【コントラバスは楽器初心者でも弾けるのか?】基本練習のポイントやおすすめ曲をご紹介
投稿者 :程嶋日奈子
オーケストラで使われる弦楽器の中で最も低い音を鳴らし、とにかく「大きい」コントラバス。 実はこのコントラバス、「大人が初心者から始めやすい楽器」だということをご存じでしたでしょうか?この記事では10年間音楽教室でコントラバスを教え続けている身長152センチの筆者が「初めてでも」「小さくても」コントラバスが弾けてしまう理由をお伝えします。
もくじ
「コントラバス 」-この記事を読み始めてくださった皆様ならどんな楽器かご存知ですよね。そうです。あのオーケストラの弦楽器の一番後ろでとにかく大きくて目立っている、あの楽器です。 コントラバスは多くのアンサンブルの中で最も低い音を鳴らしている楽器。実はこの楽器、大人でも始めやすいというのはご存じでしたか?
私がレッスンをしてきて感じる大きく理由は二つ。
①そもそも楽器が大きいからバイオリンやチェロに比べて「小さいころから 」弾いている人が少なくて初心者でも気兼ねなく始められる。
②低音楽器で伴奏に回ることが多いので音の数が少なくて合奏に参加しやすい。
③なんとなく「ぼん!」と弾けばとりあえず音はでる。
この三つです。
しかも大人になってから「コントラバスを弾いてみたい」と言う方、本当に多いのです。
さて、ではなぜコントラバスデビューをする人が大人に多いのでしょうか?
実はアンサンブルをよく聞いていると、コントラバスの音の動きというのは音楽全体に対して与える影響がとても大きいことがわかります。
しかもこのコントラバスの低音の響き、何となく渋いですよね。
同じ低音楽器と比べても木の楽器特有のアコースティックな響きもあるし、しかもコントラバスを持って立っている姿はかっこいい・・・。
実は「テレビやコンサートで見てコントラバスがすごくかっこよくて、この体験レッスンで初めて触ります!」という方、とても多くいらっしゃるのです。
体験Lessonの帰りに「コントラバスを弾いている写真を撮ってください!」とおっしゃる方も。(もちろんご対応させていただいています!)
特に大人の方で「今まで音楽の経験がない」という方も非常に多いです。
よくご質問があるのですが、実は「ウッドベース」=「コントラバス」同じ楽器なのです。
ジャズやロカビリー、ロックでも「ウッドベース」という言葉を聞いたことがある方も多いかと思います。が、実は「ウッドベース」という言葉を海外で耳にすることはほとんどなく、一般に「ダブルベース」「コントラバス」あるいは単に、「ベース」と言われます。
実は私自身もこの習慣自体を知ったのはコントラバスを初めて少し経った後の時なのですが、あるキューバ人の著名なラテンピアニストがコントラバス奏者を「On the Contrabass-」と紹介していたのでいろいろと調べたのがきっかけでした。
そう、つまりコントラバスは非常に多くのジャンルに対応できる楽器なのです。
さて、では早速楽器を構えてみましょう。
体験レッスンに来られる方の多くの方が言われることが、
「こんなに大きいのですね!!」
「結構重いのですね!!」
という事。そう、実際持ってみるとコントラバスってやっぱり大きいです。そしてそれだけ大きければやっぱり体にもたれかけて過ぎてしまうと「重い 」 と感じてしまいます。でもここで力んでしまっては疲れてしまいますし、手、痛いですよね・・・。
コントラバスだけでなく楽器は基本的に力を入れて演奏しなければならないようなことはほとんどありません。
まずはリラックスしてください。コントラバスはエンドピンと呼ばれる足の部分を床につけて演奏しますし、楽器を立てて無理なく持っていられる姿勢を作ればそんなに重くもないはずです。
では具体的に少しだけ、コントラバスを楽に弾いていく方法やその理由を書いてみたいと思います。
今ではそんなに珍しくなくなりましたが、私が普段活動しているジャズの業界で女性のコントラバスプレーヤーというのはもともとはとても少なく、小さな女性がコントラバスを弾いているということでとても珍しいと言われることが多かったように思います。
では小さな私がなぜ大きなコントラバスを弾くことができるのでしょうか。
一番のコツは先ほども書いたリラックスです。コントラバスは右手で 弓と言われる長い毛がついたもので弾いたり、弦をはじいたりして音を出して、左手で弦を押さえて音程を決める楽器です。
一般的なサイズのコントラバスであれば、私の身長でも先ほど書いたエンドピン(足の部分)を一番低くしておけば最も上の位置の音を左手でおさえることもそんなにつらくありません。辛くなってしまうのは先ほども書いた立ち方の問題で楽器を倒し過ぎてしまったり、肘が曲がってしまって右手の弓の位置が決まらなかったりすることからです。力まずに背筋や腕を自然に伸ばしておきましょう。
「そうは言ってもこんな太いネック(柄の部分)を押さえるなら力がいるのでは?」
と思った方、大丈夫です。コントラバスは写真を見てもわかるように、特に初めのうちに使う音は肩より上の位置で左手を押さえることが多いのです。これを利用して腕の重さでぶら下がるようにして左手を押さえていくと楽に抑えることができます。これは各種弦楽器に共通した話なのですが、 逆に あまりにも弦を握りしめてしまうと楽器の響きが止まってしまってうまく音が出なくなります。
右手に関しても同じで、自分の腕の重さを使って弾くと驚くほどすんなり音が出ます。現に右手を押し付けるよりも腕の重さ、つまり「重力」をつかったほうがかかる力も大きく、弾くのも楽なのです。
ヘ音記号って何?というかた。これです。
低音楽器の音符を書くのに使われるものですね。コントラバスの曲もヘ音記号で書かれていること、多いです。
ですが、大人の方が音楽を始める場合、実は「楽譜」がネックになってしまうことが多いように思います。
初めて触る楽器を楽譜を読みながら弾かないといけない。これは新しい習い事をなじみがない言葉で習う・・・例えばヨガを中国語で習うようなものでしょうか。非常に高度なことです。特にヘ音記号は「読めない」と言う方が非常に多いです。
初めての楽器はそれだけでも知らないことが多いですし。恥ずかしいと思わずにまずはドレミを振ってみてもいいし、メロディーを歌えるような曲から練習し始めるといいと思います。
さて、いよいよ楽器に慣れてきて本格的に「コントラバス」の曲が弾きたい、となったらおすすめはこの曲。
サン・サーンスの謝肉祭のなかの「象 」 (Carnival of animals -The Elephant/Saint-Saens)
クラシックの曲の中でもコントラバスと言えば!と言われる曲の一つです。
動物の謝肉祭はとても有名な組曲ですが、その中で「象」はコントラバスが主旋律、ピアノが伴奏を弾くまさにコントラバスの見せ場です。
様々なコントラバスの曲集にもおさめられています。
とはいえ。初めは譜面を読んだりするより知っている曲のほうが・・・。と言う方も多いはず。先ほども書いた通り知らない楽器を楽譜を読みながら演奏するのは大変。
そんな時は耳なじみのあるポップスの曲をドレミで覚えて弾いてみてはいかがでしょうか?特に音数が多くない日本の曲などはコントラバスで弾きやすいことも多いです。
どうせ始めるなら基礎からしっかり学んで本当にうまくなりたい・・・。
そんな本格思考な方もいらっしゃいますね。実は私が初めてコントラバスに触ったのは今から25年も前なのですが、当時も今もコントラバスのエチュードと言えばこれです。
シマンドル: 新コントラバス教本 第1巻 (英語/日本語版)
/カール・フィッシャー社
他にもよく進められるものとしてはこちらもあります。
朝練 コントラバス 毎日の基礎練習30分 永島義男 著
シマンドルがちょっと分厚くて内容的にも気が引けてしまう・・・という方が朝練コントラバスを選ばれるケースも多いですし。その名のとおり、朝ウォーミングアップに弾くためのエチュードなので、毎日繰り返し練習するのもおすすめです!
とはいえ、やはり「弾きたい音楽」ってありますよね。
そしてそこまでの道筋があまりに遠く、基礎練習ばかりの日々だと・・・モチベーションを保つのは大変ですよね。
ご安心ください!EYS音楽教室はあなたの弾きたい音楽を弾くための音楽教室です。もちろんある程度の基礎は必要ですが、EYSの講師なら最短で皆様の弾きたい曲のレッスンを開始できます。
例えば曲を丸々弾けなくても曲の一部を弾いたり、少し簡単にアレンジしてCDと合わせて弾いたり、そんなことも可能です。これはカリキュラムがあるような音楽教室との一番の違いで、私たちはこれを「オーダーメイドレッスン」と呼んでいます。
記事の始めに書いたように、実はコントラバスは低音部の楽器なので、合奏で弾かなければならない音数もあまり多くなく、実は初心者でも合奏に参加しやすいのです。
「そうはいってもいきなりオーケストラにはいるのは・・・」と言う方もご安心ください。EYSのなかでは音楽教室に通っている方同士の合奏活動も行われていますし。もちろん担当講師もつきます。
さらに「ユビフェス」と言われるイベントでは初心者でもEYSでアレンジされた曲を講師と一緒に同じパートを弾くことで、同じように楽器を始めたばかりの方と演奏会を行うこともできます。もちろんお友達をお客様にお呼びしていただくことも可能です。ステージに立つことは緊張するかもしれませんが、実はとても楽しいので、是非それをアジ味わっていただきたいと思っています。
ここまで読んできてコントラバスを弾いてみたい!と思っていただいた方、不安なことありますよね。
そう、「あんな大きい楽器どうやって運ぶの?」
慣れてくれば実はコントラバスは電車でも運べてしまうのですが、初めはちょっと難しいと思います。
でも大丈夫。EYSならコントラバスも貸し出しOKです!!スタジオに常設してあるコントラバスをLessonでお使いいただけます。
さらに「楽器プレゼント」もあります。
コントラバスの楽器プレゼントは実際に家における方も少なく難しいのですが。練習用のサイレント楽器をプレゼント。是非ご自宅でもお楽しみください。
いかがでしょうか?もしご興味がある方は是非体験レッスンにいらしてくださいね。
いかがでしたでしょうか。コントラバスは大人が初心者で始めるのも、決してハードルが高い楽器ではないこと、おわかりいただけましたでしょうか?
EYS音楽教室では様々なジャンルでコントラバスを弾いていらっしゃる会員様がいらっしゃいます。あなたも是非、はじめてみてくださいね。