実践編!ベースでジャズを弾く練習方法【ジャズ基礎レッスンVol.3】
投稿者 :しも
Vol.1ベースでジャズを弾く前に知っておくべき基礎知識、Vol.2ベースでジャズを弾くためのコード理論に続き、ジャズのベースを弾けるようになるためのポイントや練習方法をプロベーシスト、河野岳美(こうの たけみ)さんに聞きながらまとめてみました。
もくじ
ジャズのベースで最も特徴的なのが、ウォーキングベースとよばれるフレーズです。
ロックやポップスでよく使われる8ビートや16ビートといったリズムでは、ベースが「ベンベンベンベン♪」と同じ音を弾くフレーズが一般的ですが、ジャズでは、2ビートや4ビートのリズムの中で、ベースはその名の通り、まるで歩くようにいろいろな音を使い、メロディアスにフレーズが展開していきます。
ウォーキングベースのフレーズを考えるうえで基本になるのが、中編で解説したコードの構成音を使用するという方法です。
コードのルート音を中心に、3度、5度、7度といった音を使ってフレーズを組み立てていきます。
例えば「C7(シー・セブンス)」の場合、ルート(1度)は「C」、3度は「E」、5度は「G」、7度は「B♭」。
「Cm7♭5(シーマイナーセブンス・フラットファイブ)」の場合、ルート(1度)は「C」、3度は「E♭」、5度は「G♭」、7度は「B♭」。
フレーズの組み立て方として、コードが変わったとき、慣れないうちは最初の音はルート音を弾くのがよいでしょう。
ルート音以外の音で始めるという方法もありますが、ルート音から始めると、コードが変わったということが分かりやすく伝わり、安定した印象になります。
ルート音から始めたら、「ルート→3度→5度→7度」、「ルート→5度→3度→5度」「ルート→7度→5度→3度」など、どんな風に音を組み立ててもOK。さらにルートも1オクターブ上の音を使ってみたり、ひとつのコードでさまざまなコードの組み立て方を覚えておくと、自分のフレーズの引き出しが広がり、他の曲でも使えるようになります。
ジャズのベースフレーズを考えるうえで、コードトーンを使うのが基本になるわけですが、コードだけでフレーズをつくっていくとやや単調に感じてしまうこともあります。
立体的で他のコードとの繋がりを感じる、より”ジャズっぽい”フレーズをつくるために、以下2つのポイントも押さえておきましょう。
クロマチックアプローチとは、コードノートとは関係なく、コードのつなぎ目で使える音。
コード進行する際、コードが変わる前に次のコードの半音下、もしくは半音上の音を使います。
例えば、次のコードが「C(シー・メジャー)」なら、半音下は「B」、半音上は「D♭」。
次のコードが「D(ディー・メジャー)」なら、半音下は「D♭」、半音上は「E♭」。
クロマチックアプローチを使うことで、コードの繋がりが生まれ、なおかつ半音の響きがジャズ特有のオシャレな雰囲気を演出してくれます。
スケールとは、規則的に並んだ音階のこと。
コードの概念と似ていて分かりにくいですが、コードが曲中の一部のルールであるのに対して、スケールは曲全体を支配する音階。
曲によってスケールが決まっています。
その中でももっとも知られているのが「Cメジャー・スケール」。
C(ド)から始まるメジャースケールで、つまりドレミファソラシドのことです。
曲のコードとともにスケールも理解し、クロマチックアプローチのように、コード間の経過音でスケールの音を使うと、フレーズがよりなめらかに繋がり、美しくこなれた印象になります。
3回にわたって解説したジャズのベースを弾くための基礎知識ですが、実は今回の内容はすべて他のジャンルのベースを弾くうえでも使えます!
例えば、タブ譜を見てコピーしていた有名曲のベースラインも、コードを理解し、さらにクロマチックアプローチやスケールの音を使うことで、自由自在にアレンジできるようになります。
また、さまざまな曲に挑戦してコード譜に慣れ、いろいろなコード展開を覚えると、そのうちにコード譜を初めて見る曲でも対応できるようになります!
ジャズのベースを覚えることで、ベースの面白さをさらに実感できるはず。理論をもっと学びたい、テクニックをもっと身に着けたい方はEYS音楽教室のベースレッスンでお待ちしています!
Vol.2
ベースでジャズを弾くためのコード理論
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