ベースでジャズを弾くためのコード理論【ジャズ基礎レッスンVol.2】
投稿者 :しも
Vol.1のベースでジャズを弾く前に知っておくべき基礎知識に続き、ジャズのエレキベースを弾けるようになるためのポイントや練習方法をプロベーシスト、河野岳美(こうの たけみ)さんに聞きながらまとめてみました。
今回はジャズのジャンルで使う「コード」について解説しましょう。
もくじ
河野さん「ジャズのベースを弾くためには、まずは曲のコードを理解する必要があります。「ジャズ=即興演奏」というイメージから、ぶっつけ本番で自由自在に演奏する高度なテクニックが必要だと思い込んでいる人もいると思いますが、決してそうではありません。役者さんが台本を読んでから舞台に立つのと同じように、事前に曲のコードを理解しておくことが重要です。」
コードとは、日本語で「和音」のことです。
高さの異なる音を3つ以上同時に鳴らすと、それが「コード」で、いくつかのコードが並び、展開していくことを「コード進行」と呼びます。
例えば、こちらの写真はジャズのスタンダードナンバー「枯葉」のコード進行です。
CやB、Fといったアルファベットは、ドレミといった音階の英語表記。
「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ」は「C・D・E・F・G・A・B」と表記されます。
ひとつひとつのコードには「Cm7(シー・マイナー・セブンス)」「F7(エフ・セブンス)」など、「コードネーム」が付いていて、コード譜にはこのコードネームが書かれています。一見すると暗号のようで種類も多いので難しそうですが、コードネームは規則性に基づいて表記されているので、覚えてしまえば意外と簡単です。
一つのコードネームは、下の図のように、アルファベットや数字が書かれる場所によって何を表しているのかが決まっています。
例えば「Cm7(シー・マイナー・セブンス)」はこんな感じです。
まずルートとは、日本語で「根音」といい、その名の通りコードの根っこ(基本)となる音。
「C・D・E・F・G・A・B」が入ります。(フラット、シャープを含む)
ルートの音を弾いていれば、曲中で音が外れるということはありません。
ロック系のジャンルだとルートだけをひたすら弾くような曲もありますが、ジャズだと少し物足りなく感じてしまいます。
そこで、ルート以外に使える音を示すのが、「3度」「5度」「7度」「9度〜」。
「●度」とは、ルートの音との“音の距離”を示します。
例えばルートが「C」の場合、
Cは1度、Dは2度、Eは3度、Fは4度、Gは5度、Aは6度、Bは7度、1オクターブ上のCは8度となります。
ちなみに、ベースの指板で見てみると以下のような配置ですね。
コードネームとして、C、D、E、Fなど、ルートのみが表記されている場合、最もスタンダードなメジャーコードとして、長3度と完全5度の音がコードに含まれます。
例えば「C(シー・メジャー)」の場合、ルートのCに加え、長3度のEと完全5度のGがコードに含まれます。
ルートの「3度」にあたる音に関する指示が入ります。
「m」または「−(マイナス)」と表記されていた場合、これを「マイナーコード」と呼び、前述のメジャーコードを基準にして、3度の音を半音下げた音(短3度)が入ります。
例えば「Cm(シー・マイナー)」の場合、短3度の音はE♭となります。
ルートの「7度(セブンス)」にあたる音に関する指示が入ります。
「△7」または「maj7」と表記されていた場合、これを「メジャーセブンス」と呼び、長7度の音が入ります。
例えば「C△7(シー・メジャーセブンス)」の場合、「C」に長7度の音、Bが入ります。
「7」と表記されていた場合、これを「セブンス」と呼び、短7度の音が入ります。
例えば「C7(シー・セブンス)」の場合、「C」に短7度の音、B♭が入ります。
ルートの「5度」にあたる音に関する指示が入ります。
「♭5」または「−5(マイナス5)」と表記されていた場合、これを「フラットファイブ」と呼び、5度の音が減5度の音に変わります。
例えば「Cm7♭5(シーマイナーセブンス・フラットファイブ)」の場合、「Cm7(シーマイナーセブンス)」の5度の音、Gが減5度、G♭に変わります。
ルートの「9度」「11度」「13度」といった「テンションコード」にあたる音に関する指示が入ります。
基本的な考え方はこれまで説明した「3度」や「5度」、「7度」などと同様。
例えば「Cm9(シーマイナー・ナインス)」の場合、「Cm(シーマイナー)」の9度の音、ルートに対して1オクターブ上のDの音が入ります。
この他、「add9(アドナインス)」や「aug(オーギュメント)」「dim(ディミニッシュ)」「sus4(サスフォー)」「omit(オミット)」といった表記が入るコードネームも存在しますが、基本的には全て、ルートの音に対してどんな音を加えるのかが示されています。
今回は全てルートがCの場合で説明しましたが、ルートが変わっても考え方は一緒。
以下の図のように、例えば「C△7(シー・メジャーセブンス)」のポジションを覚えたら、ルートがDやEでも、弦やフレットの場所を変えるだけで押さえることができるんです。
ジャズのベースを弾くために重要なのは、曲のコードを理解すること。
それにはまず、コードネームの読めるようになる必要があります。
ひとつひとつのコードを音符で理解するのではなく、実際にベースを弾きながら、ベースの指板と照らし合わせると、感覚的に理解することができるので、あなたも早速実践してみてはいかがでしょうか?
3本立ての記事の最後Vol.3では、コードを読めるようになった上で、どのようにジャズのベースを弾くのか解説します。
Vol.3
【実践編】ベースでジャズを弾く練習方法
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