さまざまなジャンルに対応できる上に、気軽に挑戦できる楽器として時代を問わず人気を集め続けているウクレレ。日本でも古くから親しまれている楽器のひとつですので、趣味として演奏を楽しんでいる方も多く、気になっているという方もいらっしゃるでしょう。
また、ハワイなど南国のお土産としても人気なので演奏はしないものの部屋に飾ってあるなんて方も多いかもしれません。
そんなウクレレですが、近年ではジェイク・シマブクロといったテクニカル系奏者が台頭してきたこともあり、楽器としての表現力・ポテンシャルの高さに注目が集まっています。
そこで、これからウクレレを始めたいと考えている方も増えているようです。
そこで、今回はウクレレを始める前に押さえておきたい基礎知識や練習方法についてご紹介します。
もくじ
冒頭でもご紹介しました通り、ウクレレは日本でも親しまれている楽器ですので多くの方がその外観や音などもある程度はイメージできるでしょう。
しかし、ウクレレという楽器の歴史や役割についてはご存知ないという方が多いようです。
そこで、基礎知識としてまずはウクレレの概要についてご紹介しましょう。
多くの方がウクレレというとハワイをイメージするかと思います。しかし、実はウクレレのルーツはハワイではなくヨーロッパのポルトガルにあると言われています。
ウクレレのルーツとなった楽器はブラギーニャという小型の弦楽器です。この楽器はポルトガルで庶民を中心に愛されてきた楽器でした。
そんなブラギーニャがポルトガル系の移民によってハワイに持ち込まれました。
移民たちの中には楽器職人もいましたが、ポルトガルとハワイでは環境がまったく異なっています。楽器の材料として使うことができる木材もヨーロッパとハワイでは違っています。そこで、職人たちはハワイで簡単に手に入れることができるコアウッドを使ってブラギーニャを作りはじめたのです。
その後、さらにハワイの芸能や土地柄に合うように改良が重ねられて現在のウクレレとなっていったのです。
ウクレレはハワイで広く親しまれるようになり、ハワイアンミュージックには欠かすことができない楽器となっていきます。
現在、日本でも親しまれているウクレレですが日本に入ってきたのは1920年頃のこと。日本に入ってきたきっかけには諸説がありますが、漁業関係者がハワイに立ち寄った際に入手し、日本へと持ち込まれ始めたとされています。
その後、ハワイアンブームが起こり、本格的な輸入がスタート。広く普及して現代に至ります。
1980年代以降になると、ウクレレはハワイアンミュージックのみでなくジャズやポップス、ロックなど幅広いジャンルで使用されるようになりました。
現在、ウクレレはソロ楽器として知られるようになっていますが、この頃からウクレレ1本でさまざまなジャンルの曲が演奏されるようになったことがきっかけです。
ウクレレはサイズが小さく、音量もそれほど大きくありません。そのおかげで気軽に演奏することができますが、その分だけギターなどの他の弦楽器と比較すると表現力が低いというイメージを持たれていました。
しかし、今日ではさまざまな演奏家がウクレレという楽器の魅力を最大限に生かしたプレイを行ってきたこともあり、その表現力・ポテンシャルが再注目されています。
ウクレレという楽器が登場した直後は伴奏やアンサンブルの中で使われるのが一般的でした。
しかし、先ほどもご紹介しました通り、1980年代以降はさまざまなジャンルでのソロ演奏が行われることが多くなりました。
そのため、今日ではウクレレはさまざまな役割を担うことができるようになっています。
もともとは民族楽器に分類されるものから進化してきた楽器ではありますが、西洋音楽などにも使用されるようになってから、ますます活躍の場は広がりました。
これからウクレレをはじめるにあたって、まずは楽器を手に入れる必要があります。そこで、続いては初心者向けにウクレレの選び方をご紹介しましょう。
ウクレレにもいくつかのボディシェイプがあります。中でも一般的なのがスタンダード型とパイナップル型です。
初心者の方はこの2種類から選ぶのがおすすめです。
スタンダード型は中央がくびれた形のもの。多くの方がウクレレといえば真っ先にこのシェイプをイメージするでしょう。持ちやすく、ウクレレらしい音色を楽しむことができます。
パイナップル型はその名の通り、パイナップルのような楕円形に近い形のもの。こちらはスタンダード型と比較すると内部の空間が広いのでより音量も大きく豊かな響きの音色を楽しめます。
それぞれに魅力がありますので、できれば一度試してみてはいかがでしょうか?
▼ Aostin UMI-1C PRO
定番のスタンダード型のウクレレ
▼Famous FS-4PG
もうひとつの定番・パイナップル型
ボディシェイプの他にもウクレレにはいくつかの種類があります。プレイアビリティや音色、用途も合わせてサイズもしっかり選ぶ必要があります。
ウクレレのサイズは小さいものから順番にソプラノ・コンサート・テナー・バリトンに分けられます。
ウクレレとしてもっともポピュラーなのがソプラノです。単にウクレレといった場合はソプラノサイズを指します。
サイズが小さいこともあって可愛らしい音色を楽しむことができます。
続いて、コンサートはサイズが大きいこともあって音量も大きく、スケール(弦長)も長いので音程も安定しています。そのため、ソロ演奏に向いています。
テナーはさらにサイズやスケールが長くなりますので音量も非常に大きい一方で初心者の方には少し弾きにくいかもしれません。しかし、音程もとても安定していますので上級者やプロ奏者にも愛用されています。
最後にバリトンはもっとも大きなもので、チューニングも他のウクレレとは異なっています。ソロ演奏にも使われますが、ハワイアンミュージックのアンサンブルなどでも多用されます。
このように、サイズによって特徴は異なります。これからウクレレをはじめるという方にはソプラノかコンサートがおすすめです。特にコンサートであれば近年人気のウクレレソロ演奏も楽しみやすいのでおすすめです。
ウクレレの材質にもさまざまな種類があります。もっともメジャーなのがハワイに自生するコアウッドです。初期のウクレレのほとんどがコアで作られていました。
コアの特徴としては美しい杢目と軽快な音色です。スタンダードなウクレレが欲しい方はこのコア材のものを選べば間違いないでしょう。
ただ、難点としては近年ではコア材が不足しがちで、伐採も厳しく規制されるようになっています。そのため無垢材のものになるとかなり高価になってしまいがちです。
コア材に次いで多いのがマホガニーです。ギターなどにも使われる材ですのでご存じの方も多いでしょう。
コアと比較すると甘い響きの音色が特徴です。
価格もコアと比較すると価格も比較的安価で、入手しやすいこともあって初心者の方にもおすすめです。
この他にもメイプルやスプルース、ローズウッドなどのウクレレがありますが、やや癖がありますので、初心者の方はまずコアやマホガニーのものから試してみることをおすすめします。
続いては気になる予算について考えてみましょう。
今日ではさまざま価格帯のウクレレが登場しています。安いものであれば5000円程度から購入することができます。
とはいえ、材にこだわりたいのであれば1万円以上のものを選ぶことになるでしょう。先程もご紹介しましたが、コア材のものになるとかなり高価になり、合板のものであっても3万円以上はします。
ウクレレは他の楽器と比較するとアクセサリー類などはそれほど揃える必要がありませんので、楽器そのものにお金をかけることができますので、少し高価であっても満足できるものを選べばモチベーションの維持にも繋がります。
続いてはウクレレをプレイする上で揃えておきたいアイテムをピックアップしてご紹介しましょう。
ウクレレなどの弦楽器を演奏するために欠かせないのがチューニングです。かつてはピッチパイプや音叉などでチューニングは行われていましたが、今日ではチューナーを使用するのが一般的です。
ウクレレの場合、音をマイクで拾うものよりもヘッドに取り付けるクリップ式のものがおすすめです。
価格的にも数千円程度から購入することができますので本体と同時に購入しておきましょう。
ちなみに、ウクレレ専用のものも販売されていますがギターやベース用のものでも使用可能です。
リズムキープの練習に欠かせないのがメトロノームです。基礎練習にしても、実際に曲をプレイするにしてもメトロノームで正確なリズムをキープすることが大切です。
昔ながらのアナログ式メトロノームも良いですが、近年ではコンパクトで安価なデジタルメトロノームも増えていますので気軽に購入できます。
実際に自分の演奏を録音してみることも上達のポイントとなります。そこで、ICレコーダーなどを用意しておくと練習に役立てることができます。
最近のスマホにはレコーダー機能がついているものも増えています。そこで、専用のレコーダーを用意できない、予算に余裕がないという方はスマホでも代用することができます。
続いてはウクレレを上達するためのポイントをご紹介しましょう。ウクレレは一見すると簡単な楽器というイメージを持たれるかもしれません。ですが、実はとても奥深い楽器です。なので、効率的な上達を目指すことが重要なのです。
これからウクレレをはじめるにあたって、最初の悩みとなるのが独学で練習をするのか、音楽教室に通うのかという点です。
結論から言ってしまうと、効率的に練習をすることができれば独学でも十分に上達することが可能です。
とはいえ、まったくの初心者の場合は何をすればいいのかわからないという方がほとんどでしょう。結果として、最初から効率的な練習をすることができないケースが多いのです。
そこで、より効率的に上達したいのであれば音楽教室などに通うことをおすすめします。
音楽教室であれば本人のレベルや目標に合わせたレッスンを受けることができます。
EYS音楽教室でもウクレレレッスンを行っています。まったくの初心者から上級者まで目標に合わせたオーダーメイドレッスンをご用意しております。
無料体験レッスンも実施していますので、これからウクレレをはじめたいと考えている方は一度参加してみてはいかがでしょうか?
【キャンペーン中!】今なら入会すると無料でウクレレがもらえる!【EYS音楽教室】
続いてはウクレレをプレイする際の基本的なフォームをご紹介します。
まずはウクレレの持ち方です。ボディをみぞおちのあたりに持ってきて右手でボディの肩の下部分を支えます。
そして、右手の親指の根元にウクレレを置くようにして安定させます。
こうしてしっかりと本体を保持することによって、安定したピッキング・フィンガリングができます。
ただ、近年ではストラップなどを使用して本体を支えるというスタイルの方も増えています。
ウクレレの持ち方は最終的に好みによって決まる部分もありますので、まずは基本的なフォームをマスターした上で、好みに合わせて変化させていくのもいいでしょう。
続いては右手でのストロークです。
今日ではさまざまな奏法が登場していますが、基本となるのはダウンストロークとアップストローク。
まず、ダウンストロークは人差し指で、曲げた指をまっすぐに伸ばすような感覚で弦に爪を当てます。
続いて、アップストロークはダウンストロークで伸ばした指を曲げなおすように、指の先で弦をかきあげるよう当てていきます。
これを交互に繰り返せるようになればリズムを刻むことができるようになります。
ストロークをマスターしたら、コードを覚えていきましょう。
ウクレレのコードも他の楽器と同様に無数にありますが、基本となるのはC、F、G7の3つです。
この3つを覚えるだけでウクレレらしいサウンドを楽しむことができます。また、いずれも押さえやすいので指板を見なくても弾けるようになるのが理想です。
基本的なストロークやコードの練習ももちろん重要ですが、ウクレレという楽器をもっと楽しむためには実際に曲をプレイしてみることも大切です。
そこで、最後にウクレレ初心者にぴったりな練習曲をご紹介します。
最初にご紹介するのはハワイアンミュージックの定番であるアロハ・オエです。
この曲はなんとたった4つのコードのみで構成されており、リズムも一定なので初心者向け練習曲の定番となっています。
何よりもウクレレという楽器の魅力をしっかりと楽しむことのできる曲となっていますので、ウクレレを手にしたら最初に挑戦したい曲です。
この他にもハワイアンミュージックの定番曲はコード進行、リズムともにシンプルなものが多いので初心者の方にぴったりです。
初心者向けハワイアン練習曲集なども販売されていますのでチェックしてみてはいかがでしょうか?
▲『ウクレレで「ハワイアンの弾き語り」ができるようになる本』リットーミュージック・ムック
こちらは人気ロックバンド・スピッツの代表曲です。もともと、ウクレレが使われている曲というわけではありませんが、コード進行やリズムもとてもシンプルな曲なので、ウクレレ初心者の練習曲にぴったりです。
ウクレレでポップスやロックの弾き語りに挑戦してみたいという方にもおすすめです。
この他にもスピッツの曲としては「ロビンソン」や「涙がキラリ☆」などシンプルなコード進行の曲が多いのでウクレレ弾き語りでは定番になっています。
BEGINの大ヒット曲です。もともとは沖縄の民族楽器である三線やギターなどで演奏されている曲ですが、ちょっと切ないメロディとウクレレのサウンドがぴったりとマッチします。
また、コード進行もウクレレでとても弾きやすいものばかりで、1~3フレットまでですべて完結してしまう1曲となっています。
ウクレレといえばハワイがイメージされるかもしれませんが、同じ南国ということもあって沖縄の音楽にも似合う楽器なのです。
ウクレレという楽器はとてもシンプルながら、奥深い魅力を持った楽器でもあります。そのため、幅広い層の方の人気を集めています。
今回ご紹介した基礎知識や練習のポイントが、これからウクレレをはじめようと考えている方の参考になれば幸いです。