【初心者必見】クラリネットの組み立て方7つのポイント
投稿者 :中島彩香
クラリネットはとてもデリケートな楽器です。
楽器ケースに収納されたクラリネットはとってもコンパクトで持ち運びが便利なサイズ感ですが、パーツが細かく分かれているので初心者の方にとっては、組み立て方の手順に戸惑ってしまうかもしれません。
ご自身の楽器を良い状態に保ち、長い付き合いができるように、クラリネットの組み立て方を7つのポイントに絞ってお伝えしてまいります。 組み立ての方法をマスターするだけでなく、楽器の取り扱いも一緒に覚えていきましょう。
もくじ
クラリネットは細長い形状をしておりますが、実は5つのパーツに分解できてケースに収納されています。
まずはマウスピース。楽器の吹き口の部分になります。
(写真)クラリネットのマウスピース
そのすぐ下の部分は「バレル(タル)」と呼ばれています。
コロンとしていて可愛らしい見た目ですが、バレルの種類で音色が変化するなど、とても欠かせないパーツになります。
(写真)クラリネットのバレル
次に上管部分。たくさんのキィが取り付けられています。このパーツは主に演奏時に左手でキィをおさえる部分になります。
そして下管。こちらも細かくて多くのキィが取り付けられています。演奏時には右手でキィを抑えます。
下管は指掛けもついているので、右手の親指でクラリネット全体を支えている重要なパーツでもあります。
(写真)左:上管 右:下管
そして最後は「ベル」。
見た目の通り、ベルの形をしているため、覚えやすいかと思います。
(写真)クラリネットのベル
この5つのパーツ『マウスピース、バレル、上管、下管、ベル』のパーツをそれぞれ接続してクラリネットを組み立てていきます。
ただ、クラリネットは細かなキィやバネが取り付けられた繊細な構造の楽器になります。
不適切な持ち方によって、バネが変形してしまう事もある為、持ち方をあらかじめ把握する必要があります。
また、新しい楽器だと、コルクの部分(接続部分に貼り付けてある箇所)の滑りが悪く、スムーズに接続しづらい事があります。それによって力任せに接続しようして、キィを変形させてしまった!といったケースも発生しています。
それを防ぐ為に、必ずワンクッションの準備を取り入れていきましょう。
組み立てる前にまずは『コルクグリス』を接続部(コルク部分)に塗りましょう。
コルクグリスは毎回塗る必要はございません。
ただ、「滑りが円滑でない」「ギシギシ音がする」といった場合にご活用ください。
コルクグリスは「指でとって塗るタイプ」と「スティックタイプ」のものがございます。
楽器を購入した際に付属でついてくる場合もございますが、実際にご自身で使いやすいタイプを探してみてください。
(画像引用元:https://www.nagae-g.co.jp/fs/inst/grs_ym_cg4)
そして、コルクグリスは塗りすぎると汚れとなって接続部分の隅に蓄積されていきます。
必ず余った部分はティッシュなどでこまめに拭き取りましょう。
クラリネットのコルクのついているパーツは、バレル以外ついております。
コルクグリスは、薄く指で広げるように塗っていきましょう。
コルクグリスも塗り終わったところで、いよいよクラリネットを組み立ててまいります。
組み立てる順番ですが、ぜひ「下の部分から組み立てる」事をお勧めします。
最初にケースからベルを取り出してください。
メーカーによってベルにロゴが入っている事があります。
ロゴがある場合は、自身にロゴを向けるように持ってみてください。
この時、ベルは左手で持っておくと次の組み立てがスムーズになります。
次に下管をケースから取り出して、右手で持ってみましょう。
下管の持ち方は、キィが集中していない下半分あたりで握ってみましょう。
(写真)下管の持ち方
下管にもロゴマークが刻印されている場合は、ベルのロゴと合わせるように接続してみましょう。
これで、まずはベルと下管が繋がりました。
ベル→下管の接続が完了したら、次に「上管」も組み立てていきましょう。
上管は、細かいバネやキィが取り付けられているもっともデリケートな箇所になります。
ケースから取り出して、左手で持ってみてください。
その際の持ち方ですが、写真のようにキィが集中している真ん中より少し下部分で持ちます。
「下管のようにキィの少ない上部分で持った方が良いのでは?」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、上管部分の裏側をチェックしてみましょう。
(写真)上管の裏側
写真を見ていただくと、上管の裏側に細長いキィが取り付けられています。
このキィは「レジスターキィ」と呼ばれていて、強く握ったり負荷が加わると簡単に変形してしまう繊細なキィでもあるのです。
この部分のキィが変形・破損してしまうと、調整が狂ってしまい、全ての音が鳴らなくなってしまうリスクが出てきます。
クラリネットは、1箇所のキィが破損しただけで全ての音が出なくなってしまうほど、全体が繋がっている構造をしていますので、上管の持つ箇所には必ずポイントを押さえておきましょう。
そして、上管の構造の特徴としては下管と合わさるように連結キィがコルクのある部分まで出ているのです。
それを防ぐために、必ず上管のリングキィを押したまま下管に接続するようにしましょう。
リングキィを押してみると、連結キィが上にあがった状態になります。
キィが上がった状態なら、下管の接続部分にぶつかる事はなくなりますので、このポイントは絶対におさえておきましょう。
そして、上管と下管の連結部分がまっすぐ繋がっている状態を確認できれば3つ目のパーツの組み立てまで完了となります。
特にクラリネットの組み立てで一番重要な部分がこの上管部分の接続になります。
必ず目視で毎回確認してみてください。
ベル→下管→上管の流れで組み立てていきました。
次にバレルを繋げていきましょう。
バレルはキィもついておりませんので、そのまま上管に隙間なく差し込んでいきましょう。
押し込むようにはめ込んでいくというよりは、左右小刻みに回すように優しく押し込みましょう。
ロゴが入っている場合は上管のロゴと合わせるように組み立ててみてください。
そして最後にクラリネットの先端部分であるマウスピースと付属のアイテムを取り付けていきます。
マウスピースにロゴがついている場合は、バレルのロゴと合わせるように隙間なく押し込みましょう。
マウスピースを差し込む際、下管を持って支えてしまうと、上管部分がズレてしまい、適切な位置でセッティングしたものをズラしてしまう可能性があります。
リードの先端部分を湿らせてマウスピースを超えないように、少し下の位置で取り付けます。
写真のように、マウスピースを飛び越えない位置でありながらも、下げすぎて隙間が開きすぎない位置が適切な位置となります。
また、左右どちらかにリードが傾いていないか最後にチェックしましょう。
そして最後にリガチャーと呼ばれるマウスピースとリードを固定する「留め具」を使用します。
位置がズレないようにとついついしっかり固定したくなる方もいるかもしれません。
しかし、リガチャーのネジをきつく締めすぎてしまうと、リードとマウスピースを痛めつける原因になります。
必要以上にギュウッと締めすぎないよう心がけましょう。
クラリネットそれぞれのパーツの持ち方から組み立ての手順までお伝えしましたが、いかがでしたか。
クラリネットはコンパクトで持ち運びしやすいお手頃なサイズ感でありますが、細かいキィが集中していて非常にデリケートな構造をしている楽器でもあります。
ポイントをしっかりおさえる事で、良い状態を長く保ち続ける事ができるだけでなく、「この扱いで大丈夫かな」などの不安も払拭できるでしょう。
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