ベースのスラップ奏法とは?その種類や初心者でも上達するコツを徹底解説!
投稿者 :ミュージックレッスンラボ編集部
もくじ
ベーシストの憧れともいうべきスラップ奏法について、詳しくご存知でしょうか?
スラップ奏法とは、別名チョッパー奏法とも呼ばれるもので、親指で弦を叩く動作と、その他の指で弦を引っかけてはじく動作を組み合わせた演奏方法です。
この弦を叩きつけたり、はじいたりすることで独特なアタック音とグルーヴを生み出すことができる、ベースの花形的な演奏方法といえます。
親指で弦を叩きつけることで音を出すスラップにも2種類あります。ひとつは親指が横向きの弾き方。
これはスラップの中でも、最もオーソドックスなスタイルではないでしょうか。
正面から見たときに、右手親指が横向きに見える感じで位置することが特徴で、親指のコントロールが効きやすいため、細かいテクニックを多用したいときに有効です。
次に、親指が下向きの弾き方。これはパワー系のサウンドでよく見られるスタイルで、正面から見たときに右手の親指が下向きに見えることが特徴です。
親指で弦を叩いてその勢いを下の弦で止めることをサムダウン、またはサムピングといいます。
この流れで、弦の下に親指を入れて爪で弦をひっかけて引っ張り、はじくことで音を出すことをサムアップといい、このサムダウンとサムアップを組み合わせると、指弾きでありながらピック弾きのような音色を実現できるのです。
プルは一般的に人差し指で弦を引っ掛けてはじくのですが、人差し指だけでなく中指もつかって2連続でプルをすることもできます。
同じ要領で、薬指まで使って3連、小指まで使って4連といったように、右手全体でプルしてしまうようすれば、演奏の幅がグンと広がります。
しかし習得には時間がかかるので、根気強く練習しましょう。
スラップ奏者の中でも比較的頻繁に使われるスラップ奏法のコンビネーションが、このロータリー奏法です。
サムダウン→サムアップ→プルという一連の動作をジッと見ていると、親指が回転しているように見えることが、その名前の由来といわれています。
とても細かい楽譜も演奏可能なので、難しそうに見えるのですがサムアップとサムダウンを習得できていれば、思いの外サラッとできるコンビネーションです。
ロータリー奏法の最後のプルを、2連プルに変更することで一連の動きで4音まで出すことが可能になります。
通常のロータリー奏法の3音だと、8ビートや16ビートの曲にはなかなか使いにくいのですが、2連プルにすることでどのような楽曲にも使いやすくなるのです。
しかし、実際にこの奏法を楽曲の中で多用すると、バンドの曲にもよりますが、かなり目立つことは間違いありませんので、バンドの曲調や雰囲気と合わせて考えて使うようにしましょう。
向き不向きは扱うミュージシャンによって異なるので、一概にはいえませんが、それでもスラップを多用するミュージシャンがよく使っているベースというものがあるのも事実です。
一般的にスラップに向いているのは、パッシブベースよりアクティブベースであり、プレシジョンベースよりジャズベースと言われています。
この理由について、ご説明していきます。
パッシブかアクティブかというところですが、アクティブベースにはプリアンプが内蔵されていることから、サウンドが華やかでパワフルであることが特徴です。この特徴によって、高音域と低音域を際立たせたドンシャリサウンド寄りの音作りがしやすくなります。
だからと言って、スラップするならアクティブベースでないとダメということではありません。
アクティブベースとパッシブベースの違いはプリアンプが内蔵されているかどうかなので、もしパッシブベースでアクティブベースのようなゴリゴリした音を出したければ、エフェクターやプリアンプを外部でつないでしまえばいいのです。
このように、音色を作ることも可能なので、そこまで本体の性能にこだわることはないでしょう。それに、プリアンプが内蔵されていると、音のキャラクターが決まってしまいやすいというデメリットもあるので、このあたりは好みが分かれるかもしれません。
そして、ジャズベースかプレシジョンベースか、という点については、音色的に抜けがいいジャズベースが向いているという意見が多いです。ジャズベースは高音域と低音域が強調されるように作られているので、設定によってはバキバキでゴリゴリのサウンドを作ることも可能になります。
それに対して、プレシジョンベースは中音域が強調されているため、もともと音抜けがよくない代わりに、丸みのある暖かい音色が特徴なので、スラップのような迫力や勢いで個性を発揮するプレイには不向きと言えるのです。この辺りも、機材やエフェクター、アンプの設定などで大きく変わってきますが、あくまでも傾向という意味で、ご紹介しました。
スラップと聞いて真っ先にイメージするのが、おそらくこのMUSICMAN STINGRAYではないでしょうか。
卵型のピックガードと、3対1のペグ配置が特徴の人気機種です。
Red Hot Chili Peppersのフリーが愛用していたことで、「スラップ=スティングレイ」というイメージが広がったと言っても過言ではないでしょう。
内蔵プリアンプだけでなく、ハムバッキングピックアップによるブリブリした独特のサウンドで、今も多くのファンを獲得しています。
ベースの王道メーカー、 Fender ジャズベースは前述の通りスラップにもオススメです。
ドンシャリサウンドを得意とするジャズベースは、昔から多くのミュージシャンにも愛用されており、ジャコ・パトリアスや、マーカス・ミラーといった有名ベーシストが使っていたことでもその信頼性が実証されています。
スラップに特化しているわけではないので、幅広い音楽に合わせることができる音作りの幅広さは特筆すべきものがあり、さまざまなプレイスタイルに対応できる優等生なのです。
見た目はFender Jazz Bassに似ていますが、その特性はスラップのために作られたかのような音色です。
RIZEなどで活動するKenKenがATELIER Zを使って、高速スラップをしているイメージでも有名ですが、ドンシャリサウンドだけでなく、中音域の抜けの良さはバンドの中でも埋もれることなく個性を発揮してくれます。
ちなみにこのATELIER Zはアクティブベースなのですが、スイッチ一つでパッシブベースにも切り替えることができます。
これによって、アクティブとパッシブを適宜切り替えることで音作りの幅がとても広いことも魅力です。海外メーカーが主流の中でも、ATELIER Zは日本が世界に誇るハイエンドブランドと言っても過言ではないでしょう。
独学で練習するとなると、動画や教則本を参考にするしかないのですが、実際手首の動かし方や弦へのアプローチの仕方など、細かいところはわかりにくいものです。
そのため、音楽教室に通ってプロの指導で疑問点をしっかり解決していくという方法もあります。
数多くの音楽教室の中からオススメするのが、「EYS音楽教室」です。
この教室でベースコースを選択すると、エレキベースを無料でプレゼントしてくれます。
しかもこのエレキベースはEYSモデルとして制作されたもので、他の音楽教室にはない特典ですし、その日から自分の楽器が手に入るというのは、モチベーションも上がりますよね。
また、半年かけて1曲弾けるようになるまでプロの講師が指導してくれるので、上達を実感することができます。
それに、同じ教室に通う他のパート(ギター・ドラムなど)の人とも交流も盛んなので、バンドメンバーを見つけやすいのも魅力的です。
ベーシストを目指していて、挫折するポイントとしてよく名前の上がるスラップ奏法。
見た目にも難しそうで、実際やってみてもコツを掴むまではできる気がしないほど難解な奏法ですが、噛み砕いて練習していけば必ずできるようになります。
しかし、独学では難しいということなら、音楽教室でみっちり教わるのも有効な手段です。
ご自分にあった方法で習得してみましょう。