女性ボーカルの音域の広さは？種類・平均・違いを徹底解説！
投稿者 :ミュージックレッスンラボ編集部
もくじ
ボーカリストを目指したいと思ったあなた、恐らく、自分でも周囲からも「歌が上手い」とお墨付きではないでしょうか？でも、実際に歌いたい歌と、自分の声は少し合わないような気がする。どうしても出ない音がある。
その曲、もしかしたら音域が合っていないのかもしれません。
まず、具体的に「音域」について、説明しましょう。
単純に「音の範囲」のことを「音域」といいます。「ドレミファソラシド」をひとくくりとして「1オクターブ」といいますが、「音域」とは、持っている声が何オクターブ出るのかの範囲のことを言うのです。もちろん、声に限らず楽器も、音が出るものは音域と言う言葉を使います。楽器が持っている音の高低の幅のことを指すのは同じですね。
まず声の音域のことを「声域」といいます。この声域には、「生理的声域」と「声楽的声域」という2つの大きなくくりがあります。
歌の声域の場合は、当然「声楽的声域」の意味で使われますが、「生理的声域」というのは奇声や声にならない声も数えるので、音域でいえば、「声楽的な音域」よりも広いのです。
人間の声域は、赤子の時は音域と呼べるものはほぼ無いのですが、成長と共に声帯が長くなること、会話能力の向上することなどと共に、特に低音へ向けて拡がっていきます。そして年齢と共に声変わりを繰り返し、定着していきます。それ以降、声域に大きな変化は無くなりますが、発声技術を向上させれば、さらに声域を広げることも可能です。
なので、声楽的訓練を受けたクラシックの歌手などの音域は、ファルセットも合わせると、4オクターブなど拡がっていくのです。
特に訓練されていない、一般人の音域はおよそ2オクターブくらいですが、声楽家の場合はさらにプラス2～2.5オクターブ広くなります。
更に、PAを使用することで、声を調整できることから、ポップスやジャズ歌手の音域はさらに広がることが可能です。ファルセット（裏声）を得意とする歌手は3 〜 4オクターブ。ホイッスルボイスなどを使用する歌手は5オクターブを超えることもあるほど。
マライア・キャリーは7オクターブの声域を持つというキャッチコピーを持っていますね。
実際は、音波のように聴こえるような音の高さまで「声」として出せるということでしょう。
「音域」と言うことを理解できたところで、自分の声の音域がどれだけの広さを持っているのか知りたくありませんか？
主にはクラシックの種類分けですが、どのジャンルの歌手にも共通して使われる名前ですので、覚えましょう。
一番高音域を持つのはソプラノと言います。クラシックの場合は、ハ長調の最初の「ド」の音から始まって、2オクターブとそれ以上の3音くらいまで発声します。
その一つ低い音域をメゾソプラノといい、同じくハ長調の最初のドから1オクターブとそれ以上3音くらいの音域です。
そして、更に低い音を歌うのがアルト。こちらはハ長調の最初のドから下の方に三つくらい下がる音と上に1オクターブくらいが音域とされています。
実は、女性の声種に関しては、発声練習自体は、同じ音域を使うことがあります。例えば、アルトの人でも、ソプラノの人が出す高い音まで発声をします。声自体は高い声も低い声も同じように出るのですね。
何が違うかというと、単純に声の質です。明るく、軽い声ならばソプラノですし、ソプラノほど明るくないけれども、重い響きではないとなれば、メゾソプラノ。深く太めの声ならば、アルト。その声の響きが一番良いのが、それぞれが持っている音域だと理解してください。
これは難しい問題かもしれませんが、女声は様々な声が出ます。ヘルツにすると、超音波なみの声でも「歌」といってしまえば、そうなることも。
効果として使うこともありますし、それを「音域」と捉えるかどうかは、個々人のアーティストたちのセンスと才能ということもあるでしょう。
しかし、使える音に変えていく訓練をしていけば、十分に「声」と呼べるものになっていきます。マライア・キャリーや古くはオリビア・ニュートンジョンなどは、そうやって「音域」を拡げているのです。
「7オクターブの声域を持つ歌姫」マライア・キャリー（Mariah Carey）。バラード一つ歌っても、多様な声の使い方をしています。彼女の元の声は、まっすぐな少年のような声ですが、ファルセットを使う時、少しハスキーな息を混ぜたり、ピンと張ったような声にしたりと、多様に変化させていきます。それを聴いていると、音域が広く感じますよね。
クラシックのソプラノの声種の一つで「コロラトゥーラ」をご紹介します。この声種は、実は男声のテノールと同じ音域と言われています。なので、女声としては低い音を歌っていることになるのですが、声の響きが合っている音がソプラノより1オクターブほど高いので、音域としては3オクターブと言われています。田中彩子の声の響きを聴いていると良くわかるのですが、コロコロと音を転がす部分になると、ほとんど共鳴だけで音が聴こえてくる感じがおわかりでしょうか？声を超えて、楽器となっています。鐘がなる音を思い出していただければよいかと思います。
ミニー・リパートン（Minnie Riperton）の大ヒット曲で、誰もが一度は聴いたことがあるのではないでしょうか？特にサビの「ラララ」の後の、超音波的なファルセットは有名でしょう。ホイッスルボイスとも言います。
この声が出せるのも彼女ならではと思いますが、これだけ響きがちゃんとしたホイッスルボイスだと、立派な「音域」を確立しています。恐らく喉の奥の方から響きに向けて声を当てるという歌い方でしょう。穏やかなラブソングに正に口笛のようで、耳に残りますよね。
ハスキーなアルトが魅力のAI。ダンサブルな曲ですが、高い音も低い音も上手く取り入れられていて、彼女の音域の広さがうかがわれます。
ただ、マライア・キャリーのようにファルセットなどを駆使するのではなく、恐らくAIが自然に声が届く範囲と言う、楽な音域で歌っています。だからなのか、彼女の曲の空気はいつも穏やかな感じがします。歌っている方も無理がないのでしょう。
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