大人になってピアノレッスンを始めた方が抱える悩みに、ピアノ奏者で講師の小山洋子先生から解決方法を教えていただく不定期連載。
今回は「指がスムーズに動かない」というお悩み相談です。
まずは簡単に洋子先生のご紹介。
幼少期からピアノを始め、都立駒場高等学校の音楽科、東京藝術大学の器楽科をご卒業。その後、ドイツ・ケルン音楽大学、同大学院に進みピアノを学びました。ドイツに合計で17年お住まいになり、現地でピアノ講師としての活動のほか、演奏家として現地のテレビ番組や日本の国家演奏もされました。
非の打ち所がないご経歴!
子どもの頃長年ピアノを習うものの、芽が出なかった、もとい努力が足りなかった私が、果敢にも先生に質問します。
洋子先生、今日はよろしくお願いします!
はい、よろしくお願いします。
今回は「指がよく動かない。もっと指がスムーズに動くようにしたい」というお悩みです。
ピアノ初心者がよくぶつかる壁ですね。レッスンを始めた当初は、メロディーが弾けることの嬉しさで満たされていたところ、ある程度進むと〝もっと上手になりたい“という気持ちが芽生えるからですね。
え、その心は?
少し弾けると、人間って欲が出てくるから、弾きたい曲が出てくるでしょう? でも、希望の曲を弾こうにも指が動かない(技術が追いつかない)から、ピアノを弾くのが楽しくなくなっちゃうんですね。だからって、そこで弾くのをあきらめないで!
もちろんですっ。そのためには、どうしたら?
練習あるのみ(ビシッ)!!
せんせい、そ、そ、そんなぁ…。
(笑)。もちろん、練習あるのみに間違いはないですが。詳しく説明しますね。大人になって習い始めた場合は、子どもが習うのと同じメソッドで進めることは少なく、「楽しく弾く」ことを重視して弾きたい曲からスタートすることが多いんです。楽しくなくちゃ意味がないから、とっても大切。だから、いわゆるピアノの教則本は使わない人が多いんですね。
「バイエル」に始まるアレですね。楽しくなかったですね(幼少期を回顧…)。。。
楽しくない。そうですよ、楽しむためではなくトレーニングのために作られているんですから。楽しさはないですが、使うメリットも十分にありますよ。特に今回のような悩みにはね。
ほぉ!
そこでオススメの教則本が「ハノン」や「ツェルニー」です。
あ、昔やりました(内容の記憶はないけど…)!
特に「ハノン」は指のトレーニングを目的としてつくられています。指がもつれる、速いスピードで弾けないなどで悩んでいる人は、まずは一度弾いてみるといいですよ。鍵盤が叩けるだけではなく、上手に弾きたいのであれば「基本」も大切にしてみてください。
なるほど。
レッスンが指のトレーニングだけだと飽きてしまいがちなので、レッスンではトレーニングと好きな弾くことを半々で進めることも。先に曲とは関係のないものを弾いたとしても、トレーニング後は以前よりも指がスムーズに動くという実感をもてるので、トレーニング自体も意欲的に取り組む生徒さんが多いですよ。
確かに結果がみえるとやる気が出る、出る!
壮大な話になりますが、鍵盤は指で押していますが、ピアノは全身で弾くもの。全身のトレーニングもすると、結果、うまく弾けるようになりますよ。
全身!?
体幹を鍛えるのと、腹式呼吸ですね。長くなるので(笑)、今回は説明を割愛しますが、正しい姿勢座り、腹式呼吸ができるようになると、いいパフォーマンスができるようになるんですね~。
ヨガなんてよさそうですね。
そう、まさにヨガ。私の場合、幼少期から厳しいトレーニングを続けてきたのでベースはしっかりできていますが、ピアノは一生続けますからね。メンテナンスの意味も込めてヨガをやっています。
ワタシもやりますっ。
私は未体験ですが、「指ヨガ」は、ピアノを弾くのにも効果があったという生徒さんがたくさんいます。私は詳しくないので「指ヨガ」で検索してみてください(笑)。
指がスムーズに動き、上達を目指すのであれば、基本的なトレーニング目的の教則本もやってみるべし。
そして、指だけではなく全身を鍛えることもお忘れなく!
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