【ゴスペル入門講座】歴史や基本からおすすめの練習曲まで一挙解説!
投稿者 :前川久仁子
もくじ
映画『天使にラブ・ソングを…』で有名になったゴスペル。元々は、黒人たちが礼拝で歌った讃美歌です。身体を思いっきり動かしながら、手をたたき、声を合わせる。思いっきりリフレッシュしたい人にはお勧めです!
ゴスペルの発祥は黒人たちの歴史とともにあります。17世紀に、多くのアフリカ人がアメリカに奴隷として強制的に連行されたことは皆さんも良くご存じでしょう。
奴隷として連行された黒人たちは、独自の言語や宗教を剥奪されてしまいます。
過酷な労働を強いられ、人権をはく奪された彼らの心の思いを吐き出すために、密かに口ずさんだ祈りの歌が、ゴスペルの起源と言われています。
「ゴスペル」は「God Spell(良き知らせ)」の略語で「福音」を意味します。キリスト教で「福音」は「神からの良い知らせ」と言うことを意味しています。
教会音楽として発達してきたゴスペルの本当の役割を意味しているのです。
基本的には教会で礼拝のために歌われる曲なので、それぞれにやり方がありますが、聖歌隊などで歌われる場合には、リーダーと呼ばれる曲を進めていく役割を担う人と、コーラスと言う形が一般的です。
形式としては、主に以下の6つに分かれているようです。
①プレイズソング
礼拝への導入のために歌われます。
スピード感や躍動的なビートが多く、手拍子などを使って歌われます。
礼拝の開始を華やかに盛り上げます。
②ワーシップソング
プレイズソングの直後、主に対して歌います。
神様に対して「あなた」と、呼びかけるように歌います。
③インスピレーショナルソング
牧師による説教の前の、聖歌隊賛美です。
聖書に基づいたメッセージや、いかに神に救われたかなどが歌詞となっています。
④オルターコールソング
礼拝の最後に、新たに入信した人を牧師が祭壇に呼ぶ際に歌われます。
ゆったりした曲調で、神様に自分を捧げると歌います。
⑤オッファリングソング
教会への献金を求め、礼拝の中間部に歌います。
献金の意味や、神の恩恵を想起させる内容となっています。
⑥コミュニオンソング
「キリストの血」の真価について歌います。
教会の宗派や牧師のスタイルによって、曲調が変わります。
この6つの賛美を礼拝の進行として歌っていく形になります。ゴスペルはジャンルとしての名称と思われるかもしれませんが、実際には礼拝の進行を担っているのです。
教会の礼拝で聖歌隊などが歌う讃美歌なので、主にコーラスで歌われるのが一般的ですが、曲自体が「ゴスペル」と言うジャンルなので、同じ曲をソロでも歌います。
コーラスは、やはり壮大なハーモニーと、バンドやクラップ(手拍子)の強さなどが醍醐味で、信仰を持っている人の心を激しく打つでしょう。
逆にソロは、無伴奏で歌われることもあり、じっくりと心にしみわたるような賛美になります。どちらも、神様を讃えるために歌われることには違いはありません。その心があるから、「ゴスペル」は特別な音楽になるのかもしれません。
また、「ゴスペル・ダンス」で賛美することもあり、特にフラダンスは実際に手話と同じように手を使って賛美を表現できるので、人気があります。
さあ、実際に「ゴスペル」を歌ってみましょう。ここでは「ゴスペル」を初めて歌う時に必要なことをご紹介しましょう。
「ゴスペル」を歌う時、気を付けたいのは「歌詞」。
神を賛美するために歌う曲ですから、何よりもその言葉が通じないと意味がありません。
原語で歌う場合は、黒人たちの言葉や南部なまりもありますから、やはり調べておきたいですね。発音も違う場合があります。
ソロで歌う場合、リーダーがいないので、その曲を自分でアレンジして歌いますが、そのアレンジの仕方としては、原則として自由です。ただ、大切なのはどの言葉を賛美として使いたいかで、例えば「ハレルヤ」や「マイ・ロード(私の主)」と言う歌詞が出てきた場合、その歌詞を使って何度もメロディーを繰り返して賛美を促すようにします。
一般的なコーラスのやり方は、リーダーが曲と言葉を先導して、それにコーラスが応答するという形です。これは教会の礼拝で実際に歌われる形をとっています。
しかし、コーラスの醍醐味はやはりハーモニーにあります。教会は基本的に良く響くように建設されていますから、声がよりよく響くように、ハーモニーは作られました。
しかり、クラシックの合唱曲とは違って、ゴスペルにコーラスで参加する場合は、個々の声とモチベーションが大切です。
つまり、一人ひとりが力いっぱい声を出し、そのハーモニーが最高潮のパワーとなって神様を賛美する、と言うモチベーションなのです。
なので、例えばアルトにしても、ただ低い声を出すというよりは、身体中に共鳴させるような歌い方をします。ソプラノも、言葉が届くギリギリのところまで地声を使って歌うこともあり、綺麗なハーモニーを想像するとカルチャー・ショックを受けるかもしれません。
しかし、この声の迫力こそが「ゴスペル」の醍醐味で、黒人たちがどうやって思いを吐き出していったか、きっと体感できると思いますよ。
とにかく、身体を良く使って声を共鳴させましょう。
「ゴスペル・ダンス」と言う名前はあまり聞かないかもしれません。新しいジャンルと思われがちですが、「ゴスペル」自体が踊りながら歌うわけですから、共にあったと言えるでしょう。
形は様々で、特に決まりはなく、ゴスペル・ソングに振付をして賛美を伝えるために踊ります。しかし、やはり神様を賛美するために踊りますので、言葉がない分、手の動きや体の向き、顔の向きなどが重要になります。心と身体が伴って言葉になる醍醐味を感じられるでしょう。
やはり踊りながら歌うのが最高体験のゴスペル。踊りだしたくなるような動画をご紹介しましょう!
もっともメジャーな曲と言っても良いでしょう。『天使にラブ・ソングを…』でも歌われましたよね。リーダーとコーラスと言う、オーソドックスな形です。
有名な曲ですが、元々はある牧師の体験から作られた曲です。黒人奴隷商だった牧師がある日嵐に会い、船の難波の危機に遭遇します。神に祈るも、散々あくどいことをやってきた自分なんか神は見捨てられるとあきらめた途端、嵐が収まったという奇跡を歌っています。こういった内容を字の読めない人たちに伝えるために讃美歌は作られたのです。
元々大地や自然の神々をたたえるために踊られたフラダンスですから、神を賛美するために踊られるのも自然ですね。フラダンスは動きが緩やかで、足が大地をしっかりと踏みしめている分、力強く感じます。これも「God Spell」なのです。
色んな形のゴスペルをご紹介しましたが、やはり一人で歌うだけでは難しいこともありますね。そんな時、EYS音楽教室をお勧めします。
やはり「ゴスペル」はしっかりとした声で歌うことが大前提!
独学でも歌うことは出来ますが、ここは専門家からのアドバイスも欲しいところです。EYSでは実力派講師がそろった「ゴスペルコース」が用意されています。ソロでもコーラスでも、まずは基礎からしっかりとレッスンを受けてみませんか?
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悲しい歴史を持っている「ゴスペル」ですが、だからこそ、曲たちには「希望」があります。その希望はこれからも歌い続けていきたいものですね。EYSはそんな音楽も繋げていきます!是非、最初一歩をトライしてみてください!