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MAY,2017
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あなたは何種類あるか知ってる?「打楽器」の種類や分類を分かりやすく解説

# 楽器

投稿者 :山田洋路

「打楽器」や「パーカッション」と聞いてあなたはどんな楽器を思い浮かべるでしょう?

打楽器といっても、カホン(ペルー)やジャンべ(アフリカ地域)、タブラ(インド)といった世界各地で古くから演奏される民族楽器から、シンバルやバスドラム、ティンパニといったオーケストラで使われるものまで種類や特徴はさまざまあります。

また、素手やスティックで「打ってビートを刻むものが打楽器」と考える方もいるかもしれませんが、話はそんなに単純ではないようです。振ったり擦ったりして音を出す、マラカスやアサラト、ギロといったものも打楽器ですし、鍵盤打楽器のマリンバやカリンバのようにメロディ担当のものもあります。

人によってはピアノやベースなどの打弦楽器を打楽器ととらえるることもあり、こうなるとどこまでを打楽器とするのか混乱してしまうでしょう。

この記事では、「打楽器」とはなにを指すのか、また、「打楽器」や「ドラム」、「パーカッション」などの使い分けはどうなっているのかといった「もやもや」をひとつずつ解決していきます。

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打楽器とは?種類はどれくらいの数あるのか

打楽器 種類

どこまでを「打楽器」ととらえるのか、しばしば議論になるほど、少しややこしいジャンルでもあります。「新版 打楽器事典」では楽器が1110項目にも分かれて紹介されていることからも、その数の多さを推しはかることができると思います。

たとえば、ドラムマシンのような電子楽器を打楽器に含めるとすれば、形態や奏法が異なるものが現在も新しく出てきていますし、太古の昔からある打楽器には記録に残らないものも多いと考えられます。その種類と数を把握することは到底不可能でしょう。

シンプルな打楽器の分類法としては、トライアングルのように楽器全体が振動して音が鳴る「体鳴楽器」と、太鼓のように本体に張った膜や皮が振動して音が鳴る「膜鳴楽器」の2分類にわける「ザックス=ホルンボステル分類」というものがあります。

ただし、本来、管楽器などが属する「気鳴楽器」に含まれるものにも、ホイッスルのように打楽器奏者が担当する楽器もありますので完ぺきな分類とはいえないようです。

下記は打楽器五重奏の動画です。「打楽器」とひとくくりにするにはもったいない、それぞれの楽器の奥深さが感じられると思います。

パーカッションと打楽器の関係

打楽器の分類

そもそも「打楽器」は、「打つ、揺さぶる(cuss)」を語源に持つ単語「パーカッション(percussion)」の和訳です。

このことから、本来、打楽器奏者全般を「パーカッショニスト」と呼んでもよいのですが、ロックやジャズのライブでは、ドラムセット担当の「ドラムス」とコンガやボンゴなどの担当の「パーカッション」を分けてメンバー紹介することが多いです。

一般的にはドラムスティックで叩くドラムセットの奏者を「ドラマー」。クラシックやラテン系打楽器などを演奏する人を「パーカッショニスト」と呼ぶことが多いようです。

ところで話は戻って、打楽器を定義するとき、「打つ、揺さぶる、擦るなどして音を出す楽器全般のこと」としてしまいたいところですが、弦を弓で擦るバイオリンなどは打楽器に含まれませんので、これも正確ではないようです。

オーケストラの中での打楽器の役割

パーカッションの役割 オーケストラ

吹奏楽やオーケストラでは、ドラム類を含めパーカッションを担当する人を「打楽器奏者」と呼びます。そして、ティンパニを専門に演奏する人もいて、「ティンパニスト」と呼んだりします。オーケストラでは、お腹に響く重低音を出し、さらに音程も奏でられるこのティンパニが特別な存在です。

ティンパニは「第二の指揮者」といわれるほど、オーケストラにとって重要な役割を担います。ティンパニが入るところは音楽としての盛り上がりの部分なので、ティンパニストにはタイミングや表現に高度な感性と技術が要求されるのです。

ティンパニだけじゃなく打楽器全般は、「演奏の背骨」に例えられるほどで、抑揚をつけたりテンポを刻んだりするうえで欠かせないものですが、実は西洋クラシック音楽の歴史においては、長い間打楽器はあまり重要視されてきませんでした。

19世紀以前の打楽器は、弦楽器、管楽器、鍵盤楽器が中心の演奏に、アクセントを添える装飾的な存在だったのです。こうしたこともあり、合奏の中心から外れた楽器すべてを「打楽器」としてまとめたのでしょうが、これが今に至るまで打楽器の分類をややこしくしている原因の一端かもしれません。

カスタネットのプロがいる!

西洋クラシックで打楽器が日陰の存在だったことをお話ししましたが、今ではロックやジャズのドラマーやパーカッショニストは、ある種花形ですし、クラシックにおいてもさまざまな打楽器や奏法が生み出されています。

卓越した技術を持つパーカッショニストが数多くいますが、カスタネット1つで世界を渡り歩く人もいるのです。その一人がルセロ・テナ(Lucero Tena)さん。メキシコやスペインでフラメンコ・ダンサーとして活躍したルセロ・テナさんは、引退後に世界的に有名なカスタネット奏者となります。

とりわけスペインでの人気は高く、スペイン王妃も熱烈なファンだったとか。レパートリーはフラメンコだけでなく、クラシックの曲にも多く、小刻みかつ正確に刻むリズムと絶妙な抑揚づけにより、カスタネットによる演奏がどの曲にもシックリきています。

彼女の演奏を聴くと、小学校の音楽室で演奏したあのカスタネットがこれほどの表現力を持っていて、メイン楽器として成立することに驚かされます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「打楽器とはなにか」については、暫時的には「打楽器奏者が演奏する楽器全般」と捉えておきましょう。ただし、打楽器の種類や奏法についてはまだまだ知らないことが多いことも理解いただけたかと思います。

近代ヨーロッパでは脇役扱いだった打楽器ですが、さらに歴史を遡れば肉声の次に活用されたのが打楽器です。つまりは言葉より前の表現として打楽器があったわけで、そう考えると打楽器が捉え切れないほど幅広く奥深いのは当然ですよね。

打楽器は比較的に直観的に演奏できるものが多いですので、さまざまな打楽器の可能性をご自身の体を使って探求してみましょう。

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投稿者
大学では心理学、教育学を学ぶ。なりゆきと内発的動機に身を任せ、福祉やIT、運動指導などの職域を渡り歩くノマドワーカー。現在関心のある分野はパフォーマンス向上のためのライフハック。その日の脳内BGMを朝決めている。