【クラリネットの運指講座】基本の指使いや位置をマスターするコツ
投稿者 :中島彩香
クラリネットは18世紀初頭より発明された歴史ある木管楽器です。
現在こそ黒い管体に無数の金属キィが取り付けられておりますが、初期はデザインが異なっておりました。
早速ではございますが、クラリネットの初期デザインを少しご紹介しまして、後に現在のクラリネットの運指をお伝えしていきます。
合わせて、運指を覚える際のポイントやコツなどもご紹介していきます。
もくじ
昔のクラリネット(古楽器時代)はツゲ(黄楊)を材料として製作されていたようで、これはリコーダーの材料としても活用されている素材です。重量は軽くて、質素な音質であったと言われております。やがて、時代と共に音楽や音色感も変化を求められてきました。そして現在の材料に変化を遂げていったと考えられます。
現在クラリネットの材料は、多くがグラナディラという材料で作られております。グラナディラは、大音量の演奏に対応していながらも、柔らかい音質感も兼ね備えている素材が特徴的です。
現在こそたくさんのキィが備え付けられておりますが、18世紀初頭はなんと「2つ」しか存在しておりませんでした。
その後、より安定した音程と半音階の音もより簡易に発音できるように、改良を重ねて、19世紀には、13個のキィのクラリネットが誕生しました。
その後もキィ数は増えていき、徐々に現在のデザインに近づいていったと言われております。
試行錯誤の結果の末、現在の形があると考えられると、歴史を感じますね。
あらゆるキィが存在しておりますが、その中でもぜひとも最初におさえておきたいキィをご紹介していきます。
親指掛け
右手の親指を掛ける個所になります。クラリネットの全重量を支えていると言っても過言ではない重要なポジションとなります。
慣れないうちは、右手の腕全体に疲労感を感じるかと思いますが、「楽器を落とさないように」と意識するあまり、肩に余分な力が入ってしまう事も原因の1つと言われております。
右手に疲労感を感じた場合、こまめに休憩を取り入れるか、肩からほぐして筋肉を緩める事を心がけるだけで、腕の強張りを解消出来る事でしょう。
レジスターキィはクラリネットの上管に取り付けられた左手の親指で抑える細長いキィを指します。サックスでいうオクターブキィのような存在とも言われております。
レジスターキィのすぐ下に穴の開いたリングキイが存在しておりますが、こちらも左手親指で押さえます。つまり、レジスターキィと下のリングキィは同時に左手親指で塞ぐ運指が多く存在しております。
これからご紹介する運指にも、いくつか登場しますので、同時に抑える個所である事を先に把握しておくとスムーズに運指の位置が的確に覚えられるかもしれません。
レジスターキィのみ親指をベッタリあてるのではなく、指先で押すだけで簡単にキィが上がるので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
穴(トーンホール)の位置は左右決まっており、上管は左手、下管は右手が担当します。上管部分は上から左手の人差指、中指、薬指、小指、親指は裏側でそれぞれ押さえます。下管も上から順に右手の人差指、中指、薬指、小指と押さえていきます。右手親指は、裏側の指掛けに常に引っかけておきます。
丸みを帯びた形でガッシリと穴を塞ぐように指を置きます。穴に隙間が空いた状態のまま押さえると、たとえたっぷりと息を吹き込んでも、音が鳴らないという現象が起こります。
マウスピースをしっかりくわえて息を送り込んでいるにも関わらず、音が鳴らない・響きが弱いと感じた場合は、穴がしっかり塞がっているかチェックしてみましょう。
初心者の方にとって慣れないうちは、右手の親指から疲弊してくる方を多く見受けられます。上級者の方でも、長時間吹くと疲労を感じるほど、右手親指にはクラリネットの重量を受け入れている指でもあります。
誤った指の角度の位置で支えてしまうと、手首に繋がっている筋を痛めてしまい、「腱鞘炎」の引金にもなってしまう可能性がありますので、今後の為に、位置もチェックしておきましょう。
痛みを和らげる方法として、親指の当たる部分(指掛け)にかぶせるサムレストクッションというアイテムが販売されておりますので、必要に応じて活用してみると良いでしょう。これはシリコン状の素材でできており、指の当たりを柔らかくする事で、負担を軽減することができます。
クラリネットはキィの数が多い分、運指の種類も幅広く存在しております。
赤く塗りつぶされた部分は指を押さえる(押す)箇所で、空白の部分は指を離す(押さえない)個所になります。
運指表をご覧いただくとお気づきの方もいらっしゃるかと存じますが、同じ音の中で運指が2つ記載されているものがいくつかございます。これは一体どのような意味があるのか、どちらを優先して覚えたら良いのか迷われる方も多いのではないでしょうか?
実は、運指が1か所しかない場合ですと、演奏中に物理的に不可能な動きが発生してしまいます。
ある音は右手小指が必要であるが、すぐ次の音でも右手小指が必要で、滑らせないと追い付かないケースなどがあります。そんな物理的・演奏的負担を回避する為替え指が存在します。
クラリネットに取り付けられているキィは、一つも無駄なく活用されているのです。
替え指を活用する目的としては、上記でお伝えしている「物理的負担軽減」の他に、曲調の雰囲気や音程によって、あえて替え指の運指を選択して演奏する場合も多いにあります。
先述でご紹介している運指表を基に注目して、五線譜内にあるソの音の運指を確認してみましょう。
こちらの運指は穴(トーンホール)とキィを押さえずに吹く解放運指となります。この運指は、楽器の支えが不安定になりやすいので、口と右手親指の2箇所を楽器から離さないように心がけて吹いてみてください。
また、すぐに次の運指の動きに間に合うように、キィのすぐ真上に指を待機させておくと、テンポが速い曲の演奏時も慌てる事なく指を動かす事が出来るでしょう。
クラリネットは、穴(トーンホール)のどこか一箇所の隙間が開いているだけで、音が非常に鳴りづらくなってしまう特徴があります。
一生懸命息を吹いているのに、音の発音の反応が悪い、全く音が鳴らない場合は、適切な位置に指がしっかりキィを押さえられているかチェックする必要が出てくるでしょう。
ピアノと異なり、クラリネットは吹きながら運指をチェックする事が不可能です。よって、運指の位置とフォームを確認するには、楽器を口から話してチェックするか、周囲の方に確認してもらい、アドバイスをいただく必要が出てきます。
とは言え、毎回周囲の方に頼むのも気が引けますし、演奏している最中のフォームを確認できた方が、無意識のうちに繰り返している癖をいち早く発見する事が出来るかと存じます。
そこでお勧めするのが、全身を映し出す姿見での確認です。
余分な力が入って肩が上がっていないか、脇を絞めすぎていないか、指のフォームが崩れていないか、隙間なく穴を塞ぐことが出来ているか?など、自身を客観的に確認する事が出来ます。特に、楽器を始めてまもない方は、最初に鏡を取り入れた練習法に慣らしておくと、無理のないフォームを無意識で習得する事が出来るでしょう。
誤ったフォームで身体が覚えてしまうと、個人差はございますが、そこから改善するのにかなりの時間を費やしてしまう可能性があります。
個人での練習の際は、ぜひとも積極的に取り入れてみてください。
クラリネットは音域の数ほど運指の種類も数多く存在しています。同じ音でも音程や演奏時の負担軽減などを考慮して、先述でお伝えした替え指も多数記載されております。
より響く運指、安定的な音程を生み出すのに最適な運指はどれを選択したら良いのか、一つずつ選択されるのは、演奏以前に労力を感じてしまうかもしれません。
そんな時こそ、迷わずプロ講師によるレッスンで着実に素早くステップアップしていただく事をお勧め致します。
これで良いと捉えていたフォームが、実は演奏の負担となっていたり、うまく音が響かない要因が運指の影響であったり、気が付かないまま時間を費やしてしまう事は、とても勿体無い事かと思います。
その時間と労力を、クラリネット演奏を楽しむ時間へと充てられたらこんな嬉しい事はございません。今までつまづいていた事が、こんなにも簡単に解消されるなんて、、!と実感される方も数多く見受けられております。
EYS音楽教室では、「楽器プレゼント」キャンペーンをお選びいただくと、なんとご自身のクラリネットを簡単に手にする事が実現出来ますので、すぐに楽器を始められるは大きな特徴なのではないかと思います。
クラリネットはメーカーやお値段もピンキリなので、何を選んだら良いか分からず、最初のハードルをより高く感じてしまう方も多いのではないでしょうか?
また、レッスン時のみ楽器をレンタルされる方もいらっしゃいますが、次のレッスンまでに運指や吹き方を忘れてしまったり、なかなか次のステップに進めないジレンマを感じてしまうかもしれません。
ご自身の楽器をお持ちでしたら、そのようなジレンマを抱かずとも、次のレッスンまでに指づかいを確認出来たり、今吹きたい!と感じた際に気軽に演奏を楽しむ事が出来るでしょう。
他の音楽教室にはない、魅力の一つかと思いますので、ぜひお気軽にご相談くださいませ。
数ある音楽教室の中でお勧めするのがEYS音楽教室でございます。
基礎からじっくり取り組みたい方、演奏したい楽曲が既に決まっていてすぐに取り掛かりたい方など、レッスンをご受講される目的は多様化しております。
EYS音楽教室では、個々の目的に応じた『オーダーメイドレッスン』感覚で、レッスンスタイルをご提供しています。決まったレッスンカリキュラムをあえて設定しない事により、講師とコミュニケーションを図りながら、一緒に目的に向かってご受講いただくシステムを構築致しております。
初めて楽器を手にされてから、半年後には憧れだった楽曲を演奏出来るまでに上達を実感されている生徒様が多く見受けられるのは、EYS音楽教室の講師陣のスキルも高い事が伺えます。
休日にじっくり取り組まれる方や、お仕事帰りのちょっとした息抜きに演奏される方など、少しの時間でも気軽に・身近に音楽を感じる生活は、より充実感のある人生へと結んでくれる事と思います。
少しの時間と一歩踏み出す行動力で大きく変化を生み出してくれるかもしれません。ぜひ一緒に、充実した音楽・楽器ライフを歩んでみませんか。
まずは、お気軽にご参加下さいませ。
一緒に楽しみながら上達していきましょう。