【クラリネットのリードを解説】基本の種類や手入れからおすすめのメーカー5選をご紹介
投稿者 :中島彩香
クラリネットで音を出す際に欠かせない存在である『リード』。
クラリネットに限らず、サックス、オーボエ、ファゴットなどの『リード楽器』はそれぞれの楽器にあったリードが存在しているのです!
今回は、クラリネットのリードについて深く追及していこうと思います!
リードを通じて楽器に興味が湧いてくるかもしれませんよ!?
もくじ
リードは「葦(ケーンとも言います)」と呼ばれる「イネ科の植物」が元の素材となっております。
葦の種類はおよそ「4,500種類」も存在しておりますが、楽器のリードとして使える種類は、なんとわずか1種類のみとなっているのです。
その種類は、日本語で「よしたけ」と呼ばれてます。
「よしたけ」はフランスやスペイン、アフリカ、インド、アメリカなどで自生されておりますが、気候によって変化が著しいそうで、最近ではほとんどがフランス南部と地中海地方から取る事が多いそうです。
収穫されたリードは、選別が行われ、最終的にリードとして使える素材は「収穫した全体の1割程度」しか残らないのです。その他残った素材は、すだれなど日用品として使用されるか切り捨てられているとも言われているのです。
我々が手にするリードは遠い地方から収穫され、厳選に選び抜かれた貴重なものなのですね。
まさに「自然の産物」といっても過言ではありません。
人は声を出す時に息を吸い、息を吐くのと同時に口角が変化し、発音しようとします。その際に声帯が振動し、声となって発音する事が出来るかと思います。
リードの役割は「声帯」と同じような働きかけを行っております。マウスピースに息を吹き込み、その圧力を受け止めて、リードの先端が激しく振動する事により、管内に響いて音を鳴らす事が出来るのです。
つまり、リードなしでただ息を吹きかけてもクラリネットのあの音色を生み出す事は不可能なのです。
昨今では、樹脂製素材のリードも種類が増えてまいりました。その樹脂製のリードでさえも、先端の振動により音を鳴らしているのです。
吹いている最中に振動を目視する事が出来ませんが、リードの細かい振動によって豊かな響きを得る事が出来るといえるでしょう。
先述でもお伝えしましたが、リードは収穫されたあと、選別が行われて各楽器の大きさにカットと乾燥させて、店頭へ排出されていきます。
機械で大量に製作されるパターンと、人が作業するパターンとメーカーによって異なります。
リードは「自然の植物」でございますので、湿度や水分量によって、しなやかさや耐性が異なります。また、毎日同じコンディションとは限らないので、日々お手入れや調整などが必要となります。
昨今では、湿度やコンディションに左右される影響を軽減した『樹脂製リード』なども選択肢として増えてまいりました。
見た目は透明でサイズは葦のリードと変化ございません。水洗いも出来て非常に衛生的ですが、自分好みの音色に調整する事は不可能となります。また、1枚売りで、お値段はお手頃とは言えない価格でございますので、慎重に試奏を行ってから購入される事が必要になるでしょう。
ちなみに、葦のリードでも「ドリームリード 」と呼ばれるシリーズも登場してまいりました。
これは、リードの変化を最小限に抑え、なるべく良いコンディションを毎日維持できるよう改良されたリードのようです。お値段はこちらもお手頃価格ではございませんが、試してみる価値ありだと私は思います。
このように、昨今では奏者がリードの調整に要する時間を少なくして演奏に没頭できるよう、様々な種類が開発されているのですね。
リードには「番号によって厚さ」が異なります。
2番、2分の1(2半)、3番、3分の1(3半)、4番といったように細かく区切られておりますので、好みの吹奏感に応じてリードを選んでいきます。同じメーカーのリードでも、番号によってかなり吹き心地が変化します。番号が増えるほど、厚みが増していくので、吹き心地の抵抗感が強くなります。
多くの方は3番か3半を使用されておりますが、メーカーによっても、個人によっても異なってきます。
特に楽器を始めて日も浅い方は、2番か2半からスタートしていただくことをオススメします。しばらくして「物足りないな」と感じたときに、番号を1つ上に変えていくと良いでしょう。
クラリネットとサクソフォン(サックス)はいわゆる「シングルリード」と呼ばれる楽器です。「シングル」と言われているだけあって、一枚の葦のリードが振動を行い、マウスピースが受け止めて発音しております。
それとは別に、オーボエやファゴットは『ダブルリード』と呼ばれおり、同じリード楽器ではありますが、クラリネットと少々構造が異なります。ダブルリードは、クラリネットのようなエボナイトマウスピースはございません。「ダブル」と言われるだけあり、「2枚のリードが向かい合わせになって、金属管で糸に巻き付けたもの」がオーボエ・ファゴットにとっての「マウスピース」になるのです。
金属管にはコルクがありますので、そのコルクを楽器の上部に差しこんで発音していく仕組みとなっております。
2枚のリードは中央に隙間ができるように、少しカーブがかかっております。その中央の隙間に息が入り込むと2枚のリードが細かく振動を行い、ダブルリードの部分だけでも音が鳴るようになっています。ダブルリードの方が、セッティングと調整がより複雑とも言われております。
演奏する前に、人知れず手間を費やしているのですね。
クラリネットのリードは一枚ずつのバラで販売されている他に、1箱10本入りで販売されております。ただ、リードは永久に使用できるものではなく、必ず「寿命」がきます。自然の植物でございますので、使用した分だけ消耗していくのです。
毎日吹く方で2週間くらい、たまにしか吹かない方でも数ヶ月で新しいリードを用意する必要がございますので、箱売りのをご購入された方が良いでしょう。
せっかくのリードを長持ちさせるためには『複数をローテーションして使用し、負担を軽減させる』事と『ケースに保存して変形を防ぐ』事をあらかじめおさえておきましょう。
気に入った1本のリードを毎日長時間使い続けると、あっという間にへたってしまいます。10本入りのリードを購入したら、10本をローテーションして負担を減らして、少しでも長持ちさせていきましょう!
また、リードは先端にいくほど薄くなっていきますので、水分などで簡単に凸凹の表面へと変形してしまいます。表面が平らでないとマウスピースにフィットしなくなるので、ノイズが混じった音色になってしまいますので、吹き終わったら、水滴を拭き取ってリードケースにしまいましょう。
よく、付属のプラスチックケースに入れて保存される方もいますが、変形しやすいのと、湿気がとれずカビの温床になりかねませんので、なるべく使用を控えた方が良いでしょう。
リードは「植物」で日々コンディションが変化していきます。
調整次第で自身の吹きやすい吹奏感を手に入れる事ができますし、好みの音色をリードで実現する事も出来るのです。このような、自身の奏法や理想の音色に近づけていくようにリードを調整する作業工程のことを、俗に「リードを育てていく」とも言われております。
クラリネット奏者はほとんどがリードを調整しながら吹いているといっても過言ではありません。リードケースに保存していたとしても、水分の吸収や厚さによって、微調整が必要な場合も出てまいります。
自身の吹きやすい状態にリードを合わせていく作業として、「やすり」や「ナイフ」を用いて厚さを調整したり、表面を整えたり行ってコントロールすることもあります。
ただ、楽器や自身の吹奏感や特徴を把握しておく必要がございますので、それを掴むまでは、無闇に削ったりしないよう、まずはご自身にあったリードの番号を選んでいくことから始めていきましょう。
リードは購入したらすぐに使えるようになるわけではございません。ご自身にとって吹きやすくさせるために、「慣らしていく」作業が必要なのです。ここでは、その中でも慣らすための作業で特に多かったパターンを2つご紹介してまいります!
箱売りのリードを購入された方は、10本入っているかと思います。そこは勿体ぶらずに全て取り出していきましょう。
リードは輸入されたものが多いので、現地の気候と日本の気候に違いが生まれます。特に日本の気候は湿度が多いので、1日から数日間は、日本の気候にさらして、水分を吸収させていきましょう。リードは繊細な生き物と言えるでしょう。
数日間空気にさらした後に水またはご自身の唾液で湿らせて一枚ずつを数分吹いてみましょう。このときざっくりと『吹きやすいか』『吹きにくいか』の2種類に仕分けしてみてください。特に初心者にとっては「息が入りやすい」か「息が入りにくい」かで分けてもらえると仕分けしやすいかと思います。
10枚全て吹き終わったら、リードケースに戻しておきます。この時、「吹きにくい」と感じたリードは捨てずに、吹きにくいリードに分けた状態で一緒にケースにしまいましょう。
なぜなら、リードはコンディションが日々変化していきます。最初吹きにくいと感じたリードが、数週間後にはちょうど良く感じたり、吹きやすかったリードがイマイチになってしまったりなど、状態が最初の段階では読めない為です。
水分を含ませたリードは水分を吸収して、空気に触れることで、さらに変化を遂げていきます。だんだんリードの繊維が柔らかくなっていきますので、柔軟性のあるリードへ変化していくのです。
数日後にまた取り出して10本全て満遍なく吹いて慣らしていきましょう。そうして少しずつ吹く時間を増やしていき、徐々に耐久性のあるリードへと育てていきながら、吹きやすいリードへの判別も行なっていきます。
トータル数週間くらいかけてじっくり育てていくと捉えた方が良いでしょう。
あくまで吹きやすいリードばかりを使うのは、劣化を早めてしまいますので控えましょう。
かの有名な日本のジャズクラリネット奏者「北村英治」さんが実践されている方法となります。
実際に「鳴りづらいリードも吹きやすくなった!」とのお声を耳にしておりますので、その方法もお伝えしてまいります!
①リードは10本全て開封します
②リードをコップに入った水(できれば浄水)に1〜2分浸します。
③その後、水滴を軽く拭き取ったらリードケースにしまって3日間置いておきます。
④3日後に、また②と③の作業をトータル「3回」繰り返します。
3回行うまで楽器に装着して吹く作業は一切ありません。
この作業は、自身で吹いて水分を浸透させていくのではなく、水に浸す事によってある意味劣化を早めて吹きやすい状態を作っておく方法になるかと思います。
1週間ちょっとで吹けるベースの状態に持っていくので、寿命は少々早くきてしまうそうですが、この方法が合っていると感じる方も一定数いらっしゃいますので、試してみても良いかもしれません。
ぜひご自身にあった方法を見つけていきながら、理想の音色と吹奏感が手に入れると、演奏がもっと楽しくなってきますね!
よく「良いリード」に仕上げたいという声をいただきますが、良いリードとはどんな状態かを明確にしておくと、調整の際に無駄なく仕上げる事が出来るかと思います。個々によって異なるかと思いますが、下記に4つ「良いリード」と言える状態をご提示していきます。
・息がすんなり入って吹きやすいと感じる
・幅広い音域も無理なく響く
・音色が良いと感じる(キツイ音であったり、スカスカしていない)
・心地よい抵抗感がある(軽すぎてペーペーとつぶれた吹奏感ではない)
少なくとも上記4つが揃っていれば、演奏面で無理ない奏法で自由に演奏を実現する事が出来るのではないでしょうか。
ぜひ、お手持ちのリードを育てて行った先に、上記の特徴を視野に入れながらご自身に合ったリードを作り上げてみてください。
リードの特性についてお伝えしてきましたが、いかがでしたか?
ここからは、クラリネットリードで愛用されているメーカーと、その特徴についてお伝えしてまいります。
既にそのメーカーを使っている方でも、リードをこれからご購入を検討されている方も、ぜひ参考にしていただければ幸いでございます♪
初心者からプロ奏者まで幅広く長年愛用され続けているのがこちらの種類になります。通称「青箱」とも呼ばれております。
VANDORENの定番リードとなっており、必ず使用した事があるリードといっても良いでしょう。私も様々なメーカーのリードを試しておりますが、迷ったらこの種類を選ぶと、間違いなく良いリードに出会う事が出来ます。
リードの素材に柔軟性がある為、音域を満遍なく鳴らすことが出来ます。楽器店で必ずと言っていいほどお見かけしているので、購入場所には困らないかと思いますので、リード購入に迷われている方には、ぜひお試しいただきたいリードでございます。
先ほどご紹介したトラディショナルと同じ「バンドレン 」メーカーです。こちらは通称「銀箱」と呼ばれており、トラディショナルより抵抗感があり、やわらかい響きが特徴的で、耐久性もあるので、長持ちしやすいリードとしても愛用されております。
音程もコントロールがしやすく、響きが一定に保つことが出来るので、音域の幅広いクラリネットにとっては演奏を手助けしてくれるリードでもあります。
傾斜がややきつめに作られているリードで、反応がとても良く、早いタンギングなどに素早く応えてくれる特徴があります。
クリアな発音ながらも、まろやかな音色をもち合わせているので、どんなジャンルにも馴染むリードとも言えるでしょう。
芯のある音色が備わっており、クラリネット特有の響きの豊かさはそのままに、音域が跳躍する場面でもまとまりを発揮してくれるので、安心して自由に演奏する事ができるでしょう。
また、息を吹き込んだ瞬間に楽器が反応してくれるので、吹いていて心地よく、奏者の期待に応えてくれるリードなのではないかと思います。
こちらはあまり知られてはいられませんが、知る人ぞ知る通称「赤い箱」のリード。著者は、ずっとバンドレン を使用しておりましたが、最近はずっとこれを愛用しております。
ドイツのメーカーで、販売元も少ないのですが、耐久性に優れ、コンディションの変動が少ない上に、長持ちするコストパフォーマンスに優れたリードなのではないかと思います。
また、レガートやスタッカートが容易で豊かな響きの中で、自由自在に奏法を操りやすくさせてくれる万能性も含めたリードとなっております。
奏法をもっと自由にコントロールできるようになりたい!芯のある響きを手に入れたい!と感じる方にぜひ一度お試しいただきたいリードでございます。厚みの特徴としては、先述でお伝えした「バンドレン V 12」に近いモデルなのではないかと思います。
クラリネットのリードに関して掘り下げていきましたが、いかがでしたか?
リード一つとってもあらゆる工程を経て自身に合った状態に仕上げていく事で、音色が変化するのはとても奥深い楽器なのではないかと思います。
とはいえ、いきなり最初からご自身にあったリードを見つけていくのは、難しいケースもございます。そんな、最初の工程こそ、ぜひプロ講師によるレッスンでしっかり体感していただいて、習得していただく事が何よりの近道なのではないでしょうか。
レッスンでは、楽器の取り扱いから、ご自身に合ったリードの選び方から育てる方法まで、懇切丁寧にお伝え致しております。
巷では、様々な情報が発信されておりますが、その多くの情報から合った方法を見つけていくのは知らずのうちに消耗して、楽器から離れてしまう方を多くお見受けしてまいりました。
楽器を通じて音楽に夢中になれる時間を少しでも増やしたい!そんな思いの中、最初にしっかりと手ほどきを受けて、演奏を楽しむ時間へ移行していただければ、より充実した音楽ライフを実感していただける事でしょう。
ぜひお一人だけで解決しようとせず、一緒に楽器について知って楽しみながら向き合っていただく方法をオススメします。
数ある音楽教室の中でEYS音楽教室がオススメなのは、『多様化されたレッスンスタイル』にあると思います。
昨今お家で過ごす時間が長くなっております。レッスンをご受講するとなると、楽器を持っての移動であったり、時間を費やすためにスケジュールを調整する必要も出てくるでしょう。
しかし、EYSではオンラインによるレッスンも対応しておりますので、お好きな時間にお好きな場所からレッスンをご受講する事も可能となりました。時代や状況に応じてその時の最先端のレッスンを常に提供している柔軟性も魅力の一つであると思っております。
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EYSが独自で開発したメーカーとなっており、お手入れグッズも備わっておりますので、すぐにでもスタートできる状態となっております。
憧れのご自身の楽器をレッスン前にお届けしておりますので、レッスンで手ほどきを受けていただければ、お好きな時にレッスン以外で楽器を楽しむ事が出来るのです。
上達の近道のポイントは『楽器に多く触れる事』でございますので、夢中になりながら楽器を触る機会を手に入れる事で、上達への実感も得られて、ますますモチベーションも上がってくる事でしょう。
ぜひ最初の一本をEYSの楽器プレゼントキャンペーンで実現してみてはいかがでしょうか?
今回は、クラリネットのリードについてご紹介してまいりました。
クラリネットは豊かな音色と幅広い音域であらゆるジャンルに対応しております。
その音色やパフォーマンスを支えているのが「リード」でもありますので、ぜひこれをきっかけに、木管楽器の仕組みや音にご興味を抱いていただけますと幸いでございます。
まずはお気軽に一度お試しくださいませ。
お待ち致しております♪