【初心者必読!】クラリネットリードの正しい取り付け方を現役講師が解説
投稿者 :中島彩香
クラリネットを吹く準備として欠かせない事は、「楽器を正しく組み立てる事」と「リードをしっかり装着する事」となります。今回は、意外にもスルーしてしまいがちな、クラリネットリードの正しい取り付け方を掘り下げながら伝授していきたいと思います。
既にクラリネットに携わっている方、これからクラリネットを始めようとご検討されている方も、ぜひご覧くださいませ。
もくじ
「リード」は、葦(ケーンとも言います)という水辺に生息する植物が元の素材となっています。そこから加工されて、楽器店などの店頭に小包装された状態で販売されています。葦は約4,500種類存在しておりますが、実際に楽器のリードとして使われている素材はわずか1種類と言われております。
その種類は、日本語で「よしたけ」と呼ばれてます。
その1種類の中からさらに選別が行われて、最終的に全体の約1割程度しか残らないとも言われているのだそうです。
自然の植物ですので、気候や湿度によって水分を吸収したりする為、毎日同じコンディションというわけではございません。特に購入して開封したばかりのリードは、乾燥して柔軟性が備わっていない為、じっくり慣らして徐々に水分を含ませる作業工程が奏者には求められます。
リードは「消耗品」でございますので、使うほど徐々に劣化していきますので、複数のリードをローテーションしながら使っていき、都度新しいリードを購入してストックしておく必要がございます。
ローテーションしておくと、1本あたりの負担を軽減する事ができますので、リードを長持ちさせたい場合は、必ず複数枚用意して日替わりで交換しながら使っていく事をオススメします。
リードの裏面には数字さ刻印されております。2分の1(2半)、3、3分の1(3半)、4といったように、同じメーカーのリードでも細かく番号によって分かれているのです。これは「リードの厚さ」を示す判断基準として番号が割り振られているのです。
番号が大きくなるほど「厚みが増していき」、吹き心地にも抵抗感を感じます。多くのクラリネット奏者は3か3半を使用されておりますが、マウスピースのタイプや個々の吹奏感によって必ずしも全員に合っているかは、実際に吹いてみないと分からないのが現状です。
特に楽器を初めてまもない方は、いきなり3番以上を吹くのは、息が思うように入らず苦しいと感じてしまうでしょう。
最初は2番か2半からスタートしてクラリネットの吹奏感に慣らしていき、なんか物足りないな」と感じたら、一つ上の番号に変更してみると良いでしょう。
程良い抵抗感は大事ですが、「苦しくて息自体が入らない」のは、ご自身に合っていない厚さかもしれませんので、その際は番号をワンランク落としてみましょう。
早速ではございますが、クラリネットリードの取り付ける前にポイントを先にご紹介致します。
取り付けの際に『4つ』のポイントをあらかじめおさえておくと、スムーズに確実に装着する事が出来ますので、しっかり把握していきましょう!
リードの「高さ」とは一体何を指しているのでしょう?
ここで言う「高さ」とは、『クラリネットリードの先端とマウスピースとの先端の位置』を指します。この高さは、後述でお伝えしますが、とても重要になりますので把握しておきましょう。
リガチャーには、ネジを前で留める『順締めタイプ』と、自身に対して逆の方向でネジを留める『逆締めタイプ』の2種類が存在します。そのほか紐で結ぶタイプもあります。リードを装着する前に、ご自身のリガチャーはどちらのタイプかしっかり把握しておきましょう。
誤ったリガチャーの装着は、変形を招いてしまい、良くなるよう設計された形を台無しにしてしまう可能性があります。
また、無理な位置での装着は、マウスピースやリードを傷つけてしまいますので、あらかじめ確認しておく事をオススメします。
リガチャーは、つけたり外したりを繰り返しているので、徐々に金属疲労を起こしている場合もあります。
ある奏者が、普段と同じようにリガチャーをつけようとしたら、いきなりネジが「ポロン」と外れてしまい、そこから留め具も緩んでしまい、しっかり支えられなくなってしまったというエピソードを耳にした事がありました。
予期せぬタイミングで、急に破損してしまう事もあるので、ネジは上下均等にしっかり留められているか、締まり具合をチェックしておきましょう!
どちらかのネジを留めたとしても、吹いている時の振動につられて「カタカタカタカタ」とゆるい方のネジに振動音が伝わり、演奏にノイズ混じりの音が加わってしまいます。
ネジに異常を感じたら、思い切って新しいリガチャーを購入された方が良いでしょう。
リードを装着する際、「リガチャーからマウスピースにつけるのか、はたまたリードをつけてからリガチャーを合わせていくのか」としばしクラリネット吹きの間で議論が出てくる話題ですが、正直のところ『どちらからでも問題ない』と思います。ただ、初心者などの楽器の扱いにまだ慣れていない方には『リードから先につけていただく』方が良いでしょう。
なぜなら、マウスピースはエボナイトという天然のゴム素材で作られており、傷が付きやすい素材でもあります。特にリードと合わせる面の部分に傷をつけてしまったら、リードにフィットしなくなりますので、音色が変化してしまいます。
やっかいな事に、傷がついてしまったマウスピースは修復する事が難しいので、新たにマウスピースを購入しなくてはならない可能性も出てきます。
マウスピースに傷を作ってしまう主な原因として『落とす』『自身の爪で擦ってしまう』『壁などどこかぶつけてしまう』『リガチャーをはめる際に乱暴に取り付けて傷を作ってしまう』などが挙げられます。
金属のリガチャーよりマウスピースの方が柔らかい素材ですので、装着の際は慌てず装着する必要があります。
以上のような事から、私は、先にリードをマウスピースに当ててしまい、その後にリガチャーを被せるように装着して留めていくといった方法でセッティングしています。
この流れに慣れてしまえば、急いている時でもリスクを回避して、演奏の準備に取り掛かる事ができるので、ぜひともオススメしたい方法でございます。
長くなりましたが、いよいよリードの取り付け手順をそれぞれお伝えしていきましょう!
マウスピースの先端とリードの先端を最終的に調節しながら合わせていくのですが、どのリードはどの位置まで上げたら良いのでしょう?
これは、リードの薄さと実際吹いてた吹き心地によって調節するパターンもありますが、一般的には『マウスピースを越えないように、ほんの一筋のみマウスピースが見えるような高さまでリードを上げる』のが無難なのではないかと言われております。
マウスピースより飛び出てしまうと、息の入りを妨げてしまいます。
また、リードを装着する際は、『自分と同じ目線の高さ』で取り付けていきましょう。角度によって装着の位置がかなり変わってしまうからです。
上記で、リードの先端の高さを合わせました。
その次に『リードの下の部分が曲がっていないか』チェックしてみましょう!
画像をご覧いただくと、リガチャーより下にはみ出ている部分にマウスピースの両サイドの幅の線とリードの下の部分が見えるかと思います。
特にマウスピースの入らな部分から、リードが左右均等に収まっていればベストポジションなのですが、どちらかはみ出していると曲がっているサインとなりますので、軌道修正する必要がございます。
リードとマウスピースの先端を合わせたつもりでも、この部分を見落としがちになってしまう方も多いので、『高さ』と『下の部分の曲がり度』の2つを装着の際にチェックしてみてください。
リードのポジションが決まりましたらリガチャーをはめていきましょう!
マウスピースのデザインによりますが、マウスピースの下の方に「線が2本ある」ものが多いかと思います。まずはお手持ちのマウスピースを一度ご確認ください。
上記画像のように、2本ある場合は、2本線の真ん中あたりにリガチャーの下部分がうまくハマるように装着してみてください。
一番下の線より少し上くらいにリガチャーがくる状態になります。
ただ、リガチャーやマウスピースによって異なる為、一概にはいえませんが、線があるマウスピースは、その位置が設計上最も良くなる構造であるというサインでもありますので、お手持ちのマウスピースに線を発見致しましたら、意識して取り付けてみてください。
リガチャーの位置が決まりましたら、最後の取り付け『ネジを締めてしっかり留めます』。リガチャーに2つネジがある場合は、必ず上下均等に少しずつ見計らいながら締めていきましょう!
また、締める強さについてですが、『キツすぎず、緩すぎず』が理想的です。ネジが緩すぎてしまうと、リードの位置がズレてしまうだけでなく、ネジに振動が伝わって『ビーッ!』という音や『カタカタ』という雑音が入ってしまいます。
とはいえ、しっかり留めれば良いというわけでもありません。マウスピースの素材は傷がつきやすく、リードも圧迫してしまう可能性があります。
キツく締めていると、リードを痛めてしまいますので、ネジが少し『キュッ』と締まってきたなくらいで留めておくのが良いでしょう。
ギューッと締めると安心感はありますが、楽器にとっては響きを妨げている要因にもなりますので、もう一歩のところがちょうど良かったりもしますので、いろいろお試しください。
とても些細な事ですが、クラリネットの場合は『たった数センチ、数ミリで音色も吹奏感も変化する楽器』でございます。仕掛けを把握すれば、ご自身の思うがままの自由な演奏スタイル望む音色を手に入れる事だって実現できるのです!
ぜひ、取り付けのポイントをおさえて、演奏する前に、ベストポジションをマスターして演奏のパフォーマンスを上げていきましょう!
クラリネットリードの取り付け方についてお伝えしましたが、いかがでしたか?
マウスピースやリードの種類によって装着位置も異なりますし、実際に吹きながらその方にあったポジションによっても変化する部分が大きいかと思います。自身にとってのセッティング方法をしっかり把握されたい方には、ぜひプロ講師によるレッスンで、しっかりマスターしてみませんか?
EYS音楽教室では、懇切丁寧に、楽器の手ほどきと実践的な奏法をお伝え致しておりますので、初めての方も楽器経験者の方も「そんな方法があったのか」と改めて発見される事もきっとあるかと思います。
また、ご希望のジャンルに応じてレッスンをお選びいただけます。ジャンルに特化した講師が多数在籍いたしておりますので、すぐに習得したいレッスン内容をご受講いただけるので、大変好評をいただいております。
数ある音楽教室の中でもEYS音楽教室をオススメする理由として、『個々に応じたレッスンをご提供』しているところでしょうか。レッスンをご受講される目的は個々によって異なります。楽器のノウハウをじっくり吸収したい方、ご自身のペースを守りながら、いずれはイベントに出演したい方、憧れの楽曲を今すぐに演奏したい方など、その方に寄り添ったレッスン内容を一緒に構築していくシステムとさせていただいております。
まるで「オーダーメイド感覚のレッスンスタイル」となっておりますので、『受動的なもの』から『主体的にレッスンに取り組んでいただける』充実感を得られるのは、EYSならではの特徴の一つではないかと思います。
クラリネットを始めたいけれど、楽器を持っていないのでどうしようかと悩まれている方を多くお見受けしました。そんな時は、ぜひEYSの『楽器プレゼントキャンペーン』をご活用いただく事をオススメしております。
このキャンペーンは、レッスン前に楽器をご自宅にお届けしておりますので、すぐに始める事ができるとてもお得なキャンペーンとなっております。お取り扱いに不安な場合は、講師が組み立て方法とお手入れ方法など、お取り扱いをお伝えしておりますので、安心して取り組む事が出来ます。
お掃除グッズも付属されていますので、すぐにレッスンをご受講いただけます。
クラリネットは分解できますので、ケースに収納するととてもコンパクトなサイズになります。
持ち運びが楽な楽器ですので、レッスンに向かう際も荷物の負担を感じることはないかと思います。
ぜひ一度クラリネットをお試しいただき、ご検討くださいませ♪
クラリネットリードについての取り付け方法をお伝えしましたが、部位一つとっても音色が変化しますので、とても奥深くて面白い楽器であると常々感じております。クラリネットの豊かな温かみのある木管楽器の音色を、ぜひ一緒に感じてみませんか?
クラシックだけではなく、ポップスやジャズ、歌謡曲にも不思議と馴染む音色ですので、レパートリーがかなり広がる楽器なのではないでしょうか。
ぜひ最初の一歩をクラリネットで楽しんでいただけますと幸いです。
お待ち致しております♪