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APR,2017
APR,2017

屋久島が舞台、じわじわと浸透するおもしろさ 映画『東京ウィンドオーケストラ』が支持される理由

# 映画&テレビ

投稿者 :ナカヤアキ

2017年1月の公開を皮切りに、全国のミニシアターで順次上映され、じわじわと人気が高まっている映画『東京ウィンドオーケストラ』をご存知ですか?鹿児島県屋久島を舞台に、コミカルな展開でオーケストラ楽団の公演と音楽の素晴らしさを伝える作品です。

作家主義」と「俳優発掘」がテーマの松竹ブロードキャスティングオリジナル映画製作プロジェクト第3弾として制作され、プロモーションではクラウドファウンディングも活用されるなど独自の方法でファンを増やしています。2017年4月~6月にかけて各地で上映される『東京ウィンドオーケストラ』の魅力についてご紹介します。

映画『東京ウィンドオーケストラ』のストーリーは

屋久島の町役場職員・樋口詩織(中西美帆)は、繰り返される単調な毎日に少々退屈気味。仕事はつまらないし、どこか投げやり。そんな彼女の口癖はというと、

「昨日は役場でデータの集計、今日も役場でデータの集計。たぶん来年の今頃も役場でデータの集計。毎日同じことの繰り返しで、私もいずれ屋久杉になってしまう…」

ある日、観光課の橘(小市慢太郎)が20年間あたためた「日本を代表するオーケストラを呼ぶ」企画がやっと実現することに。なぜか、やる気のない詩織がその担当に抜擢され、日本屈指の楽団“東京ウンドオーケストラ”を島に迎え入れる準備をしぶしぶ始める。

東京ウィンドオーケストラ

ここからハプニング満載のハートウォーミングコメディが始まります。

いよいよオーケストラを迎える当日を迎え、詩織は準備で大忙し。一方、鹿児島港では東京からはるばるやって来た10人の楽団員たちが、屋久島行きのフェリーを待っていた。実は彼らは日本屈指のオーケストラでもなんでもなく、趣味で始めたようなアマチュア楽団。自分たちがなぜ呼ばれたのか分からぬまま。

島をあげての歓迎ぶりに違和感を覚えるが、売り言葉に買い言葉で「楽しみにしていてください、感動させますから」と啖呵をきる楽団員。淡々と楽団員との予定をこなす詩織だったが、大きな過ちに気づいてしまう。

有名オーケストラを呼んだつもりが一文字違いのアマチュア楽団を呼んでしまったことに――。

楽団員もそのことに気づき逃げ帰ろうとするが、試しに演奏すると予想以上にアマチュア集団の演奏が上手い、という思わぬハプニングも手伝い、詩織は一文字違いのアマチュア集団を招いてしまったことを隠すため、このまま彼らが本物の有名オーケストラだという嘘をつき通すことを決断する。

はたして、詩織に説得された楽団員たちは本物のふりをして、このピンチを乗り越えられるのか――。

映画『東京ウィンドオーケストラ』をつくった人たち

クラウドファンディング 映画

力のある監督が撮りたい映画を自由に撮るX新しい俳優を発掘する」をテーマに発足した、松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画製作プロジェクト第3弾『東京ウィンドオーケストラ』。

第1弾は、東京国際映画祭でスペシャルメンションを受賞した沖田修一監督『滝を見にいく(2014)』。全国50館以上の劇場でロングラン上映を記録。第2弾は、様々な映画賞を受賞した橋口亮輔監督『恋人たち(2015)』など話題作を生み出したプロジェクトです。

今回は、監督による完全オリジナル脚本。選考を兼ねたワークショップを開き、そこから俳優たちを起用し、撮影はオール屋久島ロケと、監督のやりたいことを全て盛り込んだ制作スタイルでも話題になりました。

この映画で監督を務めたのは、いま日本映画界で最も注目される新鋭・坂下雄一郎氏。東京藝術大学大学院の卒業制作で撮った『神奈川芸術大学映像学科研究室』(2013)が国内外で高く評価されるなど、学生時代から注目を集めてきた経歴を持ちます。

その才能に惚れ込んだ本プロジェクトの仕掛け人、深田誠剛プロデューサーが抜擢し、この作品が誕生しました。本作は坂下監督の商業映画デビューとなる記念すべき作品でもあります。

ミニシアター 東京

ドタバタ騒動の張本人、樋口詩織を演じるのは、注目の若手女優・中西美帆さん。『喰女-クイメ-(2014)』『惑う After the Rain(2016)』などにも出演し、映画初主演となる本作で、投げやりでやる気もなく、でもどこか憎めない主人公を演じています。

アマチュア楽団員には、監督主催のワークショップで選ばれた新人俳優たちが起用されています。様々な劇団所属の俳優たちから、松竹の定年退職した元サラリーマンや歌謡バーのマスターなどまったくの演技未経験まで、バックグラウンドのレパートリーに富んだ10人が数ヶ月に及ぶ楽器の猛トレーニングを経て本作に挑んでいます。

ちなみに、楽団員たちが演奏する曲は「King Cotton(キング・コットン)」。アメリカでは多くの行進曲を世に送り出した“マーチ王”と呼ばれるジョン・フィリップ・スーザの名曲です。

新しい試み“クラウドファンディング”

『東京ウィンドオーケストラ』は、“クラウドファンディング”という新しい取り組みでも話題になりました。主演の中西さんや劇団員のキャストが全国の映画館を訪問し、舞台挨拶を行う「全国舞台挨拶計画」を実施するため、その資金を“クラウドファンディング”で募りました。

「全国舞台挨拶計画」の目標金額は50万円。キャストの舞台挨拶地での、交通費や宿泊費等に使用されたそうです。今時の映画という感じですね。

ドタバタ劇による笑えて、観た後にはじんわりと心が温かくなるストーリー。気になる方は、ぜひお近くの劇場でご覧くださいね。

『東京ウインドオーケストラ』公式サイト
http://tokyowo.jp/index.html

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MUSIC LESSON LAB
投稿者
幼少から音楽のある環境で育ち、気がつけば音楽が大好きに。クラシック、ジャズ、ロックはもちろん地球上にある音楽が大好きです。明るく前向きに、をモットーに元気になれるストーリーをお届けします。