スネアドラムの素材は何がいいの?それぞれの特徴とは?
編集スタッフ :グッドラック・ナギ
一般的なドラムセットはさまざまなサイズ、種類のドラムやシンバルなどで構成されています。
もちろん、それぞれに役割があり、出したい音や全体のバランスを考えて最終的には構成を考える必要があります。
とはいえ、いきなり理想的なセットを全て揃えるのは難しいでしょう。そこで、まずはドラムセットの核になる、スネアドラムから好みのものを探してみてはいかがでしょう?
単にスネアドラムといっても、あらゆるサイズや素材のものがあります。そして、それぞれ叩き心地やサウンドはまったく異なっているのです。
そこで、今回は特にスネアドラムの素材について詳しく解説していきましょう。
これからスネアドラムの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
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もくじ
スネアドラムの素材は大きく分けるとメタル系とウッド系の2種類に分けられます。中でも、近年、初心者から上級者まで、幅広いドラマーに支持されているのがメタル系のものです。
そこで、まずはメタル系スネアドラムでも代表的なものをピックアップしてご紹介していきましょう。
メタル素材の中でももっともスタンダードなのがスチールシェルのもの。初心者の方で素材に迷っているのであれば、まずは一度試してみることをおすすめします。
サウンド面では、明るく、倍音が多いという特徴があります。また、サスティーンが豊富で音量も十分ですので迫力あるサウンドです。
多くの楽器の音が重なるバンドにおいても十分な存在感がありますので、ハードロックやメタル系のジャンルでも活躍してくれます。
基本的にはジャンルを選ばず使用できますので、ドラマーであればひとつ持っていて損はないでしょう。
定番素材だけあって多くのメーカーからラインナップされています。価格帯の幅も広いので選択肢が広いという点もポイントです。
▼Pearl パール スネアドラム ユニバーサル・スチール US1450
スチールと並んで多くのドラマーに愛用されているのがブラスシェル。音の伝達がとてもいい素材ということもあり、管楽器などでも広く使用されている素材です。
サウンドはスチールと比較して、より明るく、ギラギラした特徴を持っています。こちらもかなりの音量が出ますのでライブなどでも扱いやすいでしょう。
ブラスシェルも幅広いジャンルに対応できる万能型です。
ブラスは加工しやすい材質なので安価なモデルも多く、初心者の方にもおすすめできます。
▼TAMA タマ S.L.P ブラック・ブラス スネアドラム 14″X6.5″ LBR1465
軽量な金属素材として知られているアルミニウムもスネアのシェルに使用されます。
スネアのシェルにしてもとても軽量ですので持ち運びもとても楽です。
サウンドはやや乾いた軽快なもの。重厚さはありませんが、すっきりとヌケるサウンドですのでポップスやオールドスクールなロックンロールなどにもマッチします。スカやメロコアなどのジャンルのドラマーにもおすすめです。
▼Pearl パール フィルハーモニック キャストアルミ・モデル スネアドラム PHA1465
ちょっとサウンドにクセがあるものの、唯一無二の特徴を持っているのがブロンズ。全体的なサウンドの雰囲気は一般的なメタルシェルのものと同様で、明るくパワー感がありますがより低域や中域が強いという特徴を持ちます。
より「太い」サウンドを求めるドラマーにおすすめです。
▼ラディック スネアドラム LB552 ブロンズシェル 6.5×14インチ
アルミと同様に、比較的柔らかい素材がコッパー。メタルドラムとしては、それほど明るいサウンドは出ません。ですが、その分だけ暖かいサウンドですので、よりナチュラルな音を求める方におすすめです。
普段はウッド系のシェルを使用していて、メタル系の金属的なサウンドが苦手という方にもおすすめです。
メタル系スネアとしては、それほどメジャーではないため、選択肢はそれほど多くはありませんが、ヤマハなど大手メーカーであればラインナップされています。
とにかく大きな音量と音圧を求める方におすすめなのがベルブラスです。無駄に音が広がることなく、締まっていますのでまっすぐに音が飛びだしていくイメージです。
かなり重量のある素材ですので持ち運びはちょっと大変。また、価格帯もかなり高価ですので、初心者の方にはなかなか手を出しにくいかもしれません。
ベルブラスと並んで、非常に大きな音量と音圧を誇るのがチタンシェル。比較的新しい素材ですので、それほど選択肢は多くありませんが、その音量、そして音圧は圧倒的なものです。
あまりにも音量が大きいのでアンサンブルの中で浮いてしまうケースもあるほどです。
とても硬く、加工が難しい素材でもありますので特に削り出しタイプのものは非常に高価で、多くのドラマーの憧れにもなっています。
複数の金属を混合したスネアも少なくありません。
代表的なのはアルミをベースとした混合素材のもの。有名なのはドラムの名門ブランドとして知られるラディックが独自に配合した「ラディアロイ」でしょう。1950年代から現代に至るまで多くのドラマーに愛用され続けています。まさに、メタル系ドラムのスタンダードと言っていいでしょう。
一般的にメタルスネアは1枚の板を丸めて加工されます。しかし、中には金属の塊からシェルを削り出す方法で加工されているモデルもあります。
板を丸める方法と比較すると、つなぎ目がありませんので当然鳴りにも影響します。より、ナチュラルに音が響くのです。
ここでご紹介したほとんどの素材に削り出し加工のものがありますが、いずれも加工が難しく、多くの素材のロスが出ますので価格は高価になります。
ただ、削り出しならではのサウンドがありますので、一度試してみる価値はあるでしょう。
メタル系スネアと違って、暖かなサウンドを持つウッド系スネアも根強い人気を誇っています。
もちろん、初心者ドラマーの方にもおすすめです。ウッド系スネアにもさまざまな材質のものがあります。
そこで、それぞれの特徴をご紹介していきましょう。
ウッド系スネアの中でももっともスタンダードなのがメイプルシェル。ウッド系スネアらしい暖かく、乾いた響きのサウンドが特徴です。
定番なので当然、多くのメーカーからラインナップされていますので、選択肢もとても豊富です。
かなり安価なモデルも多くラインナップされていますので、初心者の方でも比較的気軽に購入しやすいという点も嬉しいポイント。
ウッド系スネアが気になるという方にはまず一度試していただきたいタイプです。
▼ラディック スネアドラム 【クラシック・メイプル】 7プライ・メイプルシェル 6.5×14インチ
高級家具やエレキギターの素材としても知られるマホガニー。定番のメイプルと比較するとやや中低域に寄ったサウンドが特徴です。
とても落ち着いたサウンドということもあって、ポップス系のジャンルのドラマーに愛用されています。
非常に硬いブビンガもスネアシェルの素材の定番のひとつです。暖かくも芯があり、まとまったサウンドが特徴です。
中域が強調されているものの、決してヌケが悪いということはなく、音がしっかりとまとまっていますので綺麗に音が飛んでくれます。
ウッド系スネアの中では比較的高価なモデルが多いですが、ウッド系スネアが好みの方にはおすすめです。
メイプルに近く、ウッド系としてはかなり明るいサウンドが特徴です。しかし、加工の方法やハードウェアとの組み合わせによって大きくサウンドは異なります。かなりダークで中域が強くなることもありますので、材質だけで判断しにくいという一面も。
いろんなメーカーのものを試してみたい材質でもあります。
ウッド素材のスネアは、十分な強度を確保するために6~20枚程度の板を貼り合わせた合板によって構成されています。
そこで、異なった材質を組み合わせた混合材タイプのものも少なくありません。
たとえば、明るいサウンドのメイプル材の中に固めのブビンガなどの素材を取り入れることによって、芯のあるサウンドを実現したものも。
素材の組み合わせによって、サウンドの傾向は大きく変わりますので、いろんな種類のものを試してみたいところです。
このように、スネアドラムにはさまざまな材質のものがあります。そして、材質によって全くサウンドも異なっていますので、自分に合ったスネアドラムを選ぶ上でとても重要なヒントとなります。
とはいえ、初心者の方の場合、どう選べばいいのかわからないものです。
そこで、上記の特徴を踏まえてスネアドラム選びのポイントをご紹介していきましょう。
アンサンブルの中でも埋もれないはっきりとしたヌケのいいサウンドを求めるドラマーにおすすめなのはやはりメタル系シェルのもの。
定番はスチールですが、より大きな音量・音圧を求めるのであればチタンなどもおすすめです。
ウッド系であればブビンガなどの硬めの素材ほど音像がはっきりとします。
あらゆるジャンルに対応できるナチュラルなサウンドを求めるのであれば、やはりウッド系がおすすめ。
より明るいサウンドを理想とするのであれば、メイプル、そしてより暖かさを求めるのであれば、マホガニーやバーチがおすすめです。
メタル系であればアルミやコッパーなどが比較的ナチュラルなサウンドを得やすい傾向にあります。
まだ自分の好みやプレイスタイルなどがはっきりとしていない初心者の方の場合、オールラウンドに何にでも対応できるスネアが欲しいという方も多いでしょう。
メタル系であればスチール、ウッド系であればメイプルはいろんなジャンルに対応しやすいと言われています。
ただ、やはり最終的には好みの問題もありますので、いろんな材質のスネアを試してみることをおすすめします。
楽器店などでは、いろんな種類のスネアが並んでおり、試打が可能なケースも多いのでチェックしてみましょう。
特に合成系のものは組み合わせによってまったくサウンドは変わりますので、一度試した上で選ぶことをおすすめします。