質も鍵盤も生ピアノとほぼ同じなのです。大事なのは「タッチレスポンス」や「リアルなピアノのような弾き心地」といった文章です。鍵盤が生ピアノと同様に木でできているか、それともプラスチック製なのかによっても弾き心地は変わってきます。鍵盤を押した感覚について記載のないものは、正直なところピアノの練習に向いているかは届いたもの次第、という少々怖い買い物になってしまう危険性があります。
また、高いものがいい、というわけでは決してないのですが、やはりお値段によっても性能は変わってきます。いくらリアルなピアノに近いと書いてあってもキーボードより少しましかな、というくらいのものも正直なところ存在しているので、どのくらいのものを求めるかというのはご予算や妥協点を考えて購入を検討していただけるといいかなと思います。
この鍵盤を押してみた感覚についても、軽いものがダメ、というわけではなく、作曲やDTM、弾き語りに使われる方は軽いもののほうが逆に弾きやすいということもあります。メロディーだけ弾くためや、コード奏など和音の伴奏中心の練習用としては安価な分おすすめな楽器とも言えます。ピアノソロ用か、もしくは本番でも使いたいか練習用かといったあたりも決めて購入する楽器を検討していけるといいですね。
ペダルもとても重要な要素の一つです。
基本的にピアノは2本か3本のペダルがついています。実はアップライトピアノとグランドピアノでは真ん中のペダルの機能が異なるのですが、ここでは特に使用頻度の高い一番右側のペダル(ダンパーペダル、サスティンペダル)と、一番左側のペダル(ソフトペダル)について説明していきたいと思います。
(写真)ピアノのペダル
まずは一番右のペダル、これは「ダンパーペダル」や「サスティンペダル」といい、音を伸ばしたり滑らかな演奏にするために使うものになります。ペダルを踏んでいる間は鍵盤から指を離してもその音が伸び続けるため、どうしても指が届かず同時に鳴らせない音があったり、速い動きが弾きにくかったりする部分で、この右側のペダルを使ってキレイにまとめていきます。
次に左側のペダル、これは「ソフトペダル」といい、簡単に説明するならば「音を小さくする」ペダルです。弱い音を出したいときや、またまろやかな、やわらかい音を出したい時などにこのペダルを踏みます。
電子ピアノの場合には、基本的に3つのペダルがついていると思いますので問題ないと思います。キーボードの場合は注意が必要で、一本しかない場合、もしくはついてない場合もあると思います。一本の場合は右側のペダル、サスティンペダルの機能のものになるのでクラシック用でなければ一本でも大丈夫でしょう。ただし一般的なペダルの形ではなく、正方形のような、形の違うペダルのことも多いのでその点も注意が必要です。機能は同じなのですが、踏み心地の違いや、また踏んでいると場所がずれ、動いていってしまうなどの不便な点もあるのでチェックしておいた方がいいかと思います。ペダルだけでも売られていますので、一旦買ってしまってからでもやはり踏みにくいなと感じたらペダルだけ買いなおそう、というのもひとつの手になります!
①で前述の通り、キーボードとはピアノでいう鍵盤の部分だけの形になるので、弾くためには高さを確保するための台が必要になります。88鍵の場合、横幅が130㎝~程の大きさになるので、それが置ける机などがあれば本体だけでも練習できます。
ただ実際のピアノは鍵盤までの高さが約73~75㎝ですので、キーボードを置く高さもそれくらいの高さに調節できると弾きやすくなります。
付属スタンドがない場合は、X字型の高さ調節可能な足台も¥3000~程の価格で別売りされていますので、合わせてご購入されるのもいいかと思います。
それでは最後の項目です!
電子ピアノやキーボードを選ぶうえで生ピアノよりも良い点としてこの機能面が挙げられます。
まずは音色を変えられるという点です。ピアノだけでもメーカーなど何種類かのピアノの音を選べるものが多くあります。そのほかにもヴァイオリンなど弦楽器、トランペットなど管楽器、ドラムなど打楽器の音が出せるものなど、楽器によって数種類~数100種類までも音色を変えられるものがあります。作曲などいろいろな音を使いたい方や、単純にいろいろな音が出て面白そう、という方はこの音色の種類もチェックしてみてください。
次に鍵盤のタッチを変えられるかという点です。機種によっては鍵盤の重さや響きなども細かく変えられるようになっているものがあります。クラシックなどピアノソロの練習用にご購入される方で、細かい調節をしたいという方は見てみるといいですね!
最後にパソコンとつなげられるか、という点です。
DTMや作曲をする方に向けては必須になる機能ですが、電子ピアノやキーボードをパソコンに繋げられると、別の音源を利用してさらにいろいろな音が出せたり簡単に録音ができたりもしますので、もし興味を持たれた方は『DTM』というものをぜひ調べてみていただければと思います!
生ピアノ、電子ピアノ、キーボードの一般的な違いを表にまとめてみると、下記のようになります。
どんなシーンで弾きたいかによって最適な楽器が異なってきますので、ぜひご自分にあったピアノを見つける参考にしてみてください。
種類 | 生ピアノ | 電子ピアノ | キーボード |
鍵盤数 | 88鍵 | 88鍵 | 32鍵〜88鍵 |
音が出る仕組み | ハンマーによる打弦 | 内蔵音源再生 | 内蔵音源再生 |
音色 | 豊かな響きの音質だが、音色を変更することはできない | 機種により様々な音色に変更ができる | 機種により様々な音色に変更ができる |
音量 | 弾き方や弱音ペダルによる調節 | スピーカーのボリュームを調節できる | スピーカーのボリュームを調節できる |
メンテナンス | 定期的に調律が必要 | 調律は必要なし | 調律は必要なし |
重量 | 重い。移動には専門業者が必要 | 重い。機種によってはなんとか持ち運べる | 軽いものが多く持ち運びは比較的容易 |
価格 | 3種類の中では最も高価 | 幅広い価格帯があるが一般的に生ピアノよりは安価 | 安価なものが多い |
こんな方におすすめ | ・ピアニストを目指す方 ・本格的にピアノを楽しみたい方 ・設置場所や住環境上の問題がない方 | ・生ピアノに近い音質やタッチにこだわる方 ・持ち運びはしないけどコンパクトさを重視する方 ・さまざまな音色を楽しみたい方 ・パソコンに繋げてDTMも楽しみたい方 | ・音やタッチにこだわらず色々な音色を楽しみたい方 ・持ち運びたい方 ・できるだけ安く楽しみたい方 ・パソコンに繋げてDTMも楽しみたい方 |
いかがだったでしょうか?
これから楽器を購入して、ピアノが弾きたい!という方の参考になっていればと思います!
ぜひ音楽を一緒に楽しんでいきましょう!
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