ジャズ好きなら、一度は訪れてみたいのが「ジャズ喫茶」。おいしいコーヒーを飲みながら、上質なジャズを楽しめる――そんな至福のひとときを送ることができます。

とはいえ、訪れたことのない初心者の方にとっては、お店の雰囲気やルールがわからないので、ハードルが高く感じてしまいがち。今回はジャズ喫茶を楽しむためのマナーや、東京都内でおすすめのお店をご紹介します。

そもそもジャズ喫茶って？

JAZZ喫茶とは、主にジャズのSP・LPレコード音源をかけ、客は鑑賞を主目的として来店する形式の喫茶店。

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店内の音楽は主にジャズで、お店によってはボサノヴァやフュージョン、リズム・アンド・ブルース（R＆B）なども流れています。ジャズ“喫茶”だけに、主なメニューをコーヒーとしているところも多く見られますが、酒類やフードの提供をしているところも。お店ごとに、いろんな特色があります。

ジャズ喫茶を楽しむために

“喫茶”といえども、あくまでも「音楽を楽しむための」喫茶店です。音楽を聴くことを楽しみたい方が集まるので、マナーは守りたいところ。これもお店によりますが、1997年に開設された日本最古のジャズ喫茶ファン専門のページ「JAZZ協同組合」の掲げる一般的なマナーは以下の通り。

• 地震や火事でもない限りしゃべるべからず （しゃべっても良いところもあるので初めての時は良く観察するか、JAZZ協同組合のJAZZ喫茶ガイドを参考にしましょう）
• 店の人が席を指定したらそこに座るべし
• 基本的には2時間たったら新たな注文をするか外に出るべし
• 携帯の音は切るべし
• 店によってはリクエストが可能であったり、リクエストノートが用意してあるので積極的に利用すべし

「そんなにあるの?!マナーを守らないと怒られてしまいそうで不安」なんて思っちゃいますよね。でも大丈夫。難しく考える必要はなく、ジャズ喫茶にいる方みんなが、純粋に音楽を楽しめるように気をつけるだけのことなんです。これは映画館にも似ていますよね。

それでは、東京都内でおすすめのジャズ喫茶を5つご紹介します。

渋谷＜SWING＞

渋谷駅から徒歩10分、神山町にある、創業2年の新しいお店です。ハードバップ以前のジャズを中心に、ムード～イージーリスニング・ミュージックを最良のサウンドで楽しめます。

オーナー自身もミュージシャンであり、コツコツと集めてきたレコードや手作りで作り上げた内装やインテリアなど、こだわりの詰まったお店となっています。コーヒーやジュースのほかに、お酒や軽食メニューもあります。初心者の方でも訪れやすい雰囲気。

新宿＜DUG＞

新宿駅東口から徒歩7分の靖国通り沿いにあり50年以上の歴史を誇る、老舗ジャズカフェ＆バーです。村上春樹の『ノルウェイの森』にも登場するお店としても有名。カクテル100種類やベルギー白生ビールなど、ドリンクの品揃えは豊富です。

レンガ造りの店内は、都会の喧噪を忘れてしまうような異空間。ゆったりとした空気が流れます。その空気を作りだしているのは、素敵なインテリアと店員さんの温かい接客、店内に流れるジャズ。一人で訪れるお客さんも多く、それぞれが思い思いにジャズを楽しんでいます。名店の雰囲気を味わいたい方には特にオススメ。

高田馬場＜マイルストーン＞

高田馬場駅から徒歩3分、こちらも40年以上の歴史を誇る老舗ジャズ喫茶です。ジャズ喫茶として楽しむのはもちろん、ほかにもいろんな楽しみ方ができるのは、＜マイルストーン＞ならでは。

オーナーこだわりのオーディオ、ハチの巣ホーンでカスタマイズされた『Olympus』がずっしりと構える店内には、さまざまな種類の古本が取り揃えられています。「ブックカフェ」として自由に読書を楽しむことも可能です。女性でも1人で入りやすいお店なので、ジャズを聴きながらのんびりと読書をしたい方にもオススメのお店です。

四谷＜いーぐる＞

1967年創業の＜いーぐる＞。四谷駅から徒歩1分、ビルの地下1Fにあります。お店の入口から地下へと下りていく階段の壁には、ジャズ界大御所のポスターがびっしり。これを見るだけでも楽しめそう。店内へ入れば、インテリア雑誌に登場してきそうなオシャレ空間が広がります。

壁に埋められた大きなスピーカーからは、大音量のジャズが流れ、どの席からでも音を心ゆくまで堪能できます。それでも不快な音に感じられないのは、それだけ音響にこだわっているからなのでしょうね。

＜いーぐる＞では、音楽ファンのため、毎週末、さまざまな音楽家を招いた講座も開催されています。講座などのイベントやお得な情報などのお知らせは、スタッフの方が運営されているTwitterで随時更新ツイートされています。訪れるときは参考にどうぞ。

白山＜Jazz喫茶 映画館＞

白山駅ら徒歩1分のジャズ喫茶＜映画館＞。レトロな佇まいに「敷居が高そう」と思われてしまいがちですが、厳しいルールもなく、温かい雰囲気のお店です。中はこじんまりとしていますが、「いい音」にこだわった音響設備が整えられています。

アンティークな調度品や真空管アンプがあるので、まるでタイムスリップしたかのよう。五感でジャズを感じたい、ジャズに包まれたい！と思っている方にオススメのお店です。

いかがでしたか？　初めての方にとっては、少し入りづらい雰囲気があるかもしれませんね。ですが、そこに集うのは純粋に“ジャズ”が好きという方ばかり。あなたもジャズが好きなら、ぜひ訪れてみてください。きっと新しい感動が待っていますよ。

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投稿者

吹原紗矢佳

関西出身で愛知県在住のフリーライター。3歳の頃から13年間続けたピアノはすっかり忘却のかなたで、今や弾けるのは猫踏んじゃったのみ。高校時代は吹奏楽部でトロンボーンを担当。