ある日、出社したら机の上に一枚のアルバムが無造作に置かれていました。
しかも未開封。これは少し前にネットをザワつかせた「Get Wild」だけを36バージョンも収録したという、TM NETWORKの『GET WILD SONG MAFIA』ではないですか。
しかし、なぜここに置かれている??
と、思ったら
「これ今日中に聴いてみて」
とボスがいい放ちました。
「分かりました~」
と軽く返事をした瞬間、目に入ったのが
4時間20分に及ぶ30年間の進化と愛の記録
「Get Wild(以下、ゲワイ)」だけで4時間20分(笑)。
えーっとわたし。世代的にTM NETWORKを聴いて育っていません。しかもそんなに愛が、ない(笑)。同じ曲だけ聴き続けるのは、ヘビーな気がするんですが。しかし、そうも言っていられないので仕事のBGMとして聴き始めました。
と、その前に簡単に彼らの紹介から。
もくじ
TM NETWORK(ティーエム ネットワーク)は小室哲哉(キーボード、シンセサイザー)、宇都宮隆(ヴォーカル)、木根尚登(リズムギター、ピアノ)の3人で構成されるユニットで、1983年に結成、1984年にシングル『金曜日のライオン』でデビューしました。
1990年に名義を「TMN」に変更するも、デビュー10周年となる1994年に活動を休止。しかし、1999年にTM NETWORKとして再び活動を始めました。シングル『Get Wild』は1987年4月8日にリリースされ、アニメ「シティハンター」のエンディングテーマに起用されたことでも有名で、彼らを代表する曲になっています。
2017年4月5日にリリースされたアルバム『Get Wild Song Mafia』は、今もなお愛され進化し続ける「Get Wild」の発売から30年を記念して作られました。これまでに発表された、さまざまなバージョンに加え、ほかのアーティストによるカバーやリミックス曲まで合計36曲収録されています。
い~ちぃ~にぃ~い~
さぁ~ん~しぃ~
わっ、4枚もある。
ディスクの枚数が全体の長さを物語っています。今回は別な原稿を書きながら聴きましたが、テンポがいいからか原稿の進みがいいです。仕事のBGMに適した音楽と、そうではないものがあるのですが、ゲワイの場合は明らかに前者です。さすがコムロさん!と思っていたのもつかの間…
………。
まだ1枚目だけど耳が飽きてきた(小声)…。
なんたってDISC4の1枚だけ、ほかのアーティストによるカバーであって、それ以外の3枚はリミックスしてあったりライブ時の収録だったりと単純なバージョン違いが収録されているだけです。
しかし、新たな楽しみを見出しました。本業はライターですので歌詞も気になります。
アスファルト タイヤを切りつけながら 暗闇を走り抜ける
けっこう怖いんですけど(笑)。
クルマのライトに Kiss を投げては 車道で踊るあの娘
うん、危ないよね。止めましょう(笑)。
途中から単なるBGMではなく、歌詞にツッコミをしながら聴き続けました。DISC3は3曲しか入っていないと思ったら。
イントロ長ッ。いつ歌い始めるの?
歌詞以外にもツッコミどころがあります。DISK4はオーケストラバージョンあり、歌詞を担当した小室みつ子氏の曲あり、石野卓球氏によるリミックスありとかなり楽しめました。個人的には、クレモンティーヌの歌声が今までの曲調とがらりと変わっていたので気分転換ができ、一枚飽きずに聴けたという感じです。
TM NETWORKというかゲワイファンにとっては、至福の4時間20分。たった1曲が、こんなにも違う顔を見せてくれるものだとは驚愕です。小室哲哉氏の実力を改めて知った、みせてもらった感じです。
しかし、わたしは…しばらくゲワイは聴かなくてもいいと思うぐらいお腹いっぱいです(笑)。
このアルバム、じつは同じバージョンが2回収録され、間違いに気付かずに発売になったというのです。
そんなことあるの!?と思ってしまいますが、あるんですね。そこで「すべてのCDを聴いて、どの曲がだぶっているのか探す」ことも、CDが与えられた理由でした。さて、どの曲が間違いだったのかというと…
分かりませんでした(笑)。
気になる方は、ぜひご自身で探してみてくださいね。TM NETWORKの公式サイトにも回答はありますが。ちなみに、公式サイトには正しい曲を収録したアルバムと交換するアナウンスが流れていますが、ネット上では意外な反応がありました。
1曲聴き逃していると思うと、交換してしかるべきと考えてしまうのが消費者心理ですが、さすがTMNファンは違いました。「あえて良品ディスクと交換しないで取っておこう。記念になる」「むしろ、おいしい間違い」といったコメントが多く見られます。アーティストによってもファン層は異なりますが、彼らのファンは懐が深いですね。
ゲワイの世界に浸りたい方、ぜひ聴いてみてくださいね。私のように一日で聴かずとも、通勤・通学など時で少しずつゆっくりと楽しむのもおすすめです。