バンドの中でベースといえば、縁の下の力持ち。
主役のボーカルや目立ちたがり屋(?)のギタリストを、後ろで寡黙に支えるイメージですが、中にはそんなベースのイメージを覆す、ド派手なベーシストもいます。
今回は、以前紹介した国内のベーシストに続いて、海外の超絶技巧を持つベーシスト5人を紹介します。
もくじ
まず最初に紹介するのが、アメリカ出身のMarcus Miller(マーカス・ミラー)。
ジャズ・フュージョン界の第一線で活躍し、日本でも人気の高いベーシストです。
プレイスタイルの基本は、スラップ奏法。
フェンダーのジャズベースを使ったソリッドかつ潤いを感じる音質と、派手でありながらブラックミュージック特有のタメが効いた、セクシーなプレイが特徴です。
2016年に行われたBlue Note JAZZ FESTIVAL in Japanでは、MISIAとも共演。
指弾きでもその存在感は健在です。
そして、曲の中盤のソロではもちろんスラップを披露しています!
次に紹介するのは、アメリカのハードロックバンド、Mr.Bigのベーシスト、Billy Sheehan(ビリー・シーン)です。
ハードロック界で超絶ベーシストというと、だいたい話題に上がるひとりではないでしょうか。
この細か過ぎるフレーズ、何をやっているのか映像で見ても意味不明(笑)。それぐらい超越しています。
特にすごいのは、その右手です。
通常、指弾きといえば人差し指と中指の2本を使いますが、ビリー・シーンは人差し指・中指・薬指の3本を使う「3フィンガー」という珍しいスタイル。
これにより、驚きのスピードを実現しています。
そんなビリー・シーンはB’zとも共演し、やはり曲の中盤ではその超絶高速プレイを披露しています。
続いて紹介するのは、西アフリカ・カメルーン出身のジャズ・フュージョンベーシスト、Richard Bona(リチャード・ボナ)。
この人は…まあとにかくすごくて、筆者も来日公演には何度もお邪魔しています。
まずは、こちらの動画をご覧いただきましょう。
超絶のベースフレーズと歌が完璧にユニゾンしています!
ベーシストとしての卓越した技術はもちろんのこと、歌声も魅力的です。
アフリカ生まれの圧倒的なグルーヴと、情熱的なアフロ・キューバン・ サウンドは今の季節にもピッタリ。
ただテクニックに走るのではなく、グルーヴ至上主義なところが堪りません。
弾むリズムは、今にも踊り出したくなりますね♪
続いては、1987年に他界した伝説のベーシスト、Jaco Pastorius(ジャコ・パストリアス)。
実は先ほど紹介したリチャード・ボナも、ジャコから大きな影響を受けていると公言しています。
ジャコの代名詞といえば、フレットレスのフェンダー・ジャズベース。
フレットがないので、ヴァイオリンのように繊細なピッチコンロールによる豊かな表現が可能です。
粒立ちがよくて小気味良い音は、リズムを支える存在にもなれる一方、ソロでもグッと前に出ます。
高速な指弾きで紡がれる複雑なメロディーは、多くのアーティストの憬れでもあります。
ベースを構える姿やファッションスタイルもクールで、“ベース界のジミ・ヘンドリックス”ともいわれる、世界的なアーティストです。
最後に紹介するのは、アメリカの超人気ロックバンド、Red Hot Chili Peppers(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)のベーシスト、Flea(フリー)です。
フリーの魅力は、その名の通り、とにかく形にとらわれず、「フリー」=「自由」なところ!(スペルは違いますが。)
首がもげそうなほど頭を振ったり、妙なステップを踏んだり、歳を重ねても衰えることなく、本能に任せて全力で音楽を楽しむステージを見ていると、筆者はいつも「芸術は爆発だ」という岡本太郎の言葉を思い出します!
演奏は荒々しくもタイトで、ベースの音質も指のタッチがそのまま出る“逃げも隠れもできない”音。
ロック好きだけでなく、幅広いジャンルのアーティストやリスナーからリスペクトされ、そして愛されるベーシストです。
いかがだったでしょうか?
「ベースは地味な楽器」そんなイメージがガラリと変わったのではないでしょうか。 これからベースを始めようと思った方は、こちらの記事もチェックしてみてください。
【初心者必読】ベースを始める前に読んでおきたい、意外と知らない基礎知識
ド派手なベーシストで、ベースの格好良さを知ってもらえたら、スタンダードなベースの魅力もわかるはず。 ということで、次回は縁の下でバンドを支えながら存在感を放つ、シブさがたまらないベーシストを紹介します!
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