【ユーフォニアムの初心者必見!】楽器の基礎知識やその魅力を現役プロが解説
投稿者 :河野岳美
もくじ
皆様はユーフォニアムという楽器をご存知でしょうか?ユーフォニアム、略してユーフォ。知名度の低さから未確認物体UFOとからかわれた時代も今は昔。アニメ『響け!ユーフォニアム』のヒットと共に、知名度も人気度も右肩上がりのユーフォニアム。実際、音色の美しさに管楽器を知らない人たちから「やってみたい!」という声も非常に多く聞きます。今回はユーフォニアムを知らない方向けにどんな楽器なのか解説していきましょう。
このユーフォニアムという楽器の始まりは、1843年にヴァイマールのコンサートマスターであるフェルディナント・ゾンマーという人が開発したゾンメロフォンという楽器からという説が最も有力です。
一方ベルギーでは、あのサックスを開発したアドルフ・サックスが同じ1843年に同一の音色で高音域から低音域までカバーする一連の金管楽器「サクソルン」を製作。1845年に特許を取得し、このサクソルンのうち低域を担当するバスサクソルンのボア(管の内径)を拡大し、イギリスで発展し続けたものが現在のユーフォニアムになったとも考えられています。
ゾンメロフォンの開発された翌年1844年にウィーンのフランツ・ボックとフェルディナント・ヘルがゾンメロフォンの改良版「オイフォニオン」を製作。このオイフォニオンはゾンメロフォンのボアをさらに拡大させた現在のユーフォニアムに近い太さの楽器で、これがユーフォニアムの始まりというのか現在の一般的な説です。
中低音金管楽器は世界各国でそれぞれ独自の発展をした楽器が存在するため、日本、イギリス、アメリカなどで用いられるユーフォニアムを始め、フランスにおいてはサクソルン属のバスとして発展したサクソルン・バス。ドイツ式バリトン、アメリカ式バリトン・ホーン、英国式金管バンドやフランスのファンファーレで用いられるサクソルン属のバリトン・ホーンなど、ユーフォニアムの役割を相当する金管楽器は各国で現在も使われています。
歴史的に発明されて方まだ200年も経っていない金管楽器としては新参者なユーフォニアム。どのような音楽で使われているかみてみましょう。
日本で吹奏楽部のない学校は数少ないでしょう。読んで字のごとく「吹いて奏でる音楽」なので管楽器主体の音楽ですね。この吹奏楽においてユーフォニアムは旋律から伴奏まで幅広く役割を与えられソロも少なくありません。どうしてもトランペットやフルート、サックスなどの音の派手さに負けて影に隠れてしまう印象ですが、音楽的には花形といって過言ではありません。
サクソルン属の金管楽器を中心とするブラスバンドの形態。日本では馴染みないですが、本場イギリスでは町に一つはバンドがあると言われるほど地域に密着した存在として普及しています。この形態のバンドの中でのユーフォニアムはソロパートとしての役割を担っていて、他のパートに比べて比較的独立したセクションとして扱われています。曲によっては「ソロ・ユーフォ」というポジションがあるくらいに主役級の扱いです。
オーケストラの中にユーフォいたっけ?とお思いの方が大半でしょう。その通り、基本的なオーケストラの編成にユーフォはいません。モーツアルトやベートーヴェン等々、有名な作曲家が活躍した時代にユーフォはまだなかったんですから当然ですね。しかしそんな作曲家たちもこのユーフォニアムの音域でトロンボーンとは違う音色を欲していたのも事実で、テナーチューバ、バリトンホーン、バストランペットなどの楽器は登場してきます。ムソルグスキーの「展覧会の絵」ではテナーチューバのソロがありますが、音域が高いため現代ではユーフォニアムで演奏することが通例になっています。オーケストラの中でのユーフォ探ししてみると意外な曲で使われてたりするので是非探してみてくださいね。
アンサンブルやファンファーレなどでも使用されますが、ここ最近ようやく表に聞こえるようになってきたのはジャズの世界です。古くはフレディ・ハバードの「Ready for Freddie」というアルバムでしっかりとソロで使用されています。日本人ジャズユーフォニアム奏者も増えてきていますし、今後のジャズ界におけるユーフォニアムの存在は面白くなってきそうですね。
いかがでしょう?ユーフォニアムってトランペットやサックスのような固定イメージがないので逆に興味そそられませんか?近代の楽器なので機動性もあるし、そもそも語源の“euphonos”はギリシア語のeu=良い、phone=響きに由来するほど素晴らしい音色を持つ楽器です。興味を持ったらやってみたいとなりますよね。
実際、どうやって始めたら良いのかわからない方も多いと思います。中学校の部活で割り振られて始めた方も多いと思います。世間的にはマイナーな部類の楽器なので、周りの方で教えてくれるような人もいらっしゃらないかと。そんな時は思い切ってプロに教わってしまうのが一番の早道です。ユーフォニアムのプロって他の楽器に比べれば少ないかもしれませんが、みなさんユーフォニアムを愛してやまない方ばかりです。ユーフォニアムを取り巻く環境を実際に肌で感じてきた方達なので面白い話もたくさんお持ちですし、親身に相談に乗ってくれます。ぜひ一度レッスンを受講されることをお勧めします。
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ユーフォニアムのコースがある教室も数多くありませんが、複数の講師が在籍しているのもEYS音楽教室ならでは。さらにユーフォニアム奏者にありがちな、急にトロンボーン吹かなければいけなくなったみたいな状況でも安心。スライド分からないからトロンボーンのレッスン受けたいと思ったら受講できます。実はフルートに憧れてて吹いてみたい、歌が好きだからボイトレも受けたい。こんな希望も同じレッスン費用で出来てしまうんです。
やりたいことを実現するためのレッスンですから、やりたいことができる環境というのは非常に大事です。
今回はユーフォニアムという楽器について簡単に解説してきました。吹き方やお勧め楽器などはまた他の記事で取り上げさせていただきますが、生演奏聴いてみたいとか実物触ってみたいなんてところから興味を持ってもらえれば幸いです。CMなんかでもユーフォニアムの音は使われているので、ぜひ色々と探してみてくださいね。