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AUG,2017
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思わず歌いたくなる! 知っておきたいゴスペル音楽の歴史・アーティスト

# 音楽ネタ

投稿者 :吹原紗矢佳

ゴスペル・ミュージックといえば、ウーピー・ゴールドバーグが出演した映画『天使にラブ・ソングを』が有名ですよね。これをきっかけにゴスペルを知った方も多いのではないでしょうか。

では、この「ゴスペル」という音楽ジャンルには、一体どんな起源、歴史があるのかを知っていますか? 今回は、その起源や種類について解説します!

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ゴスペル音楽の歴史

ゴスペル・ミュージックの歴史の発祥はアメリカ。もともとはキリスト教プロテスタント系の宗教音楽で、「ゴスペル」という言葉自体には福音・福音の書(キリストの教え)という意味があります。その歴史は意外なことに、悲痛なものでした。

ゴスペル 有名曲

17世紀頃、奴隷としてアフリカから多くの人がアメリカに連行されました。アメリカにおいて彼らは、独自の言語や宗教を剥奪されてしまいます。そんな中で、一部の人たちは救いを与えるゴスペル(福音)と出会い、キリスト教へ改宗し、神に独自の賛美をささげるようになりました。

こうして、アフリカ特有のリズムとヨーロッパ賛美歌などの音楽的・詩的感性が融合して、現在のゴスペルの基調となるスピリチュアル(黒人霊歌)音楽が生まれます。小学生の音楽の授業で登場する、「こげよマイケル」も黒人霊歌の一つなんですよ。

その後、ジャズやロックなどさまざまなジャンルの音楽と結びつき、今も進化し続けています。ソウル・ミュージックにはゴスペル・ミュージックが取り入れられ、ゴスペル・ミュージックにはR&Bやジャズの要素も投影され、ゴスペル・ミュージックは多様性を持ったものになりました。

もともと宗教的な意味合いもあるゴスペル・ミュージックを日本人が歌うのは……という議論もありますが、今では歌、ゴスペルを愛する世界中の人に親しまれているジャンルと言ってもいいのかもしれません。

アメリカ最大級で伝統あるゴスペルイベント「マクドナルド・ゴスペルフェスト」では、日本人シンガーの優勝歴もあります。ニューヨークで活動中の日本人ゴスペルシンガーもいます。ゴスペル・ミュージックの、懐の深さを感じますね。

ゴスペルにも種類がある?

ゴスペル 歌い方

教会の礼拝で歌われるゴスペル・ソングは、機能的に分けると以下のようになります。

プレイズ・ソング…主には礼拝の最初に置かれるセクションで、集まった会衆全員で1〜3曲程度を歌う。早いビートや躍動的なビートで、多くのケースではクラップ(手拍子)を伴って歌われ、礼拝の開始を華やかに盛り上げる機能を担う。

ワーシップソング…通常はプレイズの直後におかれるセクション。主に向かい、主に対して歌うもので、多くの曲は神様に対して、あなたと二人称で呼びかけるように歌われる。

インスピレーショナルソング…牧師による説教の直前に置かれる事が一般的で、聖歌隊(クワイヤー)が歌う曲。聖書の内容に基づいて他者を励ますようなメッセージや、自分がいかにして神に救われたかなどについて歌う。

オルターコールソング…礼拝の最後に、まだ入信していない人などを牧師が祭壇(オルタ―)に呼ぶ際に歌われます。ゆったりした曲調で、神様に自分を捧げるといった内容の歌。

オッファリングソング…礼拝の中間部に置かれ、会衆に教会への寄付を求める曲。寄付の価値を強調するなど、神の恩恵を思い起こさせる内容の曲が好んで歌われる。躍動的な曲が多い。

コミュニオンソング…キリストの血の価値について語られる歌。教会の宗派や牧師のスタイルにより、明るい曲調も、ゆったりとした曲調もある。

有名なゴスペルシンガー

パワフル&ソウルフルな歌声が魅力的なゴスペルシンガー。海外はもちろんのこと、日本にもたくさんのシンガーがいます。海外・日本で注目すべきゴスペルシンガーと、その動画をご紹介します!

Kirk Franklin(カーク・フランクリン)

アメリカのゴスペルシンガー。ゴスペルにヒップ・ホップなどの音楽を取り入れた、アーバン・コンテンポラリー・ゴスペルというスタイルの曲を歌っています。率いているクワイヤー(聖歌隊)は伝統的なスタイルではなく、ストリート感覚のある洗練されたファッションセンスを持っています。

Hezekiah Walker(ヘゼカイヤ・ウォーカー)

ゴスペルシンガーであると同時に、牧師でもあるヘゼカイヤ・ウォーカー。エネルギッシュなパフォーマンスはアーティスト間でも注目の的となり、セリーヌ・ディオンやジャスティン・ティンバーレイクなど、数多くのアーティストとライヴやレコーディング・セッションで共演してきました。グラミー賞も受賞しており、日本でも人気のゴスペルシンガーです。

Ki-Yo(清貴)

日本でのデビュー後、単身渡米し、ニューヨークやロサンゼルスで精力的に活動してきた清貴さん。全米最大のゴスペルイベントでは40,000人のオーディションを勝ち抜き、初の日本人クワイアーのソリストとして出場し、優勝しています。

2012年5月にリリースした初の英語での配信デビュー曲『#1』はアマゾンジャパンのチャート3部門で1位となり、同曲収録の全編英語のアルバム『Reborn』もポップ部門、ソウル/R&B チャートで1位を獲得。チャリティコンサートやパラリンピックの応援ソングを担当するなど、多くの人に希望を与えている、今注目のシンガーです。

元気になりたいときに♪

ゴスペル・ミュージックには宗教的な意味合いもありますが、大勢の人が絶妙なバランスで歌い上げるパワフルさは、聴く者に元気を与えてくれます。ちょっと落ち込んだとき、元気がないときは、ゴスペル・ソングをぜひ聴いてみてください。きっと前を向くことができるはず。 興味を持ったら、スクールで仲間とともに歌うのもおすすめです♪

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投稿者
関西出身で愛知県在住のフリーライター。3歳の頃から13年間続けたピアノはすっかり忘却のかなたで、今や弾けるのは猫踏んじゃったのみ。高校時代は吹奏楽部でトロンボーンを担当。