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JUN,2017
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初心者のためのフルートガイド。じつは10種類も!?音色や機能の違い

# 楽器

投稿者 :吹原紗矢佳

澄んだ音色が美しいフルート。オーケストラのようなクラシックからジャズなど、いろんな場面で活躍しています。そんなフルートにも、実は、リコーダーのようにアルトやソプラノといった種類がたくさんあるんです。種類が違えば音色も異なってきます。

今回は4種類のフルートをピックアップ。その音色や特徴を、動画とともにご紹介します!フルートの豆知識、知れば人に話したくなるかも!

フルートは1種類じゃない!

フルートは木管楽器の一種で、リードを使わないエアリード式の横笛です。みなさんがよく見かけるのは、「コンサート・フルート」「グランド・フルート」と呼ばれるもの。リコーダーにもソプラノやアルトといった種類があるように、フルートにも種類があるってご存知でしたか?

音域が高い順に、ピッコロ、ソプラノ・フルート、フルート・ダモーレ、アルト・フルート、バス・フルート、コントラバス・フルートというように、なんと10種類以上ものフルートが存在するんです。

「フルートオーケストラ」の動画では、普段はなかなかお目にかかれない種類のフルートを見ることができます。管が短いもの、曲がっているもの、太いもの……こんなにたくさんのフルート、見たことないですよね?

そもそも、フルートオーケストラ自体が珍しいですよね。中には立って吹かなければならないほど大きなものもあります。これが一番気になりますよね(笑)。

こちらが「コンサート・フルート」の音! よーく覚えておいてくださいね。次に、「ピッコロ」「アルト・フルート」「バス・フルート」「コントラバス・フルート」4種類のフルートをご紹介します。聴きくらべてみてくださいね♪

ピッコロ

フルート 4種類

構造はコンサート・フルートとほぼ同じですが、同じ指使いで1オクターヴ上の音を出せるのが「ピッコロ」。フルートの派生楽器で、フルートの全長が約65cmであるのに対して、ピッコロはその半分。歌口のある頭部管とキーのある胴部管は分割することができ、頭部管を胴部管に差し込む長さによってピッチを調整します。

独奏や室内楽ではあまり使用されず、オーケストラや吹奏楽では登場の機会も多いですね。とてもキレのある音なので、吹奏楽のように金管楽器のボリュームある音に混じっていてもしっかりと聞き取れます。

ピッコロが使用されている曲のメジャーどころといえば、吹奏楽経験者にはおなじみの『星条旗よ永遠なれ』(作曲:スーザ)でしょう! この動画の2:00あたりからピッコロパートが始まります。パキッとした音色が、行進曲の勇ましい雰囲気に優雅さを与えてくれます。

アルト・フルート

アルト・フルートは、コンサート・フルートよりも一回り大きく、それによってさらに低い音を出せます。長さが約90cm、重さはコンサート・フルートの約2倍! コンサート・フルート慣れしている方にとっては、最初はツライかもしれませんね。

頭部管がU字型になった曲管もあります。

フルートオーケストラでは、アルト・フルートは対旋律(主旋律を効果的に補う形の別のメロディのこと。別名オブリガート)を受け持つことが多く、管弦楽のヴィオラのような役目を果たします。そのほか、近代以降の管弦楽曲や、ジャズで使われる機会が比較的多め。色気のある音がジャズやボサノヴァにぴったりですよね♪

バス・フルート

アルト・フルートよりもさらに下の音域を担当するのがバスフルート。長さは伸ばすと約1.3mにもなり、重さはコンサート・フルートの約3.5倍! コンサート・フルートと同じ運指で、1オクターブ下の音が出ます。

頭部管がU字状に曲げられていて、見た目で明らかに太くて大きいのがわかりますよね! 戦後の現代音楽では比較的よく使われました。現在では、独奏曲や室内楽曲に多用されます。

こちらの動画だと、低音のロングトーン(長くのばす音)がよくきこえます。低音といえども、単に「野太い」という訳でもなく、どこか牧歌的な雰囲気もありますね。和楽器の尺八にも似た、シブい一面もあります。

フルート 選び方

日本には、クラシックフルート奏者として長いキャリアを持つ渡瀬 英彦氏と、ポップスミュージックの世界でキーボード奏者として活躍してきた寺田 正彦氏によって結成されたバスフルートのクロスオーバー ユニット『BUSUYA(バスヤ)』があります。

全国各地でコンサートを行っており、バス・フルートの魅力を伝えています。CDも発売されているので、興味のある方はぜひ聴いてみてください♪

コントラバス・フルート

初心者のためのサックスガイド。9種のサックスの特徴を知ろう」の記事でも登場したのが、通常サイズよりもはるかに大きい楽器。フルート界にも同じような大きいものがあるんですよ。その名も『コントラバス・フルート』。バス・フルートの1オクターブ下、コンサート・フルートの2オクターブ下の音域をカバーします。

数字の「4」のような形をしていて、大きさは人の身長ほど! と言っても分割できるので、運搬には問題ありません。

フルートといえばフルートなのですが、なんだか別物のようにも思えてしまうようなビジュアル! そして音色も、私たちが聞き慣れたフルートの音からは想像できないほど、太く・低く、響く音ですね。木管楽器のファゴットに似たような響き、弦楽器のコントラバスのような艶もありますね。

これだけ大きい楽器だから、吹くのも相当大変そうですよね。こちらの動画では、詳しい吹き方まで解説されています。音を出すのは意外と簡単だけど、“良い音”を出すのは簡単ではないそうです。

こんなに種類があったなんて……

こんなにたくさんのフルートがあったなんて、知らなかった!という方も多いのではないでしょうか。特に、コントラバス・フルートに衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか(笑)“楽器”って、本当に奥が深いですよね。

他の楽器にも、こういった音域の違うものがたくさんありそうですね。もしアンサンブルを聴けるような機会がめぐって来たときは、ぜひ参加して、生でその音を聴いてみてくださいね。

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投稿者
関西出身で愛知県在住のフリーライター。3歳の頃から13年間続けたピアノはすっかり忘却のかなたで、今や弾けるのは猫踏んじゃったのみ。高校時代は吹奏楽部でトロンボーンを担当。